満員電車が楽になる「つり革瞑想」を実践しましょう。つり革瞑想の基本と考え方については、「ストレスだらけの満員電車が超ラクに! ビジネスマン必須のテクニック」を読んでおいてください。

イラストによる解説のあと、電車でも試しやすいように、「『あるある』で学ぶ 余裕がないときの心の整え方(できるビジネス)」の著者である 川野泰周さんの音声解説(動画)も掲載しています。再生しながら、実際に瞑想を試してみてください。

1つり革につかまって呼吸瞑想する

足を軽く開き、へその下の丹田を軽く前に突き出します。両足の裏に均等に体重が乗るようなイメージで立ちましょう。そしてまずは一駅分、呼吸瞑想します。

2車内に注意を向ける

軽く車内を見回して観察します(不自然でない程度に)。つり革、網棚、広告、たくさんの人々、視野に入るすべての物を、三十秒程度でできるだけ注意して見ます。

3車窓の景色に注意を向ける

近景から遠景まで流れゆくビル群、道路、空、雲など三十秒、観察します。地下鉄の場合には、トンネルの壁しか見えませんがただ流れてゆく壁の連続を見れば結構です。

4目を閉じて、車内をイメージする

「網棚にはリュックが逆さまで、前の学生はスマホを...」といった具合に、目を閉じながらもありありと、車内の様子を思い浮かべます。

5車窓をすり抜けて電車を見下ろす

さあ、ここからが本番です。イメージの中で、自分自身が車窓をすり抜けて、外の空間にフワフワと浮かんでいます。そのまま上へ上へと体が上昇します。

6上昇し日本列島を見下ろす

ここまで順調にイメージできた人は、上昇スピードを加速させてゆきます。さらに高いところまで上ってゆき、日本列島が海の上に浮いている様子を見下ろしてみてください。

7宇宙まで行ってみる

もっと上昇すれば、そこはもう宇宙空間です。青く美しく輝いている丸い地球を眺めてみてください。そしてついには地球すらも見えなくなり、キラキラ光る無数の星の中に浮いています。

8深呼吸して現実世界に戻る

電車の中で、つり革につかまっている状態に注意を戻しましょう。周囲に何が見えていたか「つり革、網棚、リュック、学生」といったようにイメージを復元してゆくのです。

川野泰周さんによる音声解説

川野泰周さんによる、つり革瞑想についての解説(音声のみ。映像は動きません)。

私たちのイマジネーションは無限大ということが感じられたでしょうか? どんなに狭い空間でも、私たちの頭の中ではどこへでも行けました。ストレスフルな環境こそ瞑想の効果を実感しやすいのですね。



次回予告
マインドフルネス坐禅会に参加しましたレポート

川野泰周(かわのたいしゅう)さん
精神科・心療内科医/臨済宗建長寺派林香寺住職。

1980年横浜生まれ。2004年慶応義塾大学医学部医学科卒業後、精神科医として診療に従事。2011年より建長寺専門道場にて3年半にわたる禅修行、2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。現在寺務の傍ら都内及び横浜市内にあるクリニック等で、うつ病、神経症、PTSD、睡眠障害などに対し薬物療法と並び禅やマインドフルネスの実践を含む心理療法を積極的に取り入れた診療にあたっている。