ワザ80
ほかの広告とAdSense広告を同時に表示できるようにしよう
さまざまな広告ニーズに柔軟に対応
サイトが成長軌道に乗り、広告による収益化が順調に進むと、広告に対する新しいニーズが生まれてきます。企業サイトでは、社内のほかの部署や関連会社から、それぞれが扱う商品やサービスを宣伝してほしいと頼まれることがあるでしょう。メディアサイトやコミュニティとして大きく成長しているなら、外部の企業から直接、広告出稿の申し出があるかもしれません。個人ブログでも、収益拡大のためにアフィリエイト広告を掲載したいものの、サイト内にもうスペースがないと悩んでいる声を聞いたりします。
Googleでは、Google AdSenseとは別に「DFPスタンダード」という広告関連のサービスが提供されています。これは一般に「アドサーバー」と呼ばれるもので、1つの広告枠に対して異なるしくみの広告を配信したり、広告の表示回数(インプレッション)やクリック数などに応じて配信状況を調整したりすることを可能にします。
DFPスタンダードの広告ユニットには、AdSense広告を配信すると同時に、社内や関連会社の自社広告、直接掲載を依頼された純広告、アフィリエイト広告などを配信できます。サイト内の限られた広告枠をフル活用して、さまざまなニーズに合わせた広告を表示できるようになるのです。
ほとんどのサイトで無料で利用できる
DFPスタンダードの最大のメリットは、AdSenseの延長で高機能のアドサーバーを利用でき、しかも無料であるという点です。「広告の表示回数が月間9,000万回まで」という条件がありますが、よほどの巨大メディアサイトでなければ届かない数値でしょう。これまでと同様の収益を得ながら、プラスアルファの恩恵を受けることができます。
一方で、AdSenseと比較すると設定が複雑で、管理に手間がかかるというデメリットもあります。本章ではDFPスタンダードの活用について最低限押さえておきたいワザを解説していくので、今後の広告掲載に役立ててください。
DFPスタンダードを活用した広告掲載のイメージ
1ページに3つ配置していたAdSenseの広告ユニットのうち1つを、DFPスタンダードの広告ユニットに変更した例。この広告ユニットにはAdSense広告を配信させると同時に、自社広告や純広告、アフィリエイト広告なども表示できる。
Tips「DFP」は何のこと?
「DFP」は「DoubleClick forPublishers」の略です。DoubleClickは古くからネット広告業界を牽引してきた米国の企業名で、現在はGoogleに吸収合併されています。
Tips「月間9,000万回」にAdSenseは含まれない
DFPスタンダードの無料の条件である「広告の表示回数が月間9,000万回まで」には、AdSense広告の表示回数は含まれません。DFPスタンダードで設定した広告のみが対象となっています。
こぼれ話サイトを運営するチームでの利用が理想的
DFPスタンダードは自社広告や純広告のニーズがあるような、ある程度のアクセス規模があるサイトでの利用が想定されており、主に企業を対象にしたサービスとなっています。また、AdSenseのように自動的に広告が配信されるわけではなく、広告主の依頼に合わせて配信方法を設定したり、広告として表示する画像などを登録したりする作業は、サイト運営者側で行う必要があります。広告主への営業活動なども含めると、すべてを1人でやりきることは難しく、サイトを運営するチームでの対応が求められるでしょう。そこまでのリソースを広告にかけられないのであれば、引き続きAdSenseのみを利用するのも手です。サイト運営の方針に合わせて検討してください。
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