ユーザーを巻き込んで自社ブランドとの距離を縮める
Instagramで「キャンペーン」というと、自社アカウントで特別な情報を発信するものと、ユーザーを巻き込み、写真を投稿してもらうものの2種類があります。前者は具体的には、有名人を使った写真や動画などの通常よりもリッチなコンテンツを発信したり、お得なセールの情報を発信したりします。
後者は、テーマを決めた写真のコンテストや懸賞の形で、多くのユーザーにテーマに合った写真を投稿してもらいます。この章では後者の、ユーザーを巻き込むキャンペーンについて解説していきます。
ユーザーを巻き込んで写真を投稿してもらうキャンペーンの意義としては、大まかに次の4つが挙げられます。まず1つ目は、どのようなキャンペーンにも言えますが、キャンペーンに参加してもらうことが自社ブランドや商品との初めての接触となり、認知効果が期待できることです。
2つ目に、写真を投稿してくれたユーザーとの心理的な距離を大幅に縮められることがあります。Instagramユーザーは自分の投稿はきれいな写真だけにしたいと考えており、投稿する/投稿しないの線引きをしっかりと行っているものです。
写真の投稿を募集するキャンペーンの告知を目にしたときも、ユーザーが最初に考えるのは賞品などよりも「その写真を自分が投稿したいかどうか」であるはずです。
そうしたユーザーが写真を投稿してくれたということは、キャンペーンの写真を「投稿したい写真」として扱ってもらえたということで、ユーザーがかなり心を開いてくれた状態だと考えられます。このようなユーザーとの距離の縮め方ができるのは、Instagramならではです。
フォロワー以外にも拡散し、広い認知を獲得できる
3つ目は、広い拡散効果を見込めることです。企業のアカウントだけで写真を投稿しても、InstagramにはTwitterやFacebookのような広く拡散する機能がないため、自社アカウントのフォロワー以外への拡散はなかなか見込めません。
しかし、大勢のユーザーがキャンペーンに参加し、自社ブランドに関係したハッシュタグを付けた写真を投稿すれば、ユーザーのフォロワーに認知され、ほかのSNSのように情報が拡散する効果がもたらされます。
4つ目として、投稿したユーザーのフォロワーに、高い信頼性を持って受け止めてもらえることがあります。消費者は一般に、企業が発信する情報よりも、友人からのおすすめや、自分と同じ立場のユーザーが投稿したクチコミ情報を身近に感じ、信頼するものです。
企業アカウントからの発信だけでなく、ユーザーからの発信によるクチコミ情報が拡散されることで、ユーザーはより自分に身近な、信頼できる情報として自社ブランドに関する情報を受け止めます。このことが、ファンの獲得や商品の売り上げ増、イベントの参加者増など、大きな効果につながっていきます。
ユーザーを巻き込むキャンペーンでは、ブランドの認知向上を目的として設定し、投稿される写真の数を増やすことを目指すのが一般的です。そのうえで、投稿された写真へのエンゲージメントや、自社ブランドへの印象の変化も可能であれば計測し、効果を測定していきます。