ここでは「食べる瞑想」のやり方を解説します。食べる瞑想について詳しくは、こちらの記事も参照してください。

▼「食べる瞑想」とは
正月太りをリセットしたい! 太らない食べ方「食べる瞑想」って?

「食べる瞑想」で小さなレーズンを味わう

今回の「食べる瞑想」の解説では、1粒のレーズンを使ってマインドフルに(集中して)食べることを実践します。

実際に講座を開催して食べる瞑想を体験した多くの人たちが、これまでに感じたことのない味わいを知ったり、レーズンのおいしさに初めて気づいたり、といった発見をするそうです。

レーズンの代わりにお饅頭やコンビニエンスストアのおにぎりなど、ほかのもので実践してもかまいません。大きさや味に関係なく、いつも無意識に食べているもほど、これまで感じたことのない気づきに気付けるでしょう。

1レーズンの外観を観察する

一粒のレーズンを指でつまみます。その形状、色、しわの寄り方、香り、砂糖の付いた様子などをじっくりと観察します。

2味をイメージする

まだ口には入れません。さらに観察しながら、これを食べたらどんな味がするだろうかとイメージします。

3口に入れてゆっくり味わう

いよいよ、ゆっくりと唇に触れさせてから口の中へ入れまましょう。舌の上で転がしながら形状や味を口の中のすべての場所で感じ取ります。満を持してゆっくりと噛みしめ、しみ出してくる味を十分に感じてください。

4飲み込んで胃に落ちるまでを感じる

何度も何度も噛んでから、ゆっくりと飲み下します。このときの喉を通って胃に落ちてゆく様子も感じ取りましょう。

どうでしたか? 「集中する」「意識を向ける」とは、「『○○しながら』ではない」ことは当然として、小さな過程ひとつひとつを意識して、すべてを感じ取ろうとすることです。このようにすることで心を落ち着け、整えることができます。

ソムリエの味わい方も「食べる瞑想」に通じる

ところで「マインドフルネスに食べること」を仕事にしている人たちがいます。それはソムリエです。ワインのソムリエの場合、香りを嗅ぎ、舌で転がし、ゆっくりゆっくり味わい、ワインの特徴を感じ取ります。このような味わい方は、まさに「食べる瞑想」に通じます。

お酒の飲み過ぎが気になる人は、意識を集中して飲む「飲む瞑想」を意識してみることをおすすめします。



次回予告
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川野泰周(かわのたいしゅう)さん
精神科・心療内科医/臨済宗建長寺派林香寺住職。

1980年横浜生まれ。2004年慶応義塾大学医学部医学科卒業後、精神科医として診療に従事。2011年より建長寺専門道場にて3年半にわたる禅修行、2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。現在寺務の傍ら都内及び横浜市内にあるクリニック等で、うつ病、神経症、PTSD、睡眠障害などに対し薬物療法と並び禅やマインドフルネスの実践を含む心理療法を積極的に取り入れた診療にあたっている。