ネット利用が可能なホテルを予約しよう

 海外でインターネットを利用するにはさまざまな問題があり、残念ながら日本国内と同じレベルは期待できないという現実があります。しかし筆者が利用するワザとして、ほぼ確実に現地でのインターネット接続を可能にする方法があります。それはホテルのLAN接続サービスを利用することです。

 筆者の場合、海外のホテルを予約する段階から、ホテルの部屋でインターネットができることをなるべく条件に入れておくようにしています。日本にいるうちにホテルのサイトをチェックし、部屋にLANの設備があることを確認したうえで、予約しておくのです。有線か無線かは特に問いません。いずれにしても、高速かつ安定したブロードバンド接続が楽しめます。

 もちろん、常にそのようなホテルを予約できるとは限りません。しかし、海外出張中にインターネットを使った連絡や作業が確実に必要だと思われる仕事であれば、接続環境の有無をホテル選びの時点から考慮しておくことが重要です。

モデム利用では電話回線プラグに注意が必要

 ホテルを利用する以外の手段としては、モデムまたは携帯電話を使って接続する方法があります。どちらも実現するにはハードルが高いのですが、知っておいてほしいポイントを説明します。

 海外でモバイル通信をしたいと思っても、通信インフラがそれほど発達していない地域が多く存在します。それでもインターネットに接続したい場合、日本ではもう出番が少なくなったモデムが、逆に必需品になってきます。

 ただ、電源と同様に、モデムを接続する電話回線も、プラグの形状が国や地方によって異なります。ひとつの国内でも統一されていない国さえあるほどです。

 そのようなときに必要な小道具に、日本のプラグを海外のさまざまな形状の電話用コンセントに変換するアダプターがあります。モデムカードやUSB接続のモデムと一緒に用意しておきましょう。

 とはいえ、以上で万全というわけではなく、ほかにもさまざまな小道具が必要になります。海外でモバイル通信するときの小道具やノウハウ本が手に入る通販サイトを利用するなどして、事前によく調べて準備することが重要です。

▼ロードウォーリア・スタイル
http://www.rwstyle.jp/

0.デバイスネット「テレコネクターユーロEX 8in1」

欧州8ヵ国の電話回線に対応した変換アダプター。実勢価格5,500円前後

携帯電話のローミングでは料金がネックに

 モデム以外では携帯電話を利用する方法がありますが、携帯電話で接続するにしても、海外と日本国内とでは事情が異なります。

 日本で普及しているW-CDMA方式は、現在世界でも普及がかなり進んできており、日本の携帯電話をそのまま持ち出して通話やデータ通信ができる場所も、先進国を中心に増えてきています。しかし、日本で契約した割引料金プランは、海外での使用では適用されないので注意が必要です。

 日本で使用している携帯電話を海外で使うには、日本と現地の事業者間の提携によって現地での通話・通信が可能になる「ローミング」というサービスを利用します。しかし、料金については日本とは別のプランが適用され、かなり高額になる可能性があります。また、日本の事業者と提携している事業者がいない国では、そもそも通話・通信ができない場合もあります。自分が契約している事業者のサイトなどで、よく確認する必要があるでしょう。

[ヒント]ホテル利用でも油断はできない

ネットが利用できるホテルに空室が見つかっても、すぐに安心はできません。実際は大会議室などでしか利用できないケースもあるので、「自室で」利用できるのかしっかり確認する必要があります。また、接続できなかったとしても、現地でサポートを望むのは難しいのが現実です。自力でトラブルを解決できないと、海外モバイルは成功できません。

[ヒント]海外で携帯電話を賢く使う方法

携帯電話の海外での料金を安く上げるには、現地の通信事業者の「SIMカード」を購入して利用する手もあります。SIMカードとは、電話番号などの固有のIDが記録されたIC チップを実装したカードのことで、日本の3G携帯電話でも採用されています。とはいえ、日本の携帯電話に海外のSIMカードを差し込んでも動作しないので、現地でSIMカードを購入し、さらに海外専用の携帯電話を日本でレンタルすることになります。手続きの煩雑さから敬遠されがちですが、費用の面で大きなメリットがある方法です。海外の携帯電話事情は知れば知るほど便利かつ安価にできるので、以下のような情報源で研究するとよいでしょう。

▼海外携帯電話レンタル比較ナビ
http://www.mobistar.jp/