OpenAIが推奨する質問方法を参考にしよう
ChatGPTに質問したところ「期待していた回答ではない」と思ったことはありませんか?質問の仕方を変えることで、求めていた回答を得られやすくなります。
この記事では、ChatGPTの開発元であるOpenAIが推奨する質問方法「GPT best practice」(GPTベストプラクティス)に基づき、期待通りの回答を得るために重要な質問のテクニックを「10選」としてまとめて紹介します。
1.明確な指示を含めて質問する
求めた回答の精度を高めるには、プロンプトに詳細情報(いつ・どこで・誰が・何を・どれくらい、など)を含めるようにしましょう。あいまいな質問でもChatGPTは回答してくれますが、質問内容を勝手に推測して間違った結果を出してしまうことがあります。
例えば、メキシコの大統領が誰かを答えてほしい場合、単に「メキシコの大統領は誰ですか?」と質問するのではなく、プロンプトに詳細情報(2021年、メキシコ、大統領は誰、選挙はどれくらいの頻度)など、メキシコの大統領に関する何が知りたいのかを質問内容に含めることで、より精度の高い回答を得られます。
2.ChatGPTに明確な役割を与える
質問する際、ChatGPTに特定の役割(キャラクターや立場)を与えることで、より一貫性のある回答を得ることができます。
例えば、記事の原稿を書いてもらう場合、「あなたは一流のライターです。」と明確な役割を与えることで、より精度の高い回答が得られるようになります。
3.区切り文字を使用する
複雑な指示を出す場合、区切り文字(カンマ、タブ、スペース、三重引用符など)を使って指示部分を囲うことで、ChatGPTに対して質問部分を明確に示せます。
例えば、要約してほしい部分を区切り文字の三重引用符などで囲み、質問箇所を明確にします。こうすることで、囲った場所を要約するという意図がChatGPTに伝わりやすくなります。
4.ステップに分けて質問する
質問が複雑な場合は、手順をいくつかに区切って指示することで、より精度の高い回答結果が得られやすくなります。
例えば、要約してから翻訳するというタスクをChatGPTに与える場合、ステップ1で要約、ステップ2で翻訳といったように、作業を段階に分けて指示することでChatGPTに質問の意図を理解してもらいやすくなります。
5.回答例を提供する
あらかじめ回答例を提供してあげることで、ChatGPTの回答精度が上がります。意図しない形式で回答が出力されてしまうことを防ぐのに役立ちます。
例えば、「嬉しい → ポジティブ」「悲しい → ネガティブ」と回答方法を例示したことで、回答の法則性をChatGPTが理解し、「寂しい」に対しては「ネガティブ」であるという回答を引き出せました。
6.回答結果の長さを指定する
ChatGPTに回答させる際の文量(文字数)を指定することもできます。また、回答の長さは単語、文、段落、箇条書きの指示が可能です。特に、段落数や箇条書きの数を指定することで、長文で指示したときの可読性が向上します。
例えば、「50字で要約してください」と指示するとで、期待した文量での回答が得られるようになります。要約の場合、文量が多ければ良いということではないため、元の文章の10〜20%の文字数を指定するのが大切です。
7.参考文献を情報として与える
ChatGPTはときどき、誤った情報を出力します。それを回避する方法の1つが、参考文献を提供することです。こちらからChatGPTに読み取ってほしい文献を提供することで、文献内から情報を得ることが可能です
参考文献を提示して、その中から回答を出力するように指示している例です。参考文献の中に情報がない場合は、「答えが見つかりませんでした。」とだけ出力するように指示しています。こうすることで、誤った情報の出力を防げます。
8.複雑な質問がある場合は、単純な質問に分割する
ChatGPTに複雑な質問で指示すると、回答の精度が低くなることがあります。そのような場合には、質問項目を分割してひとつずつ解決するようにしましょう。
この例では、メールの書き方についてChatGPTに質問しています。その際に「1.口調や文体」「2.タイミング」「3.Cc、Bcc」「4.セキュリティ」と質問内容を分割することで、期待する回答を得やすくなります。
9.ChatGPTに考える時間を与える
ときには、ChatGPTに考えるための時間を与えることが大切です。例えば、生徒が数学の問題を解いた答えが正しいかどうかを判断するとき、ChatGPTに生徒の答えが正しいかを尋ねるだけではなく、まず自分で解答を作成するように指示すると、良い結果を得やすいです。
「ChatGPT自身が問題を解くまで生徒の解答が正しいか判断しないで」と指示することで、ChatGPT自身に考える時間を与えています。このように考える時間を与えることで、正しい判断ができる確率が高まります。
10.GPT-4モデルを使用する
有料版(ChatGPT Plus)で使えるGPT-4を使うことで、期待する回答が得られる確率が高まります。例えば、プログラムを書いてもらう場合など、GPT-3.5の出力結果ではエラーが出るのに対して、GPT-4の出力結果では、正しい回答を1回の質問で得られることが多いといえます。
GPT-4の選択画面。有料(月額20ドル)のChatGPT Plus会員になると選択画面が表示される。
以上、ChatGPTから期待通りの回答を得るコツ10選を紹介しました。
これらはすべて、ChatGPTの開発元であるOpenAIが推奨する実践的な質問方法です。ポイントは人に説明や質問をするのと同じように、ChatGPTにも聞いてみることです。この記事で挙げたテクニックを参考にし、ChatGPTを業務にも活用していきましょう。