【エクセル時短】は「少しでも早く仕事を終わらせたい!」というビジネスパーソンのみなさんに、Excelの作業効率をアップするワザをお届けする連載です。毎週木曜日更新。
過去の記事一覧はこちら【エクセル時短まとめ】
連続データを入力するとき、オートフィルの機能は便利ですよね。しかし、元となる値や数式を入力しておかなければ、オートフィルによる自動入力はできません。
例えば、以下のような表の「姓」「名」の列を入力したいとします。
このような文字列の分割は関数でもできますが、けっこう手間がかかります。例えば「=LEFT(B3,FIND(" ",B3,1)-1)」のような関数式が必要で、「氏名」列に全角スペースと半角スペースが混在していれば、その条件分岐が必要になり......と、どんどん複雑になってしまいます。
では、手動で入力するしかないのでしょうか? ここであきらめてはいけません! こんな状況こそ、Excel 2013以降で使える「フラッシュフィル」の出番なのです。
【エクセル時短】第29回では、あまり知られていないけど使いこなすと強力な「フラッシュフィル」について解説します。
まさに一瞬! データの法則性を分析して自動入力
フラッシュフィルとは、すでに入力されているデータ(サンプル)から法則性を見つけ出し、それに従ってデータを自動入力する機能です。まずは、どんなことが起こるのか見てみましょう。
1フラッシュフィルを使う
①1件目のデータのみ、「姓」の列を入力しておきます。続いて[データ]タブの②[フラッシュフィル]ボタンをクリックします。
2「姓」の列がすべて自動入力された
なんと、たったこれだけで「姓」の列がすべて自動的に入力されました!
この表では「氏名」列の右隣に「姓」列を用意してあります。「姓」列の1行目に「飯塚」というサンプルを入力してフラッシュフィルを実行すると、Excelが『「氏名」列のスペースより前を取り出す』という法則性を見つけ出し、ほかのデータを自動入力してくれる、というわけです。
フラッシュフィルなら関数の使い分けは不要
今度は「メールアドレス」列にあるデータの「@」より後ろを、「ドメイン」列に入力したいとしましょう。このような場合、関数ならFIND関数とRIGHT関数を使います。前述の「姓」「名」分割と似たような操作なのに、別の関数を使うとなると面倒ですよね。
ですが、フラッシュフィルなら一発です。
1フラッシュフィルを使う
先ほどと同じように、1件目のデータのみ「ドメイン」を入力しておきます。そして、フラッシュフィルのショートカットである[Ctrl]+[E]キーを押します。
2「ドメイン」の列がすべて自動入力された
見事にフラッシュフィルでデータを入力できました。時短効果は絶大です!
HINTフラッシュフィルがうまくいかないときは?
ときには関数よりも便利なフラッシュフィル、いかがでしたか? 大量のデータを入力するときは、ぜひ「フラッシュフィルで時短できないか?」と思い出してみてください。