「メモ」とは一味違うドキュメント共有サービス
Dropboxの「Paper」は、2016年8月からベータ版として提供されていたドキュメント共有サービスです。「Evernote」「OneNote」のような「メモ」を主体にしたサービスというよりは、議事録などの「文書」を作り、チームの情報共有に使うことが主眼に置かれています。
同種のサービスには「Googleドキュメント」や「Office Online」といったライバルがあり、すでにこれらを愛用している人も多いでしょう。
どんな機能が使えるか、ファイル同期・共有サービスとして草分けであり高いシェアを持つ「Dropbox」とのシナジーはあるのかなど、Paperの特徴を、今回は5つのポイントに絞って紹介します。
▼Paperのサイト
Dropbox Paper
(1)ブラウザーおよびiOS、Androidで利用できる
Paperは、パソコンのWebブラウザーから利用できるほか、iOS(iPhone)、Androidのアプリからも利用できます。
利用にあたっては既存のDropboxのアカウントでログインします。Googleアカウントも利用可能です。
Dropbox Paper
iPhone(App Store)
Android(Google Play)
(2)操作は独自性が高い。動画や表組みなどを編集可能
GoogleドキュメントやOffice Onlineが、この手の文書編集・共有サービスのスタンダードといえるMicrosoft Officeライクなインターフェースであるのに対して、Paperはかなり独自性の高いインターフェースを採用しています。
独自のインターフェースで使いこなすために学習コストがかかることは、チームで使うにあたってはちょっとした壁になるでしょう。
とはいえ操作の基本はシンプルです。ドキュメントを作成してタイトルを付け、本文にテキストを入力するか、行の頭に表示される[+]をクリックして画像や動画、表組、タスクリスト(チェックボックスが付き、期限の日と担当者を設定できる)などを挿入するかします。自分のアカウントのDropboxに保存しているファイルを挿入することも可能です。
行頭の[+]をクリックすると、挿入のメニューが表示されます。ここでは[Dropboxから挿入]をクリックします。
自分のDropboxが開き、挿入するファイルを選択できます。
(3)Dropboxの共有相手に簡単にメンションできる
Paperではチームの仲間に文書を共有できるほか、タスクリストなどで相手の名前を「@Hideo K」(名前はDropboxまたはGoogleアカウントの登録名)のように入力して指定し、文書を共有すると同時に「メンション」(名前を挙げること)を送ることができます。
メンションは、相手がDropboxユーザーならパソコンやモバイルのDropboxアプリで通知されるほか、Paperアプリおよびメールでも通知されます。ただしメールの通知が届くには、数分以上のタイムラグが生じるようです。
行にタスクリストを挿入してやることを入力し、行の右端に表示されるカレンダーのアイコンをクリックすると、期限を設定できます。
カレンダーのアイコンの隣にある人のアイコンをクリックすると、メンションを送る相手を指定できます。メールアドレスを入力できるほか、これまでにDropboxでファイルを共有したことがある相手は一覧表示されたり、候補として優先的に表示されたりします。
(4)会議室で大きく映せる「プレゼンモード」
ブラウザーから「プレゼンモード」を利用すると、新しいウインドウが開いて、会議室の画面に映すことを想定した大きな文字で文書を表示できます。
チームで打ち合わせをするときに誰かがプレゼンモードで文書を映した状態にしておけば、文書中の同じ場所をみんなで見ながら情報の確認ができ、わかりやすくなります。なお、プレゼンモード中に文書を編集することも可能ですが、編集内容はプレゼンモードに反映されません。
プレゼンモードは画面上部の[...]をクリックして選択します。
(5)Dropboxと文書管理面での連携はない
PaperではDropboxに保存しているファイル(画像や文書など)を文書中に挿入できますが、Paperの文書をDropboxに直接保存する機能はありません。
そのかわり、[ダウンロード]機能を使うことで文書をWord文書(docx)またはMarkdown(テキスト)形式で保存できるので、必要に応じてDropboxに保存しておきましょう。
ダウンロードも画面上部の[...]をクリックして選択でき、2種類の形式が選べます。
Dropbox主体で進めているプロジェクトには便利そう
Paperでは、Dropboxのファイルを簡単に挿入できたり、Dropboxでファイルを共有した相手への面ションが簡単にできたりと、Dropboxを使った共同作業を拡張しやすい機能が搭載されています。
先行しているサービスもありますが、Dropboxでのファイル共有を中心に進めているプロジェクトでは、小さな工数で情報をわかりやすく可視化でき、便利に使えそうです。