Windows 7の発売に合わせて、各PCメーカーから新機種が発売になります。新しいOSに対応し、どのような新機能、新要素が盛り込まれるのでしょうか。
現在3、4年ぶりぐらいにPCを買い換えるため情報を集めている、という方も多いのではないかと予想されます。3年ほどの間でPCはどのように進化し、どのような新しい体験ができるのか、各メーカーに話を聞きに行きました。第2回はNECのA4ノート「LaVie L」です。
自室で地デジやBlu-ray Discを楽しめるハイパワーマシン
NECの「LaVie L」シリーズは、同社が発表した2009年冬モデルのノートPCにおける最上位モデルです。NECでは、PCユーザーのニーズとして、地デジ、Blu-ray Discといったハイビジョン映像コンテンツの鑑賞や、高品質な動画の編集をしたいという意向が高まっていることに注目。これらはPCのパワーをかなり要求するものですが、快適に楽しめる十分な性能を持つマシンとして「LaVie L」シリーズを開発しました。
「LaVie L」シリーズ6モデルのうち、フルHD(1920×1080ドットの解像度)が表示可能なディスプレイとデジタルチューナー付属の最上位モデル「LL770/VG」と、マシンスペックは同等でテレビチューナーが付属しない「LL750/VG」の2モデルは、まさしくハイエンドモデルといった高級感のある新デザインが採用されています。
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「LaVie L LL770/VG」。本体左にあるのはリモコン、右は後ほど紹介する「ワイヤレスTVデジタル」。マウスも標準で付属します
この2モデルは、Blu-ray Discドライブも搭載し、CPUはインテルCore 2 Duo 2.53GHz。メモリーは標準で4GBと、デスクトップPCの中~上級機に匹敵する高いスペックを持っています。
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NEC 商品企画開発本部 商品企画部長
斉藤正明氏
商品企画部長の斉藤氏は、「LaVie L」のコンセプトについて、次のように説明します。「ハイビジョン映像を扱える機器が多数登場していますが、テレビやHDDレコーダー、ビデオカメラなどは、メーカーやブランドを揃えて購入しないとうまく連携できないことがあります。しかし、このLaVie Lを介して各機器を連携させれば、問題なく使えます。ハイビジョン対応機器が普及した時代に、それらの中心になる存在として作ったマシンです」。
すでに大型テレビやHDDレコーダーなどがある家庭においても「大型テレビなどはリビングにあるもの。一方で『LaVie L』は自分の部屋でコンテンツを楽しんだり、映像の編集をしたり、といった使い方をしていただくことを想定しています(斉藤氏)」と、ノートPCならではのコンパクトさを活かした使い方を想定しています。
もうアンテナ線を引きずらない! 業界初の「ワイヤレスTVデジタル」
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「ワイヤレスTVデジタル」を利用すれば、アンテナ線をPCに接続することなくテレビが楽しめます
地デジに対応したノートPCでは、テレビを見るためにはアンテナ線をPC本体に接続しなければならないため、ノートPCならではの持ち運びやすさが損なわれてしまうことがありました。
そこで、「LaVie L」の一部モデル(「LL770/VG」、「LL/570/VG」)では、PC本体へのアンテナ線接続を必要としない「ワイヤレスTVデジタル」が付属しています。「ワイヤレスTVデジタル」は、LaVie L専用の無線LANアクセスポイント(他の機器は接続できません)としても動作。無線LANを通じてテレビの映像を送信します。
「せっかくノートPCであるからには、家の中を自由に移動できるのがベストだと思っています。アンテナ線がノートに接続されているのはどうにもカッコよくないですから(斉藤氏)」というのが、この機能を搭載した理由。こうした機能は、同社調べによればPC業界初とのことです。
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NEC PC事業本部 商品企画開発本部 商品企画部 マネージャー
石田陽一氏
また、他社の同クラス製品では地上デジタル放送1波のみの対応であることが多いのに対して、地デジ/BS/CSの3波に対応しているのも大きな特長と言えます。
これに関しては、商品企画部マネージャーの石田氏によると「フルHD対応ディスプレイを本当に活かして楽しんでいただくには、地デジだけでは物足りないですね。やはりフルHDコンテンツが楽しめるBS/CSデジタル放送を外すわけにはいきません」とのこと。これまでの「LaVie L」がテレビ機能を搭載してこなかったのは、この「フルHDでデジタル放送3波を楽しめる環境を提供したい」という考えのためだそうです。
ハイビジョン映像を美しく魅せる「彩りプラス」。録画番組は携帯電話で視聴も
「LL770/VG」と「LL750/VG」の2モデルでは、画像や映像コンテンツの再生時に色味を調整できる「彩りプラス」という機能も搭載しています。
本体に内蔵した「彩りプラス」専用チップによってリアルタイムに映像を補正するもので、「ダイナミック(メリハリを付けて鮮やかに)」、「シネマ(シャドウ部を締めて落ち着いた色合いに)」、「フォト(写真向きの画質に)」、「スタンダード(標準的な設定)」の4つのモードが利用可能。コンテンツを楽しみながら、本体にある専用ボタン、またはリモコンから操作できます。
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「彩りプラス」利用のイメージ。オフの状態(左側)と比べ、「スタンダード」使用時(右側)には全体が鮮やかになります
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「彩りプラス」ボタン(キーボード上の左端)。その右にある「ズーム」ボタンは文字を拡大・縮小するためのもの。LaVie Lは16インチワイドサイズに1920×1080ドットと解像度が高いため、1ドットあたりが小さく、文字が小さく見えてしまうことがあります。そのような場合には「ズーム」ボタンを押して、適切なサイズにできます
その他にも、動画関連ではAVCHD対応のビデオカメラからの簡単取り込みや、録画したテレビ番組のSDカードへの書き出し機能(ワンセグ対応の携帯電話で再生できる)なども搭載しています。「(テレビ番組や動画の)取り込みから書き出しまで、一連の操作が簡単に利用できます。やってみたいけど難しいと思っている方に、ぜひ試していただきたいです(石田氏)」。
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録画した番組をSDカードに保存し、ワンセグ対応の携帯電話で見ることができます。この機能は「外でもVIDEO」と呼ばれます
多機能なスライドパッドが操作や文字入力をアシスト
テレビや動画関連以外では、スライドパッドの多機能化も注目したいポイントです。スライドパッド上で文字を手書き入力できる「手書きでお助けパッド」機能に「漢字字典連携」機能が加わり、書いた文字の意味や読みなどをその場で調べられるようになっています。
また、スライドパッド上でスクロールや画面の拡大・縮小などが行える「マルチタッチ」機能も搭載。Webの閲覧などに関連した操作が、スライドパッド上で快適に行えるようになります。
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スライドパッドでの手書き入力を認識し、漢字字典ソフト「デ辞蔵」との連携により読みや画数などを表示します
「新しく買い換えるなら『LaVie L』を」。約20万円の価値に自信
「LaVie L」の最上位モデル「LL770/VG」の店頭予想価格は21万5000円前後。数年前の最上位ノートPCが30~40万円台だったことを考えると非常に安いのですが、ネットブックが「100円パソコン」として出回る昨今では、パソコンにいくら出すのが適当なのか、という判断基準がわからなくなってしまうこともあります。
そうした中で「『LaVie L』は、新しく買い換える方に最適な一台だと考えています。3年前どころか、1年前のモデルにもできなかったフルHD画面での動画再生や編集が可能になり、もちろん、ふだんのWeb閲覧やメールにも、仕事にも、あらゆる用途に快適にご利用いただけます(斉藤氏)」と、NECは「新しく買い換える1台」としての「LaVie L」に自信を持っています。
NECの2009年冬モデルには、一回り小さいモバイル向けの「LaVie M」や、さらに軽量なネットブックの「LaVie Light」といったラインナップもあります。これらは、「外出先で使うため少し軽いものが欲しい」、「限定的な用途でのサブ端末を持ちたい」といった買い増しユーザー向けを想定しているとのこと。
確かに「LaVie L」のコストパフォーマンスは魅力的です。地デジの視聴や録画、フルHD動画、Blu-ray Discの再生など、映像に興味のある方にとっては、必要なものがすべて揃った1台だと言えます。
「LaVie L」の紹介ページ
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