「できる」シリーズ30周年、おめでとうございます! 私が長く続けていること、それは、「データ周りのテーマでアウトプットすること」です。

私が最初に執筆した「できる」シリーズの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス Web解析の現場で使える実践ワザ240』が世に出たのが2015年3月。そこから、最新刊『できる逆引き Googleアナリティクス4 成果を生み出す分析・改善ワザ 192』が刊行された2023年4月までの8年間で、共著も含めると合計6冊の本を出しました。

それにとどまらず、おおよそここ10年で、「Web担当者フォーラム」やほかのWebメディアへの寄稿を30記事程度、自分が勤務する株式会社プリンシプルのブログを50記事程度、自分の個人ブログを40記事程度と、書籍以外のメディアでもアウトプットしてきました。

また、Udemyの動画講座の提供を2018年に開始し、これまでに11の講座をリリースしています。

テーマは全部、GA4や、BigQuery、SQL、Tableauなど、データ周りのツールの活用ですから、「データ周りのテーマで長くアウトプットしてきた」とは言えると思います。少し誇らしい気持ちにもなりがちですが、実は「長く続ける」こと自体に価値があるわけではないな、とも思っています。

「長く続けること」の本当の価値は、次の3つではないかと思います。

信頼してもらえること

あることを長くやっていると、周りの人から信頼してもらえます。もちろん、「その分野に詳しいんだろうな」という信頼もありますが、それにも増して、「この人はあきらめずにコツコツやるんだろうな」「お客さんや読者を裏切らないんだろうな」という信頼が生まれます。これはとても大きいです。

理解が深いこと

最近Google アナリティクスを触り始めた人でも、例えば「セグメント」の機能について勉強して知識を身につけることができます。一方、長くGoogle アナリティクスを使っている人は、初めてセグメント機能が実装されたときの驚きや感動をリアルタイムで体感しています。長く続けているからこそ得られる、そうした心が動く体験は、その分野への深い理解をもたらしてくれます。

未来を見通しやすいこと

未来は、なにもないところから降ってくるものではなく、一定程度、過去からの延長線上にあります。すると、長く続けてきた人は、未来を見通しやすいです。例えば、「今後のWeb解析はどうなっていくのだろうか?」や、「WebマーケターがSQLを学ぶ重要度は今後、高まるだろうか?」といった正解のない未来について、より確かな見通しを持つことができます。

今後もアウトプットは続けていきたいと思い、この原稿を書いている今も、7月19日発売予定の書籍『BigQueryではじめるSQLデータ分析 GA4 & Search Console & Googleフォーム対応』の紙面を絶賛チェック中です。


木田 和廣(きだ かずひろ)
株式会社プリンシプル 取締役副社長

早稲田大学政治経済学部卒業。商社の海外駐在員などを経て、2004年にWeb解析業界でのキャリアをスタート。2009年からGoogleアナリティクスに基づくWebコンサルティングに従事し、2015年にはGoogleアナリティクス公式コミュニティで日本初の「トップコントリビューター」に認定される。同年にGoogleアナリティクス解説書のベストセラー『できる逆引き Googleアナリティクス Web解析の現場で使える実践ワザ 240』を上梓。BIツールのTableau、データベース言語のSQLにも習熟し、2016年に『できる100の新法則 Tableau ビジュアルWeb分析』、2021年に『集中演習 SQL入門 Google BigQueryではじめるビジネスデータ分析』、2023年に『できる逆引き Googleアナリティクス4 成果を生み出す分析・改善ワザ 192』を発刊。 アナリティクスアソシエーション(a2i)や個別企業でのセミナー登壇、トレーニング講師実績も多数。統計検定2級保有。

「できる」シリーズの著書

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