トラブルが及ぼす影響を予想しよう
サポートの終了したWindows XP、Office 2003、IE6を使い続けることのリスクを考えるとき、その被害が自分自身に直接及ぶだけでなく、間接的に周囲にも広く及ぶ可能性があることを知っておく必要があります。
ここでは一例として、自宅でパソコンをSNSやメール、ネットバンクやオンラインショッピングに利用し、ときどき仕事に使うこともある人(ここでは「Aさん」とします)が、サポートが終了したWindows XPを使い続け、マルウェアの被害に遭った場合を考えてみましょう。
被害は自分の想像を超えて広がる
Aさんに降りかかる被害をレッスン2で解説した4種類の観点で分類してみると、パソコンに保存していた情報の漏えいや、SNSのアカウント情報を悪用された情報改ざんなど、さまざまな被害が想定できます。
このような状況で、Aさんが取るべき対処はどのようなものが考えられるのでしょうか? 被害に遭ってしまったことは不幸ですが、起こってしまった事態の責任は取らなければなりません。そのとき、どのような対処が必要になり、その結果、本人や周囲に、どのような影響があるのかを考えてみましょう。
予想される被害と、そのときに取るべき対処、およびその影響について、下記の図にまとめています。おそらくほとんどの人が考えているよりも、広い範囲に、うんざりするほど面倒な対応をしなければならないことに驚くでしょう。
●Aさんが遭った被害と対処、およびその影響
「使い続ける」ことの影響はあまりにも大きい
このように、実際の被害とその対処を考えてみると、友達や会社、家族など、広い範囲に影響が及ぶ可能性があることがわかります。仮に、社会的に大きな影響を与える事件のきっかけにでもなれば、そのダメージは計り知れません。
特に近年では、情報漏えい事件が、いわゆる「ネット炎上」のターゲットになるケースが少なからず見られます。「サポートの終了したWindows XPのパソコンを使っている」。たった、それだけのことで、最悪の場合には、社会的に大きな事件となり、それを煽る第三者の登場によって、家族まで巻き込んだ理不尽なペナルティを受けることにもなりかねないのです。
[ヒント]パソコンが高機能化、多用途化するほど、なにかがあったときの被害は大きくなる
友達とのコミュニケーションやオンラインショッピング、仕事に関連した作業全般など、今や私たちにパソコンは欠かすことができません。このように、パソコンが多機能化、多用途化した現在では、マルウェアの被害によるダメージは、より広範囲に及ぶだけでなく、より深刻、かつインパクトの大きなものになる可能性があることを知っておきましょう。
[ヒント]自分は最新のパソコンでも、周囲にWindows XPユーザーがいたら危ない
「すでに最新のパソコンに買い換えたので、自分は関係ない」。そう考えるのは、少し見通しが甘いかもしれません。友達や親類、勤務先などにWindows XPパソコンがある場合、そのパソコンが被害に遭うことで、自分の連絡先が漏えいしたり、マルウェアが次に狙うターゲットとなって、迷惑メールなどで普段の利用に支障が出る可能性があります。周りにWindows XPを使っている人がいたら、間接的な被害から自分を守るためにも、注意を促してあげるといいでしょう。