こんにちは、できる編集部の井上薫です。もう街はクリスマスモード!世間とは裏腹に身も心も寒い毎日が続いています......。そこで今日は、ほっ~と温かくなる禅語を紹介します。
今回も「『あるある』で学ぶ 余裕がないときの心の整え方(できるビジネス)」の著者であり、住職で精神科医の川野泰周さんに、心が整う禅語を教えていただきました。
寒くて憂鬱なあなたに
日々是好日(にちにちこれこうじつ)
今日という日が良い日であるということ。
晴れた日だろうが嵐だろうが雪だろうが、同じ日は二度と訪れることはありません。たとえ同じ映画を2回見たとしても、初回と2回目では感想も違いますよね?どんな日でも、かけがえのない1日なのです。毎日がそれぞれに良い日であると感じてみましょう。
今、不満を感じているあなたに
吾唯足知(われただたるをしる)
欲しがることをやめてみるということ。
私たちは今持っているものだけでも、不自由なく生活できています。不足に目を向けるのではなく、在るものに目を向けてみましょう。際限のない欲望や妬みを持つものではないという戒めでもあります。現状に不満があるときこそ、足るを知ることが大切です。
忙しさに追われているあなたに
本来無一物(ほんらいむいちもつ)
この世は本来「空」や「無」であり、何も執着することはないということ。
年末は忙しいですよね? 一度、執着を捨てて、ありのままの人や出来事に目を向けてみましょう。妄想も何もかも捨て去ったところに、この世の美しさや有難さが見えてきます。
孤独を感じているあなたに
諸法無我(しょほうむが)
「私」という存在も常に変化する存在であること。
あらゆる物事は、相対的なものであり単独で存在しません。たとえば、私たちは親から生まれ育てられ、誰かが育てた野菜や肉を食べ、いろんな人に出会い、そして今にいたります。今、ここにいる自分はたくさんのご縁があって存在しているのです。
空虚なものを感じるあなたに
独坐大雄峰(どくざだいゆうほう)
今ここにこうして座っていられることが、最も尊くすばらしいということ
自分が今現在、この場で生きていることがもっとも有り難いという意味です。「お金を持っていることが素晴らしい」「家族が幸せなことが素晴らしい」「好きを仕事にしていることが素晴らしい」など多種多様な価値感がありますが、すべては生きているからできることに気づけます。
禅語は私たちが生きていくうえで大切なヒントを教えてくれますね。温かい気持ちにもなり、ピリッと姿勢を正した気持ちにもなりました。
川野さんが執筆した「『あるある』で学ぶ 余裕がないときの心の整え方(できるビジネス)」でも、たくさんの禅語を紹介しています。身も心も寒いときこそ、禅語を読んで気持ちを整えましょう。
次回予告:満員電車が楽になる「つり革瞑想」を実践!
川野泰周(かわのたいしゅう)さん
精神科・心療内科医/臨済宗建長寺派林香寺住職。
1980年横浜生まれ。2004年慶応義塾大学医学部医学科卒業後、精神科医として診療に従事。2011年より建長寺専門道場にて3年半にわたる禅修行、2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。現在寺務の傍ら都内及び横浜市内にあるクリニック等で、うつ病、神経症、PTSD、睡眠障害などに対し薬物療法と並び禅やマインドフルネスの実践を含む心理療法を積極的に取り入れた診療にあたっている。