一般ユーザー向けサービスを網羅的に提供

 Windows Liveは、インターネットを活用したさまざまな機能を無償で提供する、マイクロソフトの一般ユーザー向け製品・サービス群の総称です。Webサービスであるため、WindowsだけでなくMacなどでも利用できます。

 2009年10月に発売されたWindowsの最新版・Windows 7では、「Outlook Express」や「Windowsメール」といったメールソフトをはじめ、従来のWindowsには必ず付属していたいくつかのソフトウェアがなくなっています。

 これらは、ソフトウェアとWebサービスの組み合わせで提供されるWindows Liveに引き継がれました。Windows 7にWindows Liveのソフトウェア一式をインストールすることで、「Windows Liveメール」など従来の付属ソフトウェアに相当する環境が整うようになっています。

 この付属ソフトウェアからWindows Liveへの引き継ぎは、Webサービス化・クラウド化が進む時代の流れに、Windowsも対応するための変化の1つです。

 Windowsは3年に1回程度のペースでバージョンアップを行っていますが、変化の激しいWebサービスの技術動向に対応するために、一部の機能をWindows Liveとして提供し、1年に1回程度のアップデートを行っていくと同社は説明しています。

「ソフトウェア+サービス」で最適な環境を実現

 GmailやGoogleドキュメントなどと比較したWindows Liveの特徴は、「ソフトウェアのほうが使いやすい機能はWindowsにインストールして利用できる形で提供し、Webサービスのほうが使いやすい機能はブラウザーで利用できる形で提供する」という点にあります。

 マイクロソフトはこうした提供スタイルを「ソフトウェア+サービス」と呼んでおり、OSを提供している同社ならではの強みとしています。

 ちなみに、Twitterの専用ソフトウェアやDropbox、Evernoteなど、ソフトウェアとWebサービスを組み合わせたスタイルを採用しているものは、他社でも少なくありません。より快適な利用環境を追求すると、このようなスタイルに落ち着くということなのでしょう。
▼Windows Live on MSN
http://windowslive.jp.msn.com/

メールや画像管理をWebと連携して活用

 Windows Liveには、主要なソフトウェアを集めた「Windows Liveおすすめパック」が用意されています。Windows LiveメールやWindows Live Messengerのほか、画像管理ソフト「Windows Liveフォトギャラリー」などが含まれています。

 Windows Liveフォトギャラリーは、Windows Liveのサービス「Windows Liveフォト」と連携し、Windows Liveの「つながり」と写真を共有できるほか、世界でもっともメジャーな写真共有サイト「Flickr」へのアップロードにも対応しています。

0.Windows Liveおすすめパックをインストールする

Windows Liveを利用するには、最初に「Windows Live on MSN」の[今すぐ使ってみる!]をクリックし、無料のWindows Live IDを取得しましょう。その後[今すぐダウンロード!]か「Windows Liveおすすめパック」をインストールします。

1「Windows Live on MSN」にアクセス,2[今すぐダウンロード!] をクリック,3 インストーラーをダウンロードし て起動,4 インストールしたいソフトウェア をチェック,インストーラーが起動し、ソフトウェアの一覧が表示された,[インストール] をクリックしてインストールを進めると、Windows Liveのソフトウェアを利用できるようになる

25GBが無料の「Windows Live SkyDrive」

 Windows LiveのうちWebサービスのみで提供されているものとしては、Windows Liveメールのカレンダー機能と同期する「Windows Liveカレンダー」、レッスン12で紹介したDropboxに近いオンラインストレージサービス「Windows Live SkyDrive」などがあります。

 中でも注目すべきはWindows Live SkyDriveです。25GBまでの容量が無料で利用できますが、これは無料サービスとしてはほかにない大きさです。Windows Liveフォトの写真がこの中に保存されるほか、Office 2010(Office Web Apps)を利用したファイル共有の場にも使われることになっており、利用機会が増えていきそうです。

0.Windows Live SkyDriveを利用する

Windows Live SkyDriveを利用するには、ブラウザーでWindows Liveにログインし、画面上部のメニューから[その他]-[SkyDrive]をクリックします。[ファイルの追加]をクリックすると、パソコンにあるファイルをアップロードできます。

1 Windows Liveにログイン,2[その他]-[SkyDrive]をクリック      ,[ファイルの追加]をクリックすると、パソコンにあるファイルをWindows Live SkyDriveにアップロードできる

[ヒント]「サービス」をまとめて管理する「Windows Liveホーム」

Windows Liveの「ソフトウェア+サービス」のうち、ソフトウェアは「Windows Liveおすすめパック」をインストールすることで利用できます。一方のサービスについては、全サービスの起点となる「Windows Liveホーム」というページがあり、Windows Liveにログインするとアクセスできます。このページではWindows Live Hotmailや「Windows Live Sky Drive」などのサービスをまとめて管理できるほか、プロフィールの編集や友達(つながり)の情報の確認なども行えます。
▼Windows Liveホーム
http://home.live.com/

[ヒント]「つながり」「知り合い」で連絡先を一元管理

Windows Liveにおける「つながり」とは、いわゆる友達関係、mixiの「マイミク」に近いものです。Windows Liveのユーザー同士は「つながり」、Windows Live上でのつながりのない相手は「知り合い」と呼ばれます。これらのメリットは、Windows Liveを通じて連絡先を一元管理できることです。メールの連絡先とブラウザーのお気に入りは、「重要だけどメンテナンスが面倒なデータ」の筆頭に挙げられるもの。オンラインで一元管理できれば管理の手間をほぼゼロにできるため、大きなメリットとなります。

Windows Liveホームの[知り合い]をクリックすると、「つながり」と「知り合い」をまとめて参照できる

[ヒント]Windows Mobileの情報を同期する「My Phone」

Windows Mobile 6以降向けに、Windows Liveの一部のソフトウェア(Messenger)とサービス(Hotmail、Spaces、フォト)が提供されています。また、データ同期サービス「Microsoft MyPhone」の正式運用が、2009年10月から始まっています。これはWindows Mobile搭載スマートフォンのファイルやメール、スケジュールなどのデータをオンラインで同期できるサービスです。ただし、Microsoft MyPhoneはWindows Liveのサービスではないため、Windows Live HotmailやWindows Liveカレンダーなどとは同期できません。
▼Microsoft My Phone
http://www.microsoft.com/windowsmobile/ja-jp/myphone/