雨の日に「自転車通勤」をツイートする猛者を検索

こんにちは、松本淳(@a_matsumoto)です。前回の「フォロワー1000人目指します」企画スタートから約2週間が経ちました。前回も紹介した、私なりに考えた以下の5つの方法のうち1~4を実践しつつ(5は保留しています)、毎日Twitterを楽しんでいます。

1. おもしろそうなユーザーを探して、積極的にフォローする
2. 見つけたユーザーとつながっているユーザーもフォローする
3. プロフィールや背景画像・アイコンに一工夫
4. ハッシュタグを活用する
5. 「#followmeJP」タグを利用する

「おもしろそうなユーザー」を探す方法としては、編集部ブログの記事を参考にしたり、Twitterプロフィール検索(プロフィールに書かれている内容を検索)を試したりしました。

そうした中で、個人的には(プロフィールではなく)ツイート(つぶやき)の内容そのものから検索して、自分の興味のあることについて発言しているユーザーを探す方法が、しっくりきています。例えば、次のような感じです。

TwitterのWebサイトにある検索窓から、私の興味がある「自転車通勤」などのキーワードで検索すると、それらについての直近のツイートが一覧表示されます。その中から「おっ!」と思うものを見つけたら、そのユーザーをすかさずフォローしていきます。最初にこうした検索を試したのは雨の日だったのですが、雨にも負けず自転車で通勤するパワフルなユーザーを見つけることができました。


「自転車通勤」で検索して、同好のお仲間を探します

気になるユーザーを見つけたら、プロフィールページでそのユーザーが返信やリツイート※1をしている相手のユーザーもチェックし、フォローします。興味のある発言をしているユーザーとつながっているユーザーは、同様に興味深い発言をされていることが多いためです。

また、タイムラインを見て、自分がよりその話題を深めたり、新しい視点を持ち込めそうな話題には、返信やリツイートで積極的に「絡んで」いくことを心がけるようにしています。その際には話の腰を折らないよう、失礼します......という姿勢を忘れないよう気をつけています。

ハッシュタグは難しい......

ハッシュタグ付きの話題には、まだそれほど参加できていません。けれども自分でこの企画のために作った「#follower_1000」のハッシュタグには、少しずつですが参加してくださる方も出てきて、うれしく思います。

また、ハッシュタグを付けることはできませんでしたが(とっさにツイートしたときに、ハッシュタグを付け忘れてしまいました)、テレビのニュースと関連した話題で、顔見知りだけでなくTwitter上で知り合った方たちとの有意義な議論ができ、Twitterならではの楽しみ方を実感することもできました。

ハッシュタグを使いこなすことはなかなか難しいなと実感しているところですが、今後も上手にハッシュタグを使いこなし、話題に付いていけるよう精進します!


クライアントソフト※2TweetDeck」には、過去に入力したハッシュタグの入力支援機能があります。しかし、慣れないとうっかり付け忘れてしまいがち。なかなか難しいです

こうした活動の結果、この原稿を書いている11月18日の時点で、412フォロー/345フォロワーという数まで増やすことが出来ました。第1回の原稿を書いた11月6日の時点から、218名の方に新しくフォローしていただいたことになります。皆さま、ありがとうございます!

Twitter本の著者、コグレさん、いしたにさんにインタビュー

さて、前回予告の通り、さる11月16日に、すでに多くのフォロワーを抱える達人に教えを乞おうということで、「ツイッター 140文字が世界を変える(毎日コミュニケーションズ)」の著者であるコグレマサト(@kogure)さん、いしたにまさきさん(@masakiishitani)のお二人にインタビューさせていただきました。

以下は、インタビューの内容です。お二人からは、目が覚めるような指摘もいただくことができました。

「おもしろいできごと見逃したら、見逃したことを楽しめればいい」

松本:今、私は「フォロワー1000人」という企画をやっているわけですけど、周囲から聞く声として、フォロー/フォロワーを増やしすぎたら収拾がつかなくなるのが心配で、無理なく付き合える数十~100人程度から増やすのが怖い、というものがあります。実際、私も今、それに近い状態になっています(この時点でフォロー/フォロワーともに200人台)。

いしたに:そこは発想の転換がいりますよね。これまでのソーシャルメディアでの「無理なく付き合える」範囲というのは、mixiなどの経験に基づくものだと思います。しかし、TwitterはTwitterで、別ものだと考えた方がいいです。

松本:タイムラインに流れるツイートを読み切れないのが嫌だ、という声が多いですね。私も現在これが悩みの種なのですが、その点はいかがですか?

コグレ:ある意味Twitterとはテレビのようなもので、おもしろいできごとを見逃した場合でも、見逃した! ということを楽しめば良いと思っています。

松本:まさに、著書にもある「ツイッターの三カ条」ですね。「全てを読もうとせずに適当に流す」、そして「大切なことはリツイートで再び出会う」。おもしろいできごとがあったらまとめサイトで読めることもありますし、そう考えれば確かに気楽ですね。
(「ツイッター 140文字が世界を変える」110ページより。コグレマサトさんのブログ「ネタフル」では、「ネタフル的ミニブログの三カ条」として紹介されています。参考:[N] TwitterとTumblrのフォローが止まらないのですが、これがキャズムを超えるってことですか?


いしたにまさきさん(左)と、コグレマサトさん(右―「顔出し」はNGとのこと)。


「Twitterに慣れながら、少しずつ増やしていくことが大切」

松本:お二人は、フォロー/フォロワーを増やすために特別な活動はされましたか?

コグレ:Twitter上では、特にしていません。とはいえブログでTwitterについて書いているので、まずはブログの読者の方がフォローしてくださっていますね。基本的には、一生懸命やって、楽しんで、その結果としてフォロワーが増えるということに意味があるのだと考えています。

いしたに:フォロワー数を語るときの大前提として忘れていけないことがあります。今現在何千、何万 というフォロワーを集めている人もいますが、そういう人たちも、いきなり今の数になったわけではない、2007年の春ごろに始めたなら、2年半かけて今の数になっているということですね。フォロー数も同じことです。

松本:なるほど。

いしたに:つまり、徐々に慣らしながら増やして/増えているわけです。急に増えると、けっこう大変なことになるかもしれませんよ。

コグレ:1000人と簡単に言っても、けっこうな人数ですからね。大きな学校の全校生徒ぐらいですか? 緊張しますよね(笑)。

松本:確かにそうですね......(ゴクリ)。

コグレ:慣らすという意味で言えば、私はTwitterを始めてしばらくの間は、非公開でやっていたんです。

いしたに:ブログなどに慣れていそうな人でも、最初は非公開からという人は多かったですね。それだけTwitterはこれまでの体験とは別のものだったということです。

松本:まさに、ものすごくオープンで、今までのサービスにないスピード感もあります。私も始めたばかりのときは非公開だったのですが、公開にしたら、要求されるリテラシーの水準が数段上がった感じがしました。

コグレ:実はこの企画の話を聞いて、1000人達成してしまわなくても、いや、達成してしまわない方がいいんじゃないかな、とも思ったんですよね。

松本:え? と、いいますと?


「1000人達成してしまわなくてもいいんじゃないかな? と思ったんですよね」(コグレさん)

コグレ:松本さんがフォロワー1000人で成功したら、みんなが1000人目指し始めそうで、それも大変ですよね。ものすごくハードルが上がってしまう(笑)。

松本:確かに、それはえらいことですね(笑)。

コグレ:Twitterの楽しみ方は人それぞれで、1000人には行かなかったけれど、自分なりの楽しみ方が見つかった、ということでもいいんじゃないかなと......。

「一歩踏み出すことで、世界が開ける」

松本:この企画を始めて、以前よりも積極的にTwitterを利用するようになった中で、Twitterでないと体験できなかっただろう貴重な体験もできました。先日は「ゲームセンターあらし」のすがやみつる先生からリツイートで会話に加わっていただいたことがあって、このときには感激で鳥肌が立ちました。

コグレ:そうやって、一歩踏み出して積極的に参加することが大事なんですよね。一生懸命に楽しむと、そこから世界が開けてくるという......。

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1970年代後半~80年代前半にかけて連載された人気マンガ「ゲームセンターあらし」の作者・すがやみつるさん(@msugaya)もTwitterユーザー。チャンスがあれば、思わぬ有名人と会話する機会も得られます

いしたに:私も、すがや先生に「ツイッター 140文字が世界を変える」の書評をいただときには泣きましたよ。われわれの世代で、パソコンの世界にいる人たちにとっては特別な存在ですから。

松本:関心が近いユーザーを探す方法を、フォロワーの方から教えていただいたりもしたんです。私は自転車通勤をしているのですが、Twitter検索から雨の中に自転車通勤をしていた方を見つけて、早速フォローさせていただきました。その方から先日の連休前には「今日は富士山がよく見えますよ」と教えてもらって、朝からやる気が出ましたね。

コグレ:フォローしてフォローされて、という中で貴重な出会いは増えていくと思います。私もブログを続けてきて、そうした出会いの大切さを実感しています。松本さんも、Twitterも続けていくことで、さらにいろんな出会いがあるはずですよ!

松本:そう言っていただけるとうれしいです。がんばります!

「人前で言えないことはTwitterにも書かない」

松本:「慣らす」の件にもつながると思うのですが、今回、インタビュー前に質問を募集したところ、「つい愚痴やネガティブなことをつぶやいてしまうことがある。気持ちが不安定なときにはつぶやかない方がいいですか?」という質問がありました。

いしたに:それは、考え方としては簡単なんです。「人前で言えないことは、Twitterにも書かない」ということです。Twitterが何か特別な場であるわけではなくて、普通に社会とつながっているんですね。

松本:愚痴を言いたいときには公開のTwitterではなくて、愚痴を聞いてくれる仲間とだけ会話のできるサービスがあればいいのでしょうね。

コグレ:「人を呪わば穴二つ」という言葉がありますけど、ネガティブなことを言うと、自分にも必ず返ってくるということは、Twitterに限らず、いつも意識しています。
(参考:[N] 「ネタフルメソッド」ブログで気をつける4つのこと

「ちょっと隙があった方がおもしろい」

松本:では反対に、どういうことをつぶやけばいいのでしょう?

いしたに:人それぞれではありますが、一般的につぶやきの内容を分類すると、目の前で起こったできごとなどの一次情報か、趣味の話などの人となりがわかる話題か、という2種類に大まかに分類できると思います。そして、つぶやきが集積する中で、趣味のいい人が可視化されていきますね。一方で、あまりウケることを意識し過ぎている人は見透かされてしまいやすい......。そこも、Twitterのおもしろいというか、こわいところですね。

コグレ:できすぎているよりも、ちょっと隙があった方がおもしろいですよね。いわゆる「炎上」するような隙では困りますけど、突っ込みどころがあった方が、絡んでもらいやすいわけです。

松本:そういえばコグレさんは、いつもフランクにいろんな人に絡みますよね。

コグレ:そうですね。普通は相手が誰かを見て、知らない人だと躊躇してしまうことも多いと思うのですが、私の場合は話の流れを見ていて、相手が誰かということはあまり意識していません。

いしたに:だから、誰に返信したかとか覚えていないんですよ(笑)。

コグレ:そんなことないですよ! でも、何度もやりとりしていると強く記憶に残るし、親しみが増してきますよね。

松本:そうですね。そんな「突っ込みどころ」も、今後はちょっと気にしていきたいと思います。今日はありがとうございました。

「無理せずに、しかし一歩踏み込んで」を心がけて

1000人達成にこだわらなくても良いのでは? そして徐々に慣らしていくことが大切、というお二人のアドバイスはかなり企画の本質を問うモノでした。引き続きフォロワー1000人という目標は掲げつつも、あまり無理せず、しかし一歩踏み出して積極的に、という気持ちでTwitterを楽しんでいきたいと思いました。

インタビュー後は、より意識的に気になる会話に加わっていこうとして、その前よりもリツイートを利用する頻度が上がりました。また、リツイートするのがちょっとためらわれるときには「お気に入り」※3を利用するようにしています。自分が相手の方の立場なら「このツイートが心に残った」という痕跡が何かしら残っていたら、うれしいはずですから。

というのも先日、フォロワーの方から自分のツイートにお気に入りが付いたかを調べられる「ふぁぼったー」というサービスを教えていただいて、自分も気になりだしているのです。


ふぁぼったーは、Twitterユーザーが「お気に入り(英語版では「Favorite」)」に追加したツイートを表示するサービス。自分のツイートが誰かの「お気に入り」になっているかを調べることもできます
ふぁぼったー まつもとあつし のふぁぼられ


コグレさん、いしたにさんの境地にはまだまだ遠く及びませんが、連載開始時の126人というほぼ私のマイミクと同数の顔見知りネットワークを超えて、200、300を超えたあたりから、Twitterの楽しさ・おもしろさは格段に新しい次元のものになってきました。

急にフォロー/フォロワーが増えたら大変なことになってしまうかもしれない、という心配については、先日からPC用のクライアントを「HootSuite」、iPhone用を「TwitBird Pro」という、それぞれユーザーのグループ化機能が強力なものを利用することで、解決できています。友人や、よくツイートする話題ごとにグループを作って、時間に余裕があるときに過去のツイートにさかのぼって読むようにしています。


「HootSuite」は、Webブラウザから利用する、Twitterのほか「Facebook」など海外の人気サービスに対応したクライアントソフト。多数のタブによるグループ管理、Twitterの「リスト」対応、時間差を指定しての投稿などができます


次回は、松村太郎さんにお話を伺います

さて次回は、慶應義塾大学SFC研究所上席所員の松村太郎さん(@taromatsumura)へのインタビューを中心にお届けします。大学での利用事例や、そこから見えてくる新しいコミュニケーションの可能性など、今回とはまた違う角度からのお話です。

実は、この記事の掲載時点ではインタビューが終了しています。2009年11月23、24日に六本木ヒルズで開催される「慶應義塾大学SFC ORF2009」会場でのTwitter関連イベントを取材し、松村さんのお話も伺ってあります。これらのレポートは、12月11日掲載予定の第3回にて紹介する予定です。

慶應義塾大学SFC ORF2009【Gardens for Ingenuity -断面の触感-】

Twitter上での活動は、次回掲載までの間もずっと続けていまきす。関連する発言にはハッシュタグ「#follower_1000」を付けていますので、ご覧いただき、よろしければ絡んでみてください。記事への感想、おすすめの関連サービス情報など、何でも歓迎します!

※1:返信、リツイート
返信(リプライ:Reply)は、他のユーザーに対しての返事。ツイートの頭に「@返信先ユーザー名」が入っていて、返信先と返信元の両方をフォローしているユーザーのタイムラインにだけ表示されます。
一方でリツイート(Retweet。「RT」と略されることも)は、他のユーザーのツイートを自分が繰り返し、紹介すること。自分をフォローしている人には普通のツイートと同じように表示されます。
※2:クライアントソフト
TwitterのWebページ以外で利用するためのPCやiPhone向けのソフトのこと。自動的に新しいツイートが表示されたり、写真を添付できるなど、Twitterの利便性が格段に向上します。
※3:お気に入り
TwitterのWebページ上で、ツイートにマウスポインタを合わせると表示される[☆]をクリックすると、そのツイートが自分の「お気に入り」に追加されます。お気に入りに追加したツイートは、お気に入りのページでいつでも見ることができます。