実際の街角の映像にナビを表示

一部のスマートフォンの「Googleマップ」の徒歩ナビゲーション機能に、新機能「ARナビ」が加わっています。AR(拡張現実)とは現実世界の映像にCGやさまざまな情報を重ね合わる技術を指しますが、ARナビでは、スマホのカメラで映した街角の映像に、ルートの案内を表示します。

それでは「スマホ歩き」になってしまうのでは? と心配するかもしれませんが、画面を見ながら歩く危険な状況にならないような工夫もされています。ここではAndroid版(Pixel 3a)を例に、特徴と使い方を解説します。

2019年8月時点でARナビが使えるのは、AR用の開発環境「ARCore」に対応したAndroid、iPhoneとされています。AndroidではPixelシリーズのほか各社のハイエンド端末、iPhoneはiPhone 6s/6s Plus以降がARCoreに対応しています。

ARナビを開始する

1行き先を検索する

ナビを利用したい行先(ここでは池袋駅)を検索し、[経路]をタップします。

2徒歩を選択し、ARナビを開始する

経路検索の結果が表示されたら、徒歩のアイコンをタップします。ARナビに対応した環境では画面下に[ARを開始]が表示されるので、これをタップします。

ARナビを利用して移動する

1進行方向を確認する

ARナビが起動しました(初回の使用時には説明のメッセージが表示されます)。スマホのカメラを進行方向に向けると[次のステップ]などの情報が表示されるので、その情報と下部に表示される地図を参考に歩きます。

分かれ道では、このように進行方向の矢印が表示されます。

2進行方向に歩く

スマホのカメラを進行方向に向けたまま歩くと、警告が表示されます。歩くときはスマホではなく前方を見て歩きましょう。

カメラを進行方向に向けるのではなく、水平に手で持つと、このように通常のナビが表示されます。

3曲がり角で再度進行方向を確認する

曲がり角ではバイブレーションで通知され、方向の確認が促されます。スマホのカメラを前方に向けると、このように矢印が表示されて進行方向を確認できます。

正式実装が待ち遠しい強力なナビ機能

ARナビは、実際に見えている風景そのものにナビを重ねることでわかりやすく、同時に危険な歩きスマホ状態にならない工夫も施された、非常に優秀なナビ機能です。常に画面を見ながら出なくてもスマホを片手に持ちながら、曲がり角で進行方向を確かめながら進めば、よほどの方向音痴でも迷うことはないでしょう。

ただし、位置情報を高い精度で取得できないと利用できないようで、屋内や地下街ではうまく動作しません。駅や地下街の出口から目的地までのナビと考えて利用するといいでしょう。

現在はまだ画面に「ALPHA」と表示されているようにテスト版という位置づけですが、正式な実装で多くの環境で利用できるようになることが待ち遠しい機能です。