検証用のCULVノートPCには東芝の「dynabook MX/33」(いわゆる「ネットノート」)を使用。比較対象のネットブックは筆者私物の「IdeaPad S10e」です。
dynabook MX/33はCULVノートPCとして標準的なスペック。一方IdeaPad S10eは約1年前の製品とあって、現行のネットブックに比べるとやや性能が低いです。またdynabook MX/33はOSがWindows 7 Home Premiumであるのに対して、IdeaPad S10eのOSはWindows XP Home Edition SP3と、環境の違いもあります。あくまで筆者の主観による比較であることをご了承ください。
筆者はIdeaPad S10eを主にネット利用端末として活用しています。「ネット」ブックだけに快適なネットライフが送れると思いきや、画面解像度が低いためにWebページが見にくかったり、YouTubeがときどきコマ落ちするなど、ちょっと予想外の不便さ(というより筆者の確認不十分)にイライラしてしてしまうことがあります。
モバイル利用もあまり快適とは言えません。IdeaPad S10eはバッテリー駆動時間がそれほど長くないので、例えばランチで入った店で取材先とのやり取りをまとめたくても、起動したらバッテリー残量が残り10%......ランチだけ食べてそのまま帰社、ということもあります。
そこで、筆者にとってゆずれない
・画面の情報量(画面解像度)
・YouTubeなど動画サイトでの動画再生
・モバイル利用
の3点に注目して、CULVノートPCの実力を確かめます。
まずはWebページの表示をチェック。IdeaPad S10eの画面解像度が1,024×576ピクセルなのに対し、dynabook MX/33は1,366×768ピクセルなので、Webページ全体が見渡しやすく、Webページの情報がパッと頭に入ります。IdeaPad S10eではちょっと横スクロールしなければならないようなWebページでも(これがまた難儀する)、dynabook MX/33では全体が表示され、左右に空間ができるくらいです。
また、画面解像度が高すぎて画面の文字が小さく見づらいということもなく、画面解像度とディスプレイサイズのバランスがちょうどよく感じます。
情報収集ツールとして愛用しているRSSリーダー「Google Reader」では特に画面解像度の高さのありがたみを感じます。
記事の見出しや概要のみを表示する場合、IdeaPad S10eではアイテムが1~2つしか見えないのに対し、dynabook MX/33で見えるアイテムは3~4つ。一度に見える範囲が大きくなるだけで、情報収集の効率は格段にアップします。
趣味でよく訪問する画像まとめサイトでも、画面解像度は重要です。IdeaPad S10eの場合、画像の読み込みが遅くスクロールがガタガタするうえに、縦の画面解像度が足りなくて画像の下部分が表示されないことがあります。下のようなかわいい動物の萌え画像も、IdeaPad S10eでは全体が表示されず残念な結果になっていますが、dynabook MX/33ではしっかりと全体が表示されます。
Office(Excel)の画面もチェック。下の画像を見ていただければ一目瞭然ですが、dynabook MX/33ではIdeaPad S10eと比べ広い範囲のセルを表示できます。表全体のデータを把握しやすく、IdeaPad S10eほど頻繁に縦横にスクロールする手間はなくなるので疲れが少ないです。
表の一部分の編集ならまだしも、一から表を作成するのは画面のせまいIdeaPad S10eでは気が重い作業でしたが、dynabook MX/33ではそれほどストレスを感じません。動作もIdeaPad S10eと比べてキビキビしているので、従来のモバイルPCを使う感覚でOffice(Excel)を使えます。
動画サイトを見るのが好きな筆者としては、先に挙げた3つの条件の中でも特に、YouTubeなどの動画サイトの快適さを重視しています。IdeaPad S10eで再生すると、動画によってはコマ落ちが激しく、ストレスがたまることがあります。
最近とんでもなくかわいい動きをする猫の動画があるとTwitterで知り、IdeaPad S10eを使ってYouTubeで再生してみると、コマ落ちが激しくてかわいいポイントがわからず、イライラを通り越して「時流から取り残されてしまった」と感じたことがありました。
dynabook MX/33ではそんな寂しい思いをせずに済みそうです。IdeaPad S10eを使っているときと同じ接続環境(Wi-Fi環境)でYouTube、ニコニコ動画、GyaO!などを閲覧してみましたが、IdeaPad S10eと比べてコマ落ちはほとんどありません。
またIdeaPad S10eでは、YouTubeの動画再生画面が表示された際、少し下にスクロールしないと動画の表示枠全体が表示されません。この微調整がいつも手間なのですが、dynabook MX/33は画面解像度に余裕があるので面倒な調整は必要ありません。
ちなみにdynabook MX/33でも、YouTubeの高画質動画はあまり快適に再生されませんでした。HD(1,280×720)動画の再生は少し厳しく、なんとか視聴できるレベル。フルHD(1,920×1,080)動画となると、1秒1コマの監視カメラ映像のように再生されてしまい、視聴に耐えられません。YouTubeでは基本的に、通常品質の動画を再生する方がよさそうです。
筆者は仕事柄、取材先でメモをとったり、打ち合わせのあと、次の案件の合間にカフェに立ち寄ってレポートをまとめたりと、IdeaPad S10eをモバイル利用する機会が多くあります。そんなときに気になるのがバッテリーの持ち。IdeaPad S10eのバッテリー駆動時間が約5.3時間なのに対し、dynabook MX/33は約9.5時間(いずれも標準バッテリー搭載時)と約2倍長持ちです。
以前、会議が2時間も長引いてしまってIdeaPad S10eの充電できないまま取材先に向かったら、バッテリー残量がほとんどなくて頭が真っ白......ということがありました。公称値では約5.3時間でも、実質的には3時間前後でバッテリーが切れてしまいます。
試しにIdeaPad S10eであればバッテリー切れになるような時間(3時間前後)dynabook MX/33を使い続けてみましたが、それでもバッテリー残量が40%ほど残っており、その後も3時間ほど使えたので大変頼もしさを感じました。モバイル利用では「バッテリー切れの心配がない」という安心感がなによりも重要です。
また外観もモバイル利用にとって大きなポイントです。外出先で使う際は周囲の目が気になるもの。外出先でよく見る「VAIO」シリーズや「Let'snote」シリーズに比べると、IdeaPad S10eは小さいうえに外観がプラスチックなので、おもちゃのように見られてしまうのではないかと気になって、使うのを躊躇してしまうことがあります(筆者だけでしょうか?)。
一方dynabook MX/33はデザインがよいうえに、IdeaPad S10eのようなおもちゃっぽさがないので、堂々とテーブルに広げて使えます。
●まとめ
以上、Web閲覧やモバイル利用というシチュエーションでdynabook MX/33を使用してみましたが、画面解像度、動画処理速度、バッテリー駆動時間、外観の点でdynabook MX/33はIdeaPad S10eより使いやすいと感じました。またOfficeの使いやすさから、ビジネス用途としての本格活用も期待できると思います。
CULVノートPCがネットブックよりも使いやすいのはわかりました。ではずばり、CULVノートPCは本当に「買い」なのでしょうか?
「今年こそ話題のネットブックを買ってみたいけど、CULVノートPCも気になった」「『Let'snote』シリーズのような高いモバイルPCを買うお金はないけど、安くて使えるサブのパソコンが今すぐほしい」という人にとって、CULVノートPCは「買い」だと思います。
Windows 7搭載・Office非搭載モデルの店頭販売価格を平均すると、ネットブックは大体4~6万円台、対してCULVノートPCは大体6~8万円台。Web閲覧やYouTubeでのストレスが一掃され、どこにでも持ち運べるスタイリッシュなデザインを楽しめるのであれば、この約2~3万円の価格差は高いと感じません。
CULVノートPCはほとんどの機種に光学ドライブが搭載されていないなど、メインのパソコンとして使うには機能不足の感があります。ただ、サブのパソコンとしてさまざまな場面で活躍させたいのであれば、性能・持ち運びやすさ・価格とのバランスの面でCULVノートPCは非常に優秀だと思います。昨年の時点ですでにCULVノートPCが出ていたら、筆者は間違いなくCULVノートPCの方を買っていたでしょう。
しかし、筆者のような「今持っているネットブックを買い替えたい」という人にとっては、CULVノートPCは「買い」ではないかもしれません。購入を見送るのも一つの手だと思っています。
例えば筆者は、昨年5万円を支払ってIdeaPad S10eを買いました。そして今年は8万円を支払ってdynabook MX/33を買うとすると、2年間で13万円をパソコンに投資したことになります。13万円あればCULVノートPCよりも上のクラスのパソコンが買えることを考えると、ちょっと躊躇してしまいます。
今使っているネットブックでもう1年我慢して、来年いい思いをするか。我慢は精神的によくないと言い訳してCULVノートPCを買ってしまうか。皆さんはどちらでしょうか? 筆者は後者を選び、仕事をスピーディーに片付けて、かわいい猫動画に萌える日々を手に入れたいと考えています。
(できるネット+編集部 諏訪)
2008年末に人気に火が付き、今や販売台数においてパソコン市場全体の約4分の1を占めるネットブック(BCNランキング調べ。http://bcnranking.jp/news/0911/091111_15882.html)。筆者も2008年12月にレノボ・ジャパン「IdeaPad S10e」を購入し、使い始めてそろそろ1年になろうとしています。
はじめのうちは「コンパクトで使いやすい!」「スペックが高くなくても使えるじゃん!」と嬉々として使っていたのですが、半年も経つと物珍しさがなくなり「コンパクトすぎて画面が見づらい」「YouTubeやOfficeがもっとサクサク動くパワーがほしい」といった不満が高まってきました。
Windows 7搭載モデルのパソコンが続々と登場している中、そろそろIdeaPad S10eを買い替えてもいいかなと思っています。しかし最新のネットブックに買い替えたところで、上で述べたような不満の根本的解決にはならないと予想されます。とはいえ高価なモバイルPCを買うお金もなく、とても悩んでいます。
そんな筆者が最近気になっているのが「CULVノートPC」。CULVノートPCとは、長時間バッテリー駆動、スリムでコンパクト、必要十分な性能が特徴の、ネットブックの1ランク上のジャンルの製品のことです。
CULVノートPCとは、「Consumer Ultra Low Voltage(消費者向け超低電圧):CULV」プロセッサーを搭載したノートPCのこと。CULVプロセッサーはネットブックの多くの機種で採用されている「Atom」プロセッサーと比べて高性能です。さらに、従来のモバイルPC用のものに比べてプロセッサー自体のコストが低く消費電力が低いため、比較的安価で、スリムかつコンパクト、そして長時間バッテリー駆動の製品を実現できます。
またWindows 7搭載のネットブックのほとんどが「Starter」エディションなのに対し、CULVノートPCでは「Home Premium」エディションが一般的です。Starterエディションは壁紙が変更できない、DVDが再生できない、マルチモニターがサポートされていないなどの機能制限があります。
CULVノートPCとネットブックの違いを大まかにまとめました。
●CULVノートPCとネットブックの比較
CULVノートPC | ネットブック | |
処理能力 | 必要十分 | 最低限 |
ディスプレイサイズ | 11~15インチ | 7~11インチ |
重量 | 1.4Kg~1.8Kg | 1Kg以下~1.4Kg |
デザイン | スリム・スタイリッシュ | 超コンパクト |
Windows 7のエディション | Home Premium | Starter |
価格帯 | 6~12万円台 | 3~6万円台 |
CULVノートPCの特徴としては、ネットブックと比べてパワーがあり、画面サイズが大きくやや重いがスリムでおしゃれなデザインのものが多い、ということが言えます。
そして価格はネットブックよりは高く、従来のモバイルPCよりは安い、という設定になっています。
CULVノートPC市場にはさまざまなメーカーが参入しており、今やネットブックさながらの混戦状態となっています。
各製品の詳しいスペックはこちらをご覧ください。
●編集部ブログ
CULVノートPC スペック比較表
価格やデザイン、バッテリー駆動時間、DVDドライブの有無、多彩なオプションなど、各メーカーのCULVノートPCにはそれぞれ特色があり、差別化が図られています。
その中で今最も認知度が高く、テレビCMも放映されている東芝「dynabook MX」。「ネットノート」の名称で有名ですが、東芝がこの機種に「ネットノート」と名付けたのには理由があります。
CULVプロセッサーにもさまざまな種類があり、東芝の高性能モバイルPC「dynabook SS RX2」シリーズに搭載されているのは、「SU9400」というCULVプロセッサーの一種です。
プロセッサーの種類でジャンル分けをするとユーザーが混乱すると考えたため、東芝では「使い方」でジャンル分けをし、「ネットブックより1ランク上の使い方ができる機種」に対して「ネットノート」という名称を付けているのです。
メーカーごとにCULVノートPCに独自の名称を付けている例には、東芝の「ネットノート」以外にも、日本エイサーの「Light Note」があります。CULVノートPC提供元であるインテルは「モバイル・サブノートPC」という呼び名を提唱しています。
さてこのCULVノートPC、いったいどんなユーザーがターゲットとして想定されているのでしょうか?
日本エイサーによれば、CULVノートPC(「Light Note」)のターゲットユーザーは「ビジネス用途で持ち歩き、ネットブックでは満足できないが、通常のノートPCは高くて手が出せない層」とされています(10月26日、PC Watchの記事より。http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20091026_324078.html)。
これを踏まえて従来のモバイルPC・CULVノートPC・ネットブックの関係を図で表すと、以下のようになります。
調べれば調べるほど、使ってみたくなるのが人の性(さが)。というわけで、東芝より検証用に「dynabook MX/33」をお借りしました。
筆者はある程度割り切ってネットブックを購入しましたが、画面解像度が低いためにWebページが見にくかったり、YouTubeがコマ落ちしたり、バッテリーが持たなくて外出時に困ったりするのは、いくら安いネットブックと言えど我慢できない点です。
そこで後編では、dynabook MX/33を使って
・画面の情報量(画面解像度)
・YouTubeなど動画サイトでの動画再生
・モバイル利用
の3点が快適かどうかを、筆者私物の「IdeaPad S10e」と比較させつつ検証したいと思います。
参考のため、両者のスペックを整理してみました。
●dynabook MX/33とIdeaPad S10eの比較
dynabook MX/33 | IdeaPad S10e | |
OS | Windows 7 Home Premium | Windows XP Home Edition SP3 |
CPU | インテル Celeron プロセッサー 743 | インテル Atom プロセッサー N270 |
メモリー | 2GB(最大4GB) | 1GB(最大1.5GB) |
記憶装置 | 250GB(HDD) | 160GB(HDD) |
ディスプレイサイズ | 11.6インチ | 10.1インチ |
画面解像度 | 1,366×768ピクセル | 1,024×576ピクセル |
駆動時間 | 約9.5時間 | 約5.3時間 |
サイズ | 286.0×211.0×24.9-34.2mm | 250×196×22-36mm |
重量 | 約1.58kg | 約1.38kg |
価格 | 8万円前後(発売当時) | 54,800円(発売当時) |
後編では、この両者を検証用機材としてCULVノートPCの実力を試します。
(できるネット+編集部 諏訪)
]]>Googleが提供するWebアプリケーションの多くは、携帯電話にも対応しています。モバイル版のGoogleでは、検索やニュース、Gmailが利用できます。また、Googleカレンダーのモバイル版は、予定の入力はできませんが、予定一覧の確認が可能です。Googleドキュメントも閲覧のみが可能となっています。
ミニノートPCが持ち運びやすいとはいえ、取り出して利用するには、数十秒〜数分程度はかかってしまいます。本当に時間のないときに、歩きながらでもメールや予定の確認ができるのは助かります。しかも、事前に携帯電話に特別な準備をしておく必要はなく、URLにアクセスしてログインするだけなのも魅力で、いざというときに頼りになります。
●Googleの主な携帯電話向けWebアプリケーション
Google(検索・Gmailなど) | http://google.jp/ |
---|---|
Googleカレンダー | http://calendar.google.com/m |
Googleドキュメント | http://docs.google.com/m |
Googleリーダー | http://www.google.co.jp/reader/m |
国際電話は高い料金がかかってしまいますが、インターネットを通じて音声通話(ボイスチャット、ビデオチャット)をすれば、料金は無料です。「Windows Live Messenger」を利用すれば、音声通話や映像通話を無料で利用できます(快適に通話するには十分な回線速度が必要です)。
電話をかけたい相手がPCを利用していない場合は、NTTコミュニケーションズが提供している「Windows Live Call byドットフォン」が利用できます。Windows Live MessengerからIP電話が利用できるサービスで、事前に申し込みをしておくと、海外からでも低料金(固定電話の場合8.4円/3分)で日本に電話をかけられます。ただ、各国の法令などによって規制を受ける場合もあります。
▼Windows Live Messenger
http://messenger.live.jp/
複数のPCを利用していると、ある1台で編集したファイルが別のマシンで取り出せない、といったPC間のファイルのやりとりに悩むことがあります。USBメモリにファイルを保存して持ち歩くという解決策もありますが、ここではもっとシンプルで、コピー忘れなども起きにくい「Dropbox」を紹介します。
Dropboxはファイルの同期・共有などができるソフト+Webアプリケーションで、ソフトをインストールして自分のアカウントを登録することで、同じアカウントで利用しているPC間の「MyDropbox」フォルダ内にあるファイルを自動的に同期します。つまり、1台のPCにファイルを保存しておけば、ほかのすべてのPCに同じファイルが自動的にコピーされるわけです。
英語のサービスですが、インストールと登録以外は特別な操作を必要としないので、英語が苦手な方でも困る機会は少ないでしょう。
▼Dropbox(英語)
http://www.getdropbox.com/
Dropboxでは、間違った内容で上書き保存してしまったファイルを元に戻すこともできます。DropboxのWebサイトにログインし、一覧にあるファイルにマウスポインタ一を合わせて[▼]-[Revisions]をクリックすると、過去に保存した履歴(バージョン)の一覧が表示されます。ここで戻したいバージョンの[Restore]をクリックすると、そのバージョンにファイルの内容を戻すことができます。
Dropboxは「何も操作をしなくても自動的に同期する」という点が非常に便利ですが、ソフトのインストールが面倒だと感じられるかもしれません。常時ファイルを同期する必要はないけれど、たまに必要になるという場合は、Gmailへメールの添付ファイルとして送信するのもよいでしょう。また、ネット上に25GBまでファイルを保存できる「Windows Live SkyDrive」を使うのもひとつの方法です。どのPCからでもアクセスして、ファイルを取り出すことができます。
▼Windows Live SkyDrive
http://skydrive.live.com/
旅行中の写真をブログなどに公開することで、多くの人と旅行の思い出を共有できます。可能ならば印象が新鮮なうちに写真を公開したいものですが、疲れているときには難しいですね。
しかしPicasaを利用すれば、「デジカメから取り込んだ写真をウェブアルバムで公開」という一連の作業を少ない手数で完了できます。あとは、見せたい相手にアルバムのURLを知らせればOKです。
ただ、自分や友達の写真がだれにでも見られる状況を避けるため、アルバムの公開設定は[限定公開](他人に類推されにくいURLにする)または[閲覧するにはログインが必要](選択したGoogleアカウントのユーザーだけが閲覧可能)にしておくとよいでしょう。
「Picasa」は、Googleが提供している無料の写真管理ソフトです。PCのディスク内にある画像ファイルをまとめて管理し、快適なインターフェースで写真を楽しむことができます。
写真の切り抜きや色の補正といった基本的な加工機能もあり、気に入った写真を集めた「アルバム」の作成、印刷やメール送信なども行えます。写真の整理・閲覧から加工・印刷まで、写真にかかわる機能をひと通り持った高性能なソフトです。
Picasaにはもうひとつ、Webサービス「Picasaウェブアルバム」との連携という特徴的な機能があります。気に入った写真をウェブアルバムにアップロードすれば、Webを通して多くの人に見てもらえるようになります。Googleカレンダーなどと同じく、Gmailと同じアカウント(Googleアカウント)で利用可能です。
▼Picasaウェブアルバム
http://picasaweb.google.co.jp/
「iGoogle」はニュースや天気予報、Gmailなど、さまざまなガジェット(パーツ)を追加できる「パーソナライズドページ」です。多くの情報を一覧し、すぐに必要な情報・ツールにアクセスできます。
追加したガジェットはタイトル部分をドラッグすると移動できるので、自分の見やすいように情報を並べ替えられます。また、タイトル部分にある[×]をクリックするとガジェットを削除できます。
▼iGoogle
http://www.google.co.jp/ig
ミニノートPCは外出中に利用することが多いので、地図や路線を検索するワザを覚えておくと便利です。GoogleのWeb検索から利用できる、便利な2つのワザを紹介します。
「新橋から自由が丘」のように「[駅名]から[駅名]」というキーワードで検索すると、検索結果に[新橋から自由が丘の乗り換え案内]などと表示されます。ここで[Googleトランジット]をクリックすると、乗り換えルートや料金、所要時間などを検索できます。
「池袋 ラーメン」のように、都市名または駅前に加えて業種や施設の種類をキーワードとして入力すると、検索結果に地図を含むGoogleのローカル(地域情報)検索の結果が表示されます。地図をクリックすると「Googleマップ」でお店や施設を探せます。
辞書検索は、外出中に限らず利用する機会の多いもの。簡単な操作で辞書を調べられれば、作業効率のアップにつながります。おすすめは「goo検索ブックマークレット」です。一度設定しておけばWebブラウザーからワンクリックで起動でき、国語・新語・英和・和英辞書、Wikipediaの記事などを検索できるようになります。
▼goo検索ブックマークレット
http://stick.goo.ne.jp/bookmarklet/
よく読んでいるニュースサイトやブログ、友達のブログなどをGoogleリーダーに追加すれば、すべての情報源の新着記事をまとめて読めるようになります。
フィードの追加は[登録フィードを追加]をクリックし、そのサイトのURLを入力すれば完了します。自動的に最新の記事データが取り込まれ、Googleリーダー上に表示されます。ブログサービスやニュースサイトによっては、RSSリーダー/フィードリーダーに対応しておらず、Googleリーダーで読めない場合もあります。
なお、ページ左側にある[アイテムを参照]-[おすすめ]をクリックすると、現在購読しているフィードからGoogleが判断したおすすめのフィードを追加することもできます。
「Googleリーダー」を使えば、普通にニュースサイトを閲覧するよりも効率よく、短時間で新しいニュースをチェックできます。
Googleリーダーは、「RSSリーダー」または「フィードリーダー」と呼ばれるWebアプリケーションです。ニュースサイトやブログの新着記事(フィード)を収集し、シンプルなリスト形式で表示します。Googleリーダーにフィードを登録しておけば自動的に新着記事が表示され、それらを順番に見ていくだけで、何十〜何百サイト分ものニュースをまとめて見られます。
最初にアクセスしたときは[フィードパッケージで今すぐ始めよう]が表示されるので、興味のあるパッケージを登録しましょう。Googleがおすすめするフィードをまとめて登録できます。気になる記事はGmailと同様に、スターで目印を付けられます。
▼Googleリーダー
http://www.google.co.jp/reader/
Internet Explorerの「お気に入り」も、複数のPCで同期したいデータのひとつです。自宅のPCでお気に入りに追加したサイトをミニノートPCからじっくり読んだり、逆に外出先でお気に入りに追加したサイトのデータを自宅で分析したりと、お気に入りが同期できれば情報収集作業がはかどるようになります。
手軽なお気に入りの同期方法としては、すべてのPCにGoogleツールバーをインストールしておき、お気に入りと同等の機能を持つ「Googleブックマーク」を利用する方法があります。
Googleブックマークに追加したいページを表示しているときにGoogleツールバーのスターをクリックすると追加でき、[ブックマーク]をクリックすると開きたいページを選択できます。Internet Explorerのお気に入りから、好きなページだけをインポートして利用することも可能です。
GoogleブックマークではなくInternet Explorerのお気に入りそのものを同期したい場合は、「Windows Live Toolbar」を利用しましょう。同じWindows Live IDで利用しているパソコンの間でお気に入りを同期できます。また、Internet ExplorerだけでなくMozilla FirefoxやMac版Safariとも同期できるツールとして「Xmarks」があります。
▼Windows Live Toolbar
http://toolbar.live.com/
▼Xmarks(英語)
http://www.xmarks.com/
文書の一覧(Googleドキュメントのメインページ)で文書をチェックして[共有]をクリックすると、ほかのユーザーを共同編集者として追加できます。共有したい相手のメールアドレス(Gmailのアドレス)を入力して招待しましょう。相手がGmailのアドレスを持っていない場合は、新たに登録してもらう必要があります。
なお、[閲覧者]を選択して招待すると、相手は文書を閲覧できても編集はできません。共同編集者と必要に応じて使い分けましょう。
Googleドキュメントのページ右上にある[オフライン]をクリックしてオフラインアクセスの設定を行うと、インターネットに接続していない状態でも、Googleドキュメントを利用できるようになります。[オフライン]をクリックすると表示される画面に従って「Gears」のインストールを行い、Webブラウザーの再起動後に再度[オフライン]をクリックすると、オフラインアクセスの設定が完了します。ただし、オフラインではGoogleドキュメントのすべての機能が使えるわけではなく、「文書」の編集(新規作成は不可)、「スプレッドシート」と「プレゼンテーション」の表示だけが可能です。
Googleドキュメントで作成した文書をMicrosoft Officeで開くには、「エクスポート」を行います。 「文書」では、ファイルの編集中に[ファイル]をクリックし、[ファイルのダウンロード]から形式を選択します。Word 2003形式(.doc)のほか、OpenOffice.org、テキストやPDFなどの形式に対応しています。
「スプレッドシート」では、[ファイル]-[エクスポート]で形式を選択します。Excel 2003形式(.xls)のほか、OpenOffice.org、PDFやCSV(カンマ区切り)などに対応しています。
「プレゼンテーション」では、[ファイル]-[プレゼンテーションのダウンロード形式]からPowerPoint 2003形式(.ppt)、PDF形式、テキスト形式で保存できます。
ただ、いずれもOffice側で文書を開くと、Googleドキュメントで作成したデザインが崩れてしまう場合があります。最終的にOfficeに読み込んで仕上げることを想定した文書の場合、Googleドキュメント上では下書きと割り切って最低限のデータ入力だけを行うようにすると、スムーズに作業が進みます。
Googleドキュメントは、Office 2003の文書ファイルを取り込んで開く「インポート」機能を持っています。Googleドキュメント上で[アップロード]をクリックしてファイルを選択すると、Googleドキュメントの形式に変換されます。
Gmailを利用している場合、添付ファイルにGoogleドキュメントでインポートできる文書ファイルがあると、そのファイルを[Google ドキュメントで開く]というリンクが表示されます。このリンクをクリックすると自動的にGoogleドキュメントにインポートされ、文書が表示されます。
ほかのメールソフトを利用している場合は、いったん添付ファイルをデスクトップなどに保存してからインポートを行いましょう。
「Googleドキュメント」は、Googleが提供するMicrosoft Office相当のオフィスアプリケーションです。「文書」「スプレッドシート」「プレゼンテーション」の3つ、すなわちWord、Excel、PowerPointに相当する編集機能があります。
全般的に、GoogleドキュメントはMicrosoft Officeほどの編集機能は持っていません。選択できるフォントや色、利用できる図形などのデザイン要素が貧弱です。また「スプレッドシート」にはExcelのようなマクロ機能がなく、計算やシートの管理においてはExcelよりも柔軟性に欠けます。「プレゼンテーション」では、アニメーションなどの演出機能がほとんどありません。
とはいえ、これは「Officeの機能が豪華すぎる」という見方もできます。Googleドキュメントも基本的な編集機能、スプレッドシートの関数機能などは充実しており、デザインを整える前の下書きや、シンプルな文書作成には十分な力を持っています。
▼Googleドキュメント
http://docs.google.com/
Googleドキュメントが得意とする機能として、「文書の共有」があります。Webを通じてほかの人に文書を見せたり、表を一緒に編集したり、といったことが簡単にできます。さらに「スプレッドシート」ではチャットをしながらの編集が可能で、「プレゼンテーション」ではスライドを再生しながらチャットできるなど、Web上でちょっとした会議を行えるようになっています。
Googleカレンダーに予定を入力するには、カレンダー上の予定を入力したい日時をクリックするだけです。表示されるバルーン(吹き出し)に予定のタイトルを入力すると、予定の入力が完了します。クリックで作成できる予定は所要時間が1時間のものですが、開始時刻から終了時刻までをドラッグすると、所要時間を30分単位で調節できます。
さらに詳細な時刻や予定の情報を編集したい場合は、[予定の詳細を編集]をクリックします。ここでは1分単位の時間設定、場所や説明などの入力が可能です。また、毎週・毎月の予定などは[繰り返し]で設定できます。
一度入力した情報を編集するには、予定をクリックして[予定の詳細を編集]をクリックします。時間の変更だけを行う場合は、予定をドラッグすることで時間を動かすこともできます。
Googleカレンダーには、最初の状態では祝日の情報が入っていません。日本の祝日を追加するには、まずページ左側の[他のカレンダー]にある[追加▼]-[公開カレンダーを追加]をクリックします。[他のカレンダーを追加]が表示されたら[一覧から探す]をクリックし、[日本の祝日]の右側にある[カレンダーを追加]をクリックすると、祝日が表示されるようになります。
複数のPCを使う場合、1台のPCで更新したデータは、ほかのPCからでも見られるようにしたいもの。自宅や会社のPCで入力した予定がミニノートPCでは見られないのでは、非常に不便です。
そこで、Google提供のスケジュール管理Webアプリケーション「Googleカレンダー」をおすすめします。Webアプリケーションは、どのPCからでもWeb上にある同じデータにアクセスして利用するので、1台のPCから更新した予定表を、ほかのPCからでも見ることができます。
なお、GmailとGoogleカレンダーは同じユーザー名で利用できます。すでにGmailに登録しているなら、新たにアカウントを作成する必要はありません。
▼Googleカレンダー
http://www.google.com/calendar/
Googleでは、Microsoft OutlookとGoogleカレンダーを同期する「Google Calendar Sync」というソフトを無償で提供しています(Outlook 2003/2007に対応)。スケジュール管理ソフトとしてOutlookを利用しているPCにGoogle Calendar Syncをインストールすると、両方の予定表が同期するようになり、例えば会社ではOutlookで、外出先ではミニノートPCからGoogleカレンダーで、同じ予定表を利用できるようになります。
▼Google Calendar Sync(英語)
http://www.google.com/support/calendar/bin/answer.py?answer=89955/
「Outlook Express」などのメールソフトでも、Gmailのメールを受信できます。受信方法には「IMAP」と「POP」の2通りがあり、詳細な設定方法はGmailのヘルプで確認できます。
「IMAP」では、最初に件名の一覧だけをダウンロードし、必要なメールだけを随時ダウンロードして表示します。メールソフトとGmailでの未読情報がリンクするという便利な特長がありますが、ネットに接続していないとメールを読み返すことはできません。
一方「POP」では、Gmailに届くメールをまとめてPCにダウンロードします。大量のメールのダウンロードには時間がかかり、未読情報がGmailとリンクしないのは難点ですが、メールをいつでも読み返すことができます。
Gmailを開いていない状態でも常に新着メールをチェックするには、「Googleツールバー」をインストールしておくのが便利です。GoogleツールバーはInternet Explorerに、Googleが提供するさまざまな機能を追加します。
GoogleツールバーにGmailのボタンを追加すると、Gmailを表示していなくても、新着メールの有無をアイコンで知らせたり、未読メールの一覧をツールバー上で表示したりできます。まずは以下のダウンロードページからGoogleツールバーをインストールしましょう。一部の機種では最初からインストールされています。
▼Googleツールバー
http://toolbar.google.com/intl/ja/
「Gmail Notifier」は、インストールするとタスクトレイに常駐し、インターネットに接続してさえいれば、Webブラウザーを起動していない状態でもGmailの新着メールを知らせてくれるソフトです。ミニノートPCではデスクトップが狭く、処理能力も高くないので、たくさんのソフトを同時に立ち上げておくことは難しくなりますが、新着メールは常時チェックしたいもの。コンパクトなGmail Notifierは、このようなニーズにぴったりのソフトです。
▼Gmail Notifier
http://toolbar.google.com/gmail-helper/