なぜ、やりたいと思ったことはすべて実現「できる」のか?

断言しますが、心の底から「これをやりたい!」と思った事柄は、すべてあなたに「できる」ことです。「まさか?」と思う人も少なくないでしょうから、なぜそうなるのかを書いてみようと思います。

私たちのすべてが例外なくもつ至高の能力は「創造力」です。その証拠に、私たちが動けばかならず何かが創造されます。掃除をすれば「キレイな部屋」が、料理をすれば「肉じゃが」や「麻婆豆腐」が、誰かと話せば「会話」が生まれます。しかもそれは、それまでこの世界に存在しなかった「新しい何か」です。

そして、私たちはこの創造を2つの機能を駆使しながら行っています。ひとつは何もないところから創りたいものをイメージする「意識」、もうひとつはそれを形あるものに具現化する「身体」です。

「意識」がわかりにくければ、「アイデアが閃く場所」や「思いを抱く場所」と捉えてもいいでしょう。すべての創造は、私たちの「意識」が「これを創りたい!」「これをやってみたい!」と願うところから始まります。

ただし、イメージするだけでは他の人にそれを見せることも伝えることもできません。そこで「身体」の出番です。脳をフル活動させて「どうすればそれを実現きるか?」の設計図を描きながら、手や足、声などを使って「意識」が思い浮かべたものを形にしていきます。

「できない」理由は身体の使い方とネガティブな考えにある

おもしろいことに、私たちの意識には、「自分にできないことを本気でやりたいとは思わない」という安全装置のようなものが組み込まれています。このことは自分の人生を振り返ってみればすぐに実感できるはずです。

スポーツが苦手な人がプロ野球やプロサッカーの選手になりたいとは思いません。勉強が大嫌いなのに、それを教える学校の教師になろうとする人もいないでしょう。つまり、自分の「意識」が「これをやりたい!」と閃いた瞬間に、あなたにそれが「できる」ことは保証されているということなのです。

「いや、そうイメージしてもできないことはあった」と思うかもしれません。それは単純に、具現化のところで「身体」の使い方を間違えただけのことです。これまでやったことがないことにチャレンジしようとすれば、「身体」は新しい技術やスキルを身につけなくてはなりません。

そのためには、訓練や練習、トレーニングが必要になるのですが、私たちはしばしばこのプロセスに強い負担や抵抗を感じてしまいます。くわえて、本来なら前向きに実現方法を発案してくれるはずの脳が、「もう無理なんじゃないか」とネガティブな考えばかりを出してくるようになります。

どんなときでも「できない」理由はこれだけです。

つまり、「身体」に新しいことを覚えさせる工程で心を折らず、頭で「もうダメ」だと勝手な未来予測をしなければ、「これをやりたい!」と思ったすべてのことは「できる」に変わるということなのです。

倉園さんがこれまでにインプレスから刊行した書籍たち。近著『グッドバイブス ご機嫌な仕事』は、NHKの朝のニュース番組「おはよう日本」で、大手書店の店長が推薦する「若手社会人の参考になる本」として大きく取り上げられました。

人生の「できる」を増やしてくれるツールとメディア

さて現在、私たちにはパソコンやスマホといったすごい道具があります。ぜひ、これを「自分の創造において身体を延長してくれるツール」と捉えてみてください。

たとえば、DTM(デスクトップミュージック)アプリを使えば、楽器を演奏する技術を身につけなくても、誰もがプロ並みのオーケストレーションを創れてしまいます。最近では「ボカロ」と呼ばれる技術も登場して、歌さえもコンピュータでプログラムできるようになりました。

そういえば最近、脱サラして漫画家になったという知人が、マンガ作成アプリで作品を制作するところを見せてくれました。それは、私が小学生のころに「マンガ入門」で学んだやり方とは何もかもが違っていました。

コマ割の線を引く、スクリーントーンを貼る、ホワイトで修正する、描きたい線ごとにペンを買いそろえて使い分ける。これまでなら、数年を費やして習得するはずの技術を、すべてアプリが肩代わりしてくれるのです。

繰り返しますが、私たちの創造とは「意識」と「身体」のコラボーレーションです。そして、私たちが途中でつまずいてしまう原因は「身体」の使い方にありました。もし、パソコンやスマホがそこを補完してくれるとしたらどうでしょう?

「これをやりたい!」と思ったことを「できる」可能性は、以前よりもはるかに高くっていると言えないでしょうか。残るは、思考を司る脳の使い方だけです。ポイントはただひとつ。「できない」という後ろ向きの考えを手放せばいいのです。

「もうダメだ」と心が折れそうになったら、自分にこう言ってみてください。

「私がやりたいと思ったことなんだから、かならずできる!」

私もこれまでに「できるシリーズ」で2冊の本を執筆させていただきました。こうしてみると、「できるシリーズ」とは、まさに私たちの人生に「できること」を増やすために生まれたありがたいメディアなのかもしません。

25周年、おめでとうございます。これからも多くの人たちの「できる人生」に貢献されることを心から祈り、また応援しています!


倉園佳三(くらぞの けいぞう)
執筆家、音楽家、グッドバイブス・エバンジェリスト

大学中退後、1994年まで音楽家として活動。95年、インプレス刊のIT雑誌『インターネットマガジン』編集部に参加。99年に編集長に就任。2002年にIT系コンサルタント、執筆家として独立すると同時に音楽活動を再開。2010年からライフハック系ブログ『ZONOSTYLE』を主宰。2016年に結成したブルーアイドソウル系バンド「蒼いライオン」でボーカル、ギター、作曲を担当。2018年からライフハック系有料ブログ『CHANGES』に執筆陣として参加。
2019年2月に『グッドバイブス ご機嫌な仕事』(インプレス)を刊行。現在、グッドバイブス・エバンジェリストとして、企業や学校、働く個人に「仕事から完全無欠のしあわせを得る方法」を伝導中。
著書に『iPhone×iPadクリエイティブ仕事術』『Nozbeクリエイティブ仕事術』『Kindleクリエイティブ読書術』(インプレス)などがある。

近著

2019年3月21日に開催された『グッドバイブス ご機嫌な仕事』出版記念セミナーのダイジェスト映像です。

「できるシリーズ」の著書

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