【Excel講師の仕事術】自己流のエクセル、卒業しませんか? この連載では、エクセルを操作するときの「ルール」を決めることで、ミスを減らして業務を効率化していく仕事術を解説します。
表に入った画像はセルと連動させる
フィルターを適用してもほかのデータと一緒に扱える
きれいに配置してもフィルターをかけると崩れる
Excelの表には数値や文字列だけではなく、画像や写真を挿入することもあるでしょう。例えば、製品のパッケージやサービスの画像、建設現場の写真などです。
しかし、セルに挿入された画像は、フィルターを適用したときに思うようにソートされないことがあります。画像はつい「きれいに揃っているか」ばかりに気が向いてしまいがちですが、ほかの設定にも注意を払おう、というのが今回のルールです。
以下の例では、セルのサイズにあわせて画像がきれいに配置してあり、このままでも問題なさそうに見えます。
画像を挿入した表
しかし、この表の「ID」列にフィルターを適用して「2」だけの表示に絞り込むと、「1」の画像が消えず「2」の画像の上に重なってしまいました。これでは意図通りとはいえません。
画像を挿入した表にフィルターを適用
これは表に画像を挿入しただけで、[図の書式設定]作業ウィンドウで適切な設定をしていないためです。フィルターによるセルの動作と画像を連動させるには、以下のように設定します。
画像の選択
[図の書式設定]作業ウィンドウの表示
[図の書式設定]作業ウィンドウ
今回の例には画像が2つあり、まず、それらをすべて選択する必要があります。複数画像の選択には[Ctrl]または[Shift]キーを押しながらクリック、と覚えている人も多いと思いますが、[画像の選択]の操作なら何十枚もあっても対応可能です。
その後に[図の書式設定]作業ウィンドウを表示し、[セルに合わせて移動やサイズ変更をする]を選択すれば、セルの動作に画像が連動し、フィルターも意図通りになります。
画像の書式設定後にフィルターを適用
画像入りの表では、所定の操作を知らないと思い通りに作成できず、イライラしてしまいます。[図の書式設定]作業ウィンドウには、ほかにも見落としがちな設定が用意されているので、画像を挿入したときには毎回確認しておくといいでしょう。
整列させて余白を設けるとよりきれいに
最後に、画像の見た目について、筆者のこだわりを2つ紹介しましょう。1つは画像の配置で、画像を挿入して目分量で移動しただけだと、それぞれの位置が微妙にずれていると思います。上図の[画像の配置]のように[ページレイアウト]タブの[配置]機能を使うと、不揃いの画像の位置をピッタリ揃えられます。
もう1つは画像の余白です。画像は[Alt]キーを押しながらドラッグすると、セルの境界に吸着するように配置できるというテクニックがあります。しかし、吸着するとセルの境界と重なり、罫線が見えなくなる問題があります。下図の[セル内の余白]のように画像よりもセルのサイズを大きくし、手動で境界から離して余白を設けておくと、印刷したときに見た目がきれいになります。
画像の配置
セル内の余白
- 画像は[図の書式設定]でセルと連動させる
- 配置や余白にも気を使い、見た目を整える