複数要素の「集合」を柔軟に表現

PowerPointでビジネス資料を作成するとき、以下のような「ベン図」を使いたいことがあると思います。

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

2つの要素におけるベン図の例。要素Aと要素Bの共通点や相違点を視覚的に表現できます。

ベン図は要素(集合)の関係を図示したもので、重なった複数の円などで表します。かつて数学で学んだ記憶がある人も多いのではないでしょうか。Wikipediaでは以下のように説明されます。

ベン図(ベンず、もしくはヴェン図、英: Venn diagram)とは、複数の集合の関係や、集合の範囲を視覚的に図式化したものである。

ベン図 - Wikipedia

このベン図をPowerPointで作成したいとき、もっとも簡単なのは「SmartArt」を使う方法です。

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

リボンの[挿入]タブで[SmartArt]をクリックし、[集合関係]にある[基本ベン図]などを選択すると......

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

このようなベン図を簡単に作成できます。[色の変更]から配色の調整も可能です。

ただ、SmartArtで作成したベン図は、要素を区切る線や色の塗りなどの自由度が高くありません。例えば、以下のようなベン図を作成したい場合、SmartArtではなく複数の図形を組み合わせたほうが、思い通りの表現が可能です。

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

要素を区切る線をハッキリと引いたうえで、「AだがBではない」「AかつB」「BだがAではない」の部分を自由に塗り分けています。

このようなベン図は、PowerPointの[図形の結合]機能を使うことで作成できます。以下の手順で作り方を見ていきましょう。

PowerPointで「ベン図」を作成する

1スライドを複製する

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

ここでは2つの要素におけるベン図を作成します。スライドに2つの円を挿入し、そのスライドを右クリックして[スライドの複製]を選択します。

2[図形の結合]を実行する

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

複製したスライドで2つの円を選択し、[書式]タブの[図形の結合]をクリックします。

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

そのまま[重なり抽出]にマウスポインターを合わせると、「AかつB」の部分(2つの円の共通点)だけが抽出されます。そのままクリックして実行しましょう。

3抽出された図形をコピーする

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

抽出された図形をコピーし、元のスライドに貼り付け(ペースト)します。すると、抽出した図形が「AかつB」の部分にピッタリと重なります。

4抽出された図形の色を変更する

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

そのまま[図形の塗りつぶし]をクリックすれば、「AかつB」の部分を好みの色で塗ることができます。

5[図形の結合]を実行する

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

今度は「AかつB」に加えて、「BだがAではない」の部分も抽出してみましょう。複製したスライドで2つの円を選択し、[書式]タブの[図形の結合]→[切り出し]をクリックします。

6抽出された図形を確認する

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

[切り出し]ではどこが抽出されたのか、一見わかりにくいのですが...

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

このように移動すると、「AだがBではない」「AかつB」「BだがAではない」のそれぞれが、別々の図形として切り出されたことがわかります。

7抽出された図形をコピーする

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

「AかつB」「BだがAではない」の部分をコピーし、元のスライドに貼り付けます。

8抽出された図形の色を変更する

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

[図形の塗りつぶし]から色を選択すれば、「AかつB」「BだがAではない」の部分の色を変更できます。別々の図形なので、別々の色で塗り分けることも可能です。

93つの要素におけるベン図を作成する

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

同様の操作で、3つの要素におけるベン図も柔軟に表現できます。

HINT[図形の結合]機能の全パターン

PowerPointの[図形の結合]機能では、複数の図形を組み合わせた図形を5つのパターンで抽出できます。2つの円の場合を例に、すべてのパターンの抽出結果を紹介しましょう。

接合

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

2つの円の共通点を区別しない、つなぎ合わせた図形として抽出されます。

型抜き/合成

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

2つの円が、そのまま合成された図形として抽出されます。

切り出し

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

2つの円の区切られた部分のそれぞれが、別々の図形として抽出されます。

重なり抽出

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

2つの円の共通点だけが図形として抽出されます。

単純型抜き

PowerPointで「ベン図」を作成する方法。重なりを抽出・色分けして共通点や相違点を視覚化する

2つの円のうち、背面にある円から前面にある円が取り除かれた図形として抽出されます。