これまで長く続けていることといえば夕方の散歩、入浴前のラジオ体操、就寝前のウクレレなどいくつかある。あと、7年くらい前から乗り始めた週末のロードバイクもそうだ。
実は、5年前の「できるシリーズ25周年リレーコラム」に寄稿させていただいたとき、ママチャリでの遠乗りをきっかけにロードバイクにハマり、以来自転車三昧の生活を送るようになった、と書いた。幸いにも、その健康習慣は現在でも続いていて、昨年の秋にはしまなみ海道の全走破も達成した。
サイクリストの聖地と呼ばれるしまなみ海道。今治から北上し、尾道まで約80kmを走り切った。写真の背景は伯方・大島大橋。
ただ、最近になって、その傾向に少々翳りが生じてきた。5年前当時は、ママチャリに代わってロードバイクの利用比率がどんどん増していくものと思っていたのだが、実際にはそうならなかったのだ。なぜかというと......続けていきたい「別の」ことが出現したからだ。それは、テニスと卓球である。3年ほど前、たまたま出会った学生時代の旧友であるT男に、ふと思いついて「卓球やらない?」と誘ってみた。彼が元卓球部だったことを知っていたからだ。
はじめは「いまさら卓球かぁ」という返事だったのだが、「それじゃ卓球もやるけど、テニスもやらない?」と、逆にテニスを誘ってきた。T男は十数年にわたり、インターネット上で仲間を探すマッチングサービスを使ってテニスをやっていたのだが、次第に非活動的になってしまったため、再開したいと思っていたらしい。こうして双方の思惑が一致した結果、テニスと卓球を両方ともやろうということになった。
最初は卓球には渋々の反応だったT男だが、いざ始めてみると元卓球部の血が騒ぐのか一気にのめり込み、今では逆提案してくれたテニスよりも卓球のほうに熱が入っているくらいの勢いである。私も卓球にはある程度経験があったのだが、やはり元卓球部の腕前にはまるで歯が立たない。
かくして彼は、毎回(ほぼ毎週末!←これが週末ロードバイクの減少につながった理由のひとつ)の練習時に、正しい立ち位置、正しい姿勢、正しいフットワーク、正しいスイングで、と熱血指導してくれる私専属の「正しいこと推しコーチ」となった。
テニスについても、T男は長年の経験者である一方、私はズブの素人なので、こちらも卓球と同様、「正しいこと推しコーチ」としていろいろ教えてもらっている。それにしても、この年になって硬式テニスを始めることになるとは思ってもみなかった。当初は本当にプレーできるのか不安もあったが、やさしくクレバーな指導のおかげで今でも楽しく続けることができている。持つべきは友、本当に感謝、感謝である。
いま使っているテニスラケット。マイナーなメーカー製でちょっと扱いづらい面もあるが、打球感がすばらしい。
というわけで、今後も続けていきたいことには、冒頭に掲げたアクティビティのほかに、テニスと卓球もしっかりと加えることにしたい。いくらなんでも欲張り過ぎでは、と言われそうだが、どれについてもそこまでガツガツする気はない。あくまでも健康を第一に、件のコーチともどものんびりと無理せずやっていければ、と思っているところだ(たぶんボケ防止にも役立つに違いない)。
末筆ながら、「できる」シリーズ30周年、本当におめでとうございます。こんなにも長い間にわたって多くの読者さんに支持されている「超名門」シリーズに、初期の頃からずっと関わらせていただけていること、本当にありがたく、また心から誇りに思います。今後もよりいっそうのご発展がありますように。
吉川明広(よしかわ あきひろ)
岐阜出身のフリーエディター。IT分野を対象に書籍や雑誌の執筆・編集を手がけている。どんな難解な技術も中学3年生が理解できる言葉で表現することが目標。元国土交通省航空保安大学校講師。元お茶の水女子大学講師。