コンセプトの決め方
投稿する写真のコンセプトを「○○といえば?」から導き出す
「○○といえば?」で想起されるキーワードを決める
ここからは Instagramの自社アカウントを作り、運営する方法を解説します。運営の目的は、第1にブランディングとしましょう。フォロワーを増やし、エンゲージメントを高めることが、ブランディングにもコンバージョンを目指すにも、まずは必要です。
ブランディングのため、最初にターゲットを明確にします。このターゲットとは、Instagramで紹介したい商品やサービスで設定されているものです。多くの場合は「10~30代女性」「40代以上を中心とした旅行者」のように、ターゲットの大まかな属性が決まっている場合が多いでしょう。
次に、ターゲットが求めている情報は何かを考え「何を伝えるか」を決めます。私達がこの段階でクライアントとの打ち合わせで使う方法は「『〇〇といえば(自社商品)!』と言われるブランドになるとしたら『○○』は何か?」というブレインストーミングです。
例えば「スターバックスコーヒー」なら「おしゃれな喫茶店といえば?」で多くの人が名前を挙げるでしょう。「カジュアルで実用的な服といえばユニクロ」「お笑いといえば吉本興業」など、強いブランドには「○○といえば?」で多くの人が思い浮かべるキーワードがあります。
ここで考える「○○」は、要するに「何で想起されたいか」というキーワードです。もっと小規模な、個人経営の喫茶店のマスターと一緒に考えるなら、「おしゃれな喫茶店」だけで大手ブランドと勝負するのは難しいので、店の特徴やアピールしたいことを考えながら、アイデアを出していきます。
「ピザトーストが分厚い」「水出しアイスコーヒーが絶品」「いつでもジャズの名曲が流れている」「ピアノがあって生演奏を楽しめる」「駅から徒歩2分」「待ち合わせに最適」など、思いつくままに挙げた中から、もっとも重要なメインのキーワードを1つ、サブのキーワード2~5個程度を決めます。
ここでは「いつでもジャズの名曲が流れている」をメインのキーワードに、「水出しアイスコーヒーが絶品」をサブに、投稿のコンセプトを考えてみましょう。
アピールする「機能的価値」「感情的価値」を決める
「○○といえば?」で決めたキーワードの次に重視するのは、「ターゲットが Instagramで自社アカウントの投稿を見て『よかった』と思えるものは何か?」です。企業としては「素材」「製法のこだわり」など商品の情報をストレートに伝えたくなりますが、必ずしもそれでユーザーに「よかった」と思ってもらえるとは限りません。
そこで「機能的価値」と「感情的価値」という2つの面から、ユーザーに何を伝えて、何を感じてもらうかを考えます。
機能的価値とは、商品やサービスに感じられる便利さ、機能性などの「伝えたい情報」です。前のページで考えた個人経営の喫茶店なら「ジャズの名曲を楽しみながら、おいしい水出しコーヒーを飲める」という機能的価値を提供できると考えられます。ここから、どのようなビジュアルがいいかを考える基準ができます。
感情的価値は、ユーザーにブランドを好きになってもらうために写真で「引き出したい感情」です。同じく喫茶店の例で考えると「軽やかな気持ちになって、リフレッシュできる」のように、ユーザーの中に起こる感情を具体的に設定します。このようにすることで、投稿した写真がその価値を伝えるものか確認できます。