行動を変えれば、気持ちも変わる

ブロガーやライターをやりながら、ここのところはカバンのデザインをやったり、アドバイザーをやったり、つい最近はマンガのプロデュースをやったりと、ありがたいことに年々いろんな仕事に恵まれているいしたにです。

できるシリーズは、なんだかんだでいちばん長く書き手としてお付き合いいただいています。ありがとうございます。

今回「できる」に関連したコラムを、という話をいただいて最初に思い浮かんだのが、「人が変わる瞬間」のことでした。

仕事でさまざまな人と関わったり、ネットで気になる人の動向をウォッチしたりする醍醐味というのは、人が変わる――自信をつけて前向きになったり、価値観が変わって発言内容が変わったりする瞬間を見ることです。

人が変わるときって、行動が変わったときなんですよね。何か新しいことを始めたり、何かの習慣を見直したりして行動が変わると気持ちが変わって、気持ちも変わることで変化にさらにドライブがかかっていく感じです。反対に言えば、行動を変えないと人はなかなか変われません。

自分の話でいうと、私は昔から休みの日にもうっかり仕事をしてしまうという悩みがありました。これでは休みにならないし、家族と過ごす時間も減ってしまう。

そこで、あるときから自宅とは別の場所に仕事場を持つようにしたところ、うっかり自宅で仕事をすることがなくなりました。そのかわり、必要に迫られても自宅ではまったく仕事ができません(笑)。

仕事場の様子。L字型のデスクで、座る向きによりアナログ作業とデジタル作業を切り替えます。

実は「できるシリーズ」が提案していることこそ、行動を変えることそのものです。新しいアプリやデバイスを使えるようになることで、人の行動は変わります。

自分で自分の行動を変えることは、それほど簡単なことではありません。本1冊がそのきっかけになれば、実に有意義なことです。そして、何かが変わると、思わぬことが起こります。

やってみたら、意外とうまくいく

世間を見ていると、たくさんの成功事例の中に「やってみたらうまくいってしまった」というものがあまりにも多く、やはり「とにかくやってみる」ということ以上のことはなかなかないものだなあと、日々ウォッチをしながら思っています。

やってみなければ、何も変わりません。しかし、やってみると、本人も周りも想像していなかった地点に到達してしまうことが、しばしばあります。

これも自分の話ですが、ふとしたきっかけからカバンをデザインして2個目の製品が全米デビューし、グッドデザイン賞をいただくこともできました。このようなことは、始める前には想像もしていませんでした。まさに「とにかくやってみた」ことの結果です。

自分が今書いている本が、誰かの行動を変えるきっかけになれば、それ以上のことなんてないと思いながら、いつも原稿に向かっています。これからも、そんな執筆活動を続けていきたいですね。

デザインしたカバン「ひらくPCバッグ」(手前)と「ひらくPCリュック」(奥)。「スーパーコンシューマー」のサイトで開発ストーリーと製品を紹介しています。
スーパーコンシューマー


いしたにまさき
ブロガー・ライター・アドバイザー。2002年メディア芸術祭特別賞、第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。著書も多数。2011年アルファブロガー・アワード受賞。ひらくPCバッグで2016年グッドデザイン賞受賞。
Twitter:@masakiishitani
ブログ:シン・みたいもん

主な「できるシリーズ」の著書