Windows 7の発売を機に、新しいPCに買い換えようと考えている方も多いでしょう。ところが、パソコンは昨年から急激な低価格化が進み、数年ぶりの買い換えを考える方には、ちょっと「相場観」がわからなくなってしまっているかもしれません。

そこで、ここではWindows 7搭載PCを選ぶときの大まかな目安として、価格帯別の製品の傾向を紹介します。


5万円以下:Windows 7搭載での低価格機が出そろうのはもう少し後?

この価格帯のPCの多くは「ネットブック」、デスクトップPCならば「ネットトップ」と呼ばれるインターネットの利用を主に想定した機種です。メールやWeb、YouTubeの(比較的低画質な)動画視聴といった日常的用途には十分に使える機能を持っています。

しかし、ほとんどの製品では光学ドライブ(DVD/CDドライブ)がない、画面が比較的狭い、ボディが小さいため操作性に難がある場合がある、などの理由から、メインマシンとして使うには少々厳しいかもしれません。あまり高い機能を望まず、割り切って使うべきPCだと考えられます。

2009年10月16日時点では、これまで低価格のネットブックを発売してきた日本エイサー、ASUSTeKからの、Windows 7を搭載したネットブックの発表はありません。

ソニー、富士通、NEC、東芝の国内メーカーはWindows 7搭載のネットブックを発表していますが、店頭予想価格は6~7万円程度です。5万円を切る機種を探すと日本HPの「HP Mini 110」が、HP Directの価格で49800円からとなっています。この価格帯で豊富なラインアップが出そろうのは、もう少し後になりそうです。


「HP Mini 110」は「Windows 7 Starter」を搭載したネットブックです
日本HPの「HP Mini 110」紹介ページ


5万円~10万円:価格を抑えつつ機能を充実させたお買い得マシン

ネットブックではちょっと力不足で使いにくい、といったユーザーの声に応えて充実してきているのが、この価格帯のPCです。ノートPCでは、ネットブックが搭載しているCPU「Atom」よりも高い処理能力を持つ「CLUV」というCPUを搭載した機種が主流になります。搭載メモリも、低価格のネットブックでは1GBの機種が多いところが2GB~4GBとなり、快適さがアップします。

デスクトップPCでも同様に、コストパフォーマンスに優れた機種が選べます。「気を使わずに使えるパワフルなサブマシン」、「あまりハードな使い方をしない人のためのメインマシン」を求める向きには、この価格帯をおすすめします。


10万円を切るモデルから用意されている東芝「dynabook MXC」。CULVでネットブックよりも高いパワーと手頃な価格を実現し、ネットブックならぬ「ネットノート」を標榜しています
東芝東芝の「dynabook MXC」紹介ページ
性能よし、形よし、値段よし。ウワサの「CULVノートPC」ってなに? 編集部ブログ



富士通の「FMV BIBLO LOOX C」も、10万円未満のモデルからのラインアップとなるCULV搭載PCです
富士通の「FMV-BIBLO LOOX C」紹介ページ


10万円~15万円:メインマシンとして十分に使える性能

写真の整理や動画の編集といった、ある程度のマシンパワーを必要とする使い方を考える方には、この価格帯以上のPCが快適に使えるでしょう。強力なCPU、大容量のメモリー(4GBを搭載した製品が普通になります)、同じく大容量のハードディスクで、余裕を持って写真や動画を楽しむことができるでしょう。

小型で軽量(1kg前後)、かつデザイン的にもスペック的にも優れたモバイルPCを求める場合には、この価格帯からが目安となります。


東芝の「dynabook EX」。インテルCeleronまたはCore 2 Duoにメモリー2~4GB、ハードディスク320GBを搭載しています
東芝の「dynabook EX」紹介ページ

カスタマイズ内容にもよりますが、「VAIO X」はこの価格帯。高い携帯性とデザイン性を備え、所有する満足感も得られるPCです
ソニーの「VAIO X」紹介ページ
薄く、軽く、長持ちで堅牢。タフな仕事に使える「VAIO Xシリーズ」 メーカーに聞くWindows 7搭載PC - できるネット+(できるネットプラス)


15万円~20万円:「新しいこと」が楽しめる多機能マシン

この価格帯のPCでは、十分なパワーに加えて、地デジチューナーやBlu-ray Discドライブ、Windows 7の新機能である「マルチタッチ」対応など、新しい機能を搭載した機種が豊富に選べます。新しいもの好きの方、パソコンの未来の可能性に触れてみたい方には、この価格帯をおすすめします。


富士通の「FMV-BIBLO MT」はマルチタッチに対応。新しいユーザーインターフェースをいち早く体験できます。店頭予想価格は15万円前後
富士通の「FMV-BIBLO MT」紹介ページ

パナソニックの「レッツノートN8」。1265gと比較的コンパクトで、付属のバッテリーパックで約16時間という長時間駆動が特長です。
パナソニックの「レッツノートN8」紹介ページ


20万円以上:フルHD動画も快適に使えるパワフルなマシン

20万円~30万円程度のPCが、およそ各社のラインアップのハイエンドクラスの製品となります。フルHD画質の動画再生や編集もこなせるハイパワーな機種が並びます。デスクトップPCでは、20インチ以上の大画面で、動画コンテンツやゲームを楽しむことができます。

最近ではデジカメやデジタルビデオカメラが高機能化し、写真では2000万画素以上、動画ではフルハイビジョン(フルHD)対応という製品が、手頃な価格で買えるようになりました。そうした製品で撮影した動画や写真は非常に美しいのですが、取り込みや編集を行うためにはかなりのPCのパワーを要求します。カメラにPCが追いつかなくなってしまい、困っているという方も多いでしょう。そうした方には、ここまでの思い切った投資をおすすめします。


NEC「LaVie L」の最上位モデル「LaVie L LL770/VG」。フルHD液晶にデジタルテレビ3波チューナー、Blu-ray Discドライブなど、機能満載です
NECの「LaVie L」紹介ページ
フルハイビジョン動画の鑑賞・編集に十分なパワーを持つNEC「LaVie L」 メーカーに聞くWindows 7搭載PC - できるネット+(できるネットプラス)


[まとめ]
新しいPCに買い換える予算は10万円前後から。20万円程度の予算が用意できれば、最上級のマシンが選べます。