【在宅勤務のExcelルール】伝える手間を怠るとストレスに！数字の確認依頼には〇〇機能を使おう

多くの人々がテレワークに取り組んでいる現在、複数人で共有しているExcelファイルについて、適切なコミュニケーションができていますか？お互いにストレスが溜まらないようにするには、1回のやりとりで済むように、ある機能を使って工夫しましょう。

「どのデータの話？」とならないように

こんにちは、Excel講師の榊裕次郎です。

新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い、2020年3月下旬ごろから、企業で働く多くの人が在宅勤務（自宅でのテレワーク/リモートワーク）へと移行せざるを得なくなりました。

本記事を執筆している時点では、まさに「緊急事態宣言」の真っ最中。自宅のパソコンを駆使して、メールやビジネスチャット、オンラインミーティング（ビデオ会議）で、社内外のパートナーとコミュニケーションをとっていることと思います。

ただ、突然余儀なくなされたテレワークにおいて、Excel講師として1つ、大きな心配事があります。ほかの人と共有しているExcelファイルについて、次のようなやりとりをしていませんか？

「このファイルの数字、おかしくないですか？確認お願いします！」

これでは、どのワークシートの、どのデータが、どうおかしいのかが、まったく分かりません。確認を丸投げしているのと同じ状態です。

口頭であれば、相手としてもすぐに聞き返せるので、大したストレスにはならないでしょう。しかし、お互いにテレワークで、メールやチャットでこういった依頼をされると、受け取った相手としてはいい気分がしません。不明点を確認するために、またメールやチャットのやりとりを重ねる羽目になるからです。

長期化が懸念される新型コロナウイルスによって、誰もが仕事以外のストレスにさらされています。普段通りのつもりのコミュニケーションであっても、場合によっては、相手を著しく不快にさせてしまうおそれがあります。テレワークにおける確認の依頼は、相手にどこを見てほしいかを明確にするなどして、1回のコミュニケーションで終わるように意識しなければなりません。

そこで使いたいのが、Excelの「コメント」機能です。普段は［校閲］タブを使う人すらいないかもしれませんが、このご時世、特に在宅勤務ではとても重宝します。以下の操作手順を参考に、ぜひ有効活用してください。

Excelのコメントで確認の依頼をする

1セルを選択する

確認を依頼したいセルをクリックし、アクティブセルにします。

2コメントを挿入する

［校閲］タブをクリックし、［新しいコメント］をクリックします。

3コメントの内容を入力する

アクティブセルの右上にコメントを入力する画面が表示されるので、確認を依頼したい内容を入力します。入力後は、紙飛行機のアイコンの［送信］をクリックしてください。

4コメントを記録する

コメントが記録されました。

5コメントを確認する

コメントを確認する側は、上記のようにExcelの画面左上にある［コメント］（または［校閲］タブの［コメントの表示］）をクリックすることで、入力されたコメントを簡単に探せます。コメントのセル番地も確認できるので、確認作業がスムーズになります。

ExcelのコメントはGmailのような「スレッド」形式になっており、対応が終わったらコメントに対して返信することもできます。ただ、コメントは1回のみの利用で、終わったら削除するというルールを設けておくといいでしょう。理由は、コメントの返信合戦になってしまい、コミュニケーションがこのファイル内で閉じてしまうのを防ぐためです。

なお、Excelのコメントは2019年のアップデートによってスレッド形式になりましたが、従来のコメントは「メモ」という名称の機能として残っています。見やすさはスレッド形式のコメントに軍配が上がりますが、確認後に削除するというルールのうえでは、メモ機能でも十分に使えます。