自宅に「持ち運べるディスプレイ」を

2020年の春先に感染拡大が認められ、社会生活のあり方すら変えてしまった新型コロナウイルス。特に首都圏や大都市では、密を避けるためにも出社人数を3割程度に抑えるよう国が企業に要請したため、残りの7割が自宅でのテレワーク(リモートワーク/在宅勤務)を余儀なくされました。

2021年現在でもコロナ禍は収束せず、一時的かと思われたテレワークを継続する企業も多くあります。中には、働き方そのものを原則テレワークにすると、制度を変更する企業も出てきています。

そうなると気になるのが、自宅におけるテレワークの環境作りです。オフィスでは当たり前だった快適なデスクと椅子のほか、作業効率を上げる複数のディスプレイが懐かしく感じられる人もいるかもしれません。

そこでぜひ取り入れてほしいのが、近年話題の「モバイルディスプレイ」です。デスクや椅子は、自宅内のスペースの都合で導入しづらいこともあるかもしれませんが、モバイルディスプレイならスペースに関係なく、自宅でのテレワークに取り入れることが可能です。

ここでは、モバイルディスプレイがどのようなものなのか、テレワークでの活用を前提に解説します。

UNIQ モバイル液晶モニター プロメテウスモニター 13.3インチ FHD タッチパネルモデル UQ-PM13FHD

Amazonで購入できるモバイルディスプレイの中でイチ押しなのが、UNIQというメーカーの「プロメテウスモニター」。上記は13.3型の製品で、タッチ操作にも対応しています。本記事公開時点での価格は34,800円です。(写真をクリックするとAmazonにジャンプします)

PCはもちろんスマホやゲーム機でも使える

モバイルディスプレイとは、その名のとおり、持ち歩くことを視野に入れた外付けディスプレイ(モニター)です。見た目はAndroidやWindowsのタブレットに似ていますが、OSが組み込まれていないため、単体で動作することはありません。電源を入れても「入力信号がありません」と表示され、スリープ状態になってしまいます。

通常の外付けディスプレイとの最大の違いは、その可搬性の高さにあります。

据え置き型の外付けディスプレイは、しっかりとした脚またはディスプレイアームで固定するため、簡単には移動できません。また、ほとんどの場合、AC電源を必要とするので、利用場所がコンセントプラグの近くに限定されてしまいます。

その点、モバイルディスプレイであれば、消費電力が少ない(18Wや20W程度)ため、PCまたはモバイルバッテリーからの給電でOK。従来のHDMI接続のほか、最近では映像出力のできるAlternate Mode(オルタネートモード)対応USB Type-C搭載のノートPC向けに、USB Type-Cケーブルで接続可能なものも数多く発売されています。

USB Type-Cで接続可能な機種では、映像データだけでなく電源の供給やUSBでのデータ通信もできるため、ケーブル1本で準備が完了します。片付けも簡単なので、自宅内に固定の作業スペースを持たない在宅ワーカーにとっては、特に使い勝手がいいでしょう。

テレワークにおすすめ! モバイルディスプレイで自宅に快適な作業環境を作ろう

一般的な据え置き型の外付けディスプレイにある入力ポート部分です。左から、HDMI、DVI、D-Sub 15ピンの端子が並んでいます。

テレワークにおすすめ! モバイルディスプレイで自宅に快適な作業環境を作ろう

こちらはモバイルディスプレイのポート部分の例です。左から給電用のUSB Type-C、データ通信用のUSB Type-C、HDMIとなっています。

また、モバイルディスプレイはUSB Type-Cケーブルで接続できるため、PCモードを備えているスマートフォンや、Nintendo Switchなどのゲーム機のディスプレイとしても利用可能です。メイン作業がテキスト入力の場合、軽量の外付けキーボードと一緒に使えばノートPC要らず。使い勝手のいいスマートフォンの画像編集アプリを大画面で使いたいといった場合にも有効でしょう。

テレワークにおすすめ! モバイルディスプレイで自宅に快適な作業環境を作ろう

スマートフォンと接続した例。PCモードの画面がモバイルディスプレイに表示されています。

テレワークにおすすめ! モバイルディスプレイで自宅に快適な作業環境を作ろう

Nintendo Switchと接続した例。携帯モードでも、Switch本体より大きな画面でゲームを楽しめます。

15インチで1キロ以下と取り回しも便利

モバイルディスプレイは持ち歩くことを前提にしているため、重量も抑えられています。1kg未満の製品も多く、15.6インチのサイズで、本体のみが600g台という製品もあります。とはいえ、携帯に必要なケースや利用時に必須なスタンドを含めると、やはり1kg近くになってしまうのですが。

テレワークにおすすめ! モバイルディスプレイで自宅に快適な作業環境を作ろう

手持ちの15.6インチのモバイルディスプレイの重さを測ってみたところ、620gでした。

モバイルディスプレイとひとくちに言っても、サイズや解像度、機能はさまざまです。

サイズでは、TwitterやSlackなどを立ち上げておくのにちょうどいい10インチ程度のものから、17インチ超のものまでありますし、解像度はXGA (1024×768)から4K(3840×2160)までと多種多様。さらに、光沢/非光沢、タッチ対応/非対応、画面回転可/不可、スピーカー搭載/非搭載といった特徴や、目に優しいフリッカーフリーやブルーライトカットの機能を搭載したものまであります。

もちろん、機能が豊富になればなるほど価格も上がる傾向にあるので、自分の使い方にあった製品を選ぶことが大切です。次回の記事では、モバイルディスプレイの機種選びのポイントについて解説します。