唐突ですが質問です!

こんにちは。松本淳(まつもと あつし)と申します。いきなりですが、皆さんに質問です。

「Twitterやってますか?」

この記事をお読みの方の多くは、Twitterをすでに利用されていると思います。最近はテレビなどで取り上げられる機会も増え、ユーザーも急増中とのこと。周囲から「Twitterって何?」、「Twitterを始めたんだけど」といった話を聞く機会も多いかと思います。さて「Twitterをやっている」という方へ、2つめの質問です。

「フォロワーは何人ですか?」

「フォロワー」とは、自分の「フォローしている」数ではなく「フォローされている」数です。詳しくは後述しますが、Twitterをどれくらい楽しめるかは、このフォロワーの数に左右される要素が大きいと考えられます。


私(@a_matsumoto)のホーム画面です。フォロー数(フォローしている)、フォロワー数(フォローされている)などはページの右側に表示されています

あなたのフォロワーは、10人? 100人? どのくらいでしょうか? TwitterのエンジニアであるEvan Weaver氏が2009年6月に発表した調査によると、ユーザーのフォロワー数の平均は126人だそうです。この数字はあくまで平均値であり、一部の人気ユーザーによって引き上げられているような感もありますが、私がこの原稿を書き上げた11月6日時点のフォロワー数も、ほぼ同じく127人でした。

では、最後の質問です。

「Twitter、"超"楽しいですか?」

Twitterで他のユーザーとのやり取り(返信やリツイート※1など)を経験した方はきっと、そのコミュニケーションが楽しい、あるいは楽しくなる可能性を感じたはずです。でも、Twitterがこれまでにない革新的なサービスだと思えるほど、「超」が付くほどに楽しいやり取りが続いているでしょうか?

私自身、まだ「"超"楽しい」とは言えず、そこまでTwitterを使いこなせていない、もっと楽しくできるのではないか、という感覚をずっと持っています。勝間和代さん(@kazuyo_k)などカリスマ・ツブヤキスト(いま呼び名を考えました)のタイムラインを眺めていると、何かを問いかけるとすぐに反応が集まり、建設的な会話がスピーディーに進行していきます。そんな展開に、いいなあ、楽しそうだなあとうらやましく感じてしまいます。


Twitterは「リアルタイム検索エンジン」になった、けど...

今年の4月、私はジャーナリストの林信行さんにインタビューし
Twitterは『リアルタイム検索エンジン』」という記事を書いています。

林さんはTwitterに早くから着目しており、取材ではその活用方法を熱く語っていただきました。記事中に、こんな一節があります。


林:例えば、福岡でラーメンを食べたいとしましょう。Googleで「福岡 ラーメン」と検索しても、有名なお店やある程度決まりきった情報しか出てこないことが多いですよね。しかし、Twitterで「いま福岡だけど、おいしいラーメン屋さんを知りませんか?」とつぶやけば、「先週行ったあのお店がおすすめですよ」といった反応が返ってくるわけです。

――なるほど! 相手が人間で、しかも知り合いだったり好みが近い人だったりすれば、自分にとって適切な結果を教えてくれる検索エンジンとも言える存在になりうる、ということですね。

林:Twitterにつぶやきを返してくれるのは、その人が知識を持っていたり、そのときに書き込む余裕があったりする人たちです。お互いに助け合うというか、負担の少ない、気持ちのよいコミュニケーションとも言えますね。

このような、自分の投げかけた問いに対して素早く、しかも人の言葉で反応が返ってくる状態を、林さんは「リアルタイム検索エンジン」と呼んでいました。確かに、こういうふうにTwitterを使えたら、ものすごく楽しいでしょうね!

近ごろ、Googleとマイクロソフトの検索エンジン「Bing」がそれぞれTwitterとの提携を発表しました。リアルタイムのツイート(つぶやき)が検索できるという意味では、現在あるTwitterの検索機能を含め、今後そうしたソリューションは増えていくはずです。でも、せっかく人が参加しているサービスなのですから、もっと直接、身近に、嗜好が近い人から反応が得られたら、楽しいと思いませんか?

しかし、残念ながら平均的な126人くらいのフォロワー数では、話題などによって差はあるものの、ここまで活発な反応が返ってくることはあまり期待できません。私も、反応を期待したツイートがまったくの無反応で、そのまま終わってしまうことがままあります。

単純に考えると、自分の問いかけに「知識を持って」いて「そのときに書き込む余裕がある」人が反応してくれる確率は、フォロワーの数に比例して高まります。前述のお二人のフォロワー数を見てみると、2009年11月6日時点で林さんのフォロワーは127,388人、勝間さんは136,684人と、ちょっとした中規模都市レベルです。


TwitterCounterというサービスで、タイムゾーンの設定を東京にしているユーザーのフォロワー数ランキングを見ると、勝間さんは13位、林さんは15位です(2009年11月10日現在)


どうやってフォロワーを増やしたらいい?

有名人ではない私たちに、十万を超えるフォロワーがいきなり集まるなんて、夢のまた夢です。もっとも、「リアルタイム検索エンジン」となるのに十万ものフォローは必要なくて、でも100では寂しいので、一万とか、千といった単位にフォロワーを増やすことを、まず考えたいと思います。ではいったい、どうすればたくさんのフォロワーが集まり、Twitterを「リアルタイム検索エンジン」にできるのでしょう?

先述のインタビューにて、林さんはTwitterを有効に使いこなすコツとして「ギブ&テイクの考え方」が大切だと指摘されました。

自分が有益な情報を提供すれば、他のユーザーから情報をもらえる可能性も高まる、ということです。つぶやくときに、フォロワーの誰かにとって役立つ内容を、ということを心がけると良さそうです。

私も一応そこは気をつけており、今のところ、フォロワーががくんと減ってしまってガッカリする、というようなことにもならず、少しずつ増え続けています。けれども、フォロワーの増加ペースは1日に1、2人という具合で、これでは「フォロワーいっぱい! Twitterはリアルタイム検索エンジン! 超楽しい!」と言える日は遠そうです。

......と、いう悩みを先日、できるネット+編集部で話したところ、「じゃあ、松本さん、いろいろ実際にフォロワーを増やす方法やってみて、その経過を連載しましょうよ(にやり)」という提案をいただいたのです。(にやり)の部分がちょっと気になりましたが、これはやるしかありません。

「2009年末までにフォロワー1000人」をめざせ!

ということで、2009年11月の頭(原稿をアップした11月6日)から年末まで、約2ヶ月の間に、「フォロワーを1000人にする」という目標を立て、本記事の企画がスタートしました。現在のフォロワーの約10倍。何かを問いかけたら、返事がもらえる確率もおそらくは10倍になる見込みです。


2009年4月にインタビューした当時の林さんのフォロワーは約2000人。フォロワー1000人ならば、当時の林さんの半分ぐらいの「リアルタイム検索エンジン」が体験できる見込みになります

まずはここから実践! フォロワーを増やす5つの方法

フリーのプロデューサー、ライターとして活動している私は、Twitterを2007年の5月に始めました。最初は何をつぶやけばいいのかよくわからず、あまり利用していませんでした。

2009年に入ってTwitterが大きな話題になりだした頃からつつぶやく頻度が増えました。そして、ここ2、3ヶ月のブームの影響でフォロワーがじわじわと増えて100人を超えたあたりから、自分のツイートに対して返信をもらえる機会も多くなり、だんだんと楽しくなってきています。

しかし、現在ペースでは、フォロワー1000人を達成するのに2年ぐらいかかってしまいます。そこで、今回はフォロワーを増やすための方法を考え、試し、また諸先輩方のアドバイスをいただきながら進めていきます。

そのの前に、簡単に私のTwitter利用環境を紹介します。PCでは、海外製の無料クライアントソフト※2TweetDeck」を愛用しています。自分のタイムライン、リプライ(返信)、ダイレクトメッセージ、検索結果のタイムラインなどをパネルで一覧表示できるので、一目で情報が把握でき、大変便利でおすすめです。


「TweetDeck」は一度に表示できる情報量の多さが魅力。人気のあるクライアントソフトのひとつです

また出先では、iPhoneアプリの「Echofon(無料版)」を使っています。シンプルなユーザーインターフェースで素早く新規のツイートを確認することができます。


出先では「Echofon」のシンプルさが気に入っています。複数アカウントの切り替えやプッシュ通知機能などを備えた多機能な「Pro」版もあります

さて、今回考えた方法は、次の5つです。

1:おもしろそうなユーザーを探して、積極的にフォローする

「フォロワー1000人」で実現したいのは、ただ数を増やすことではなく、コミュニケーションする相手を増やすことです。その第一歩として、こちらから話をしたいユーザーを探し、フォローしていきます。そして、フォローした相手に興味を持ってもらい、相手からもフォローしてもらうことをめざします。

Twitterで最初に戸惑ったのが、ユーザーどうしのつながり方やコミュニケーションの流儀が、SNSの「mixi」とまったく違う点です。mixiでは、最初にユーザーどうしの対話があり、その後「マイミク」の関係が成立します。ですがTwitterでは、見ず知らずの相手をいきなりフォローすることができ、知らない相手からフォローされることもあります。

知らないユーザーからフォローされたときは「○○があなたをフォローし始めました」という通知を受け、初めてそのユーザーのことを知ります。そして、相手のプロフィールやツイートの内容を確認し、興味の持てそうな人ならば、こちらからもフォローをします。「フォローをする、される」ということは、一種の出会いのきっかけと考えていいでしょう。

そこで、Twitterのおすすめユーザー((※3や、話題のハッシュタグ((※4でのツイートをチェックして、「この人おもしろそう」と思った人を、遠慮なくどんどんフォローしていきたいと思います。それがきっかけになって、自分をフォローしてもらえたら、という期待を抱きながら......。


「140文字で文学作品を要約してみよう」という呼びかけで始まった「#140bgk」という企画に参加したユーザーのツイート。あらかじめ決められているハッシュタグで検索することで、同じ話題に参加しているユーザーのツイートをまとめて読むことができます


2:見つけたユーザーとつながっているユーザーもフォローする

おもしろそうなユーザーを見つけたら、その人のプロフィールページ(ユーザーのプロフィールが確認できるページ。私であればhttp://twitter.com/a_matsumoto)で、最近のツイートを読みます。

他のユーザーのツイートのうち、自分がフォローしていないユーザーへの返信(@で始まるツイート)は、自分のタイムラインで見ることができません。そこでプロフィールページで確認できるツイートから、返信を使った興味深いやり取りが行われているのを見つけたら、そのやり取りの相手もフォローするのです。また、「いいこと言ってるなあ」と感じるリツイートがあったら、その元の発言者もフォローします。

このように、1人のおもしろそうなユーザーを見つけたら、その人とユーザーとつながっているおもしろそうなユーザーが、たくさん見つかるはずです。迷惑だったらすみません......と少し思いつつも、どんどんフォローしてしまいます。

こうしてフォローを増やしていくと、タイムラインに表示されるツイートは増えていき、そのすべてを読むことは難しくなっていくはずです。それが心配で、フォローの数をあまり増やしていないという方も多いのではないでしょうか。

しかし、Twitterが最近リリースした「リスト」機能など、ユーザーやツイートの内容を分類・整理して、重要なツイートを見逃さないようにするための方法はいくつもあります。これらの活用法を考えながら、フォローを増やしていきたいと思います。


3:強い印象を与えるアイコンと背景画像にする

私に興味を持ってくれた人や、私からのフォロー通知を受け取って私が何者かを確認しようとした人は、まず私のプロフィールページを目にします。そこでの自己紹介文や画像などによって、ツイートを読まなくても一目で「@a_matsumotoはどんな人物か」を印象づけられたほうが、フォローしてもらえる可能性が上がると考えました

そこで、アイコンとプロフィールページの壁紙を以下のように変更しました。


左がこれまで使っていたアイコン。顔が小さく写っていて、印象も弱かった? そこで、顔がきちんと写っている写真(右)に変えました。

デフォルトの壁紙から、自分がフォローしているユーザーのアイコンを並べて壁紙にするサービス「Twilk」で、プロフィールページの壁紙を変更しました。どんどんフォローして、賑やかにするぞー!


4:ハッシュタグを付けてツイートし、興味の近いユーザーに見つけてもらう

1目番の方法で「興味のある話題に関連するハッシュタグで検索してユーザーを探す」と述べました。これは逆に言えば、自分がハッシュタグを付けてつぶやくことで、他のユーザーに見つけてもらえる、ということです。

興味の近いユーザーから見つけてもらいフォローしてもらうことや、そこからの話題が広がって多くの人に知ってもらうことに期待して、これからは意識的にハッシュタグを使ってつぶやいていきます。私の研究分野である動画ビジネスや、ときどきは趣味のアニメやマンガに関連するハッシュタグを使うつもりです。


5:「#followmeJP」に参加する

「フォロワーを増やす」という意味では一番手っ取り早いのかもしれませんが、結果が読めないのでまだ試していないのが、こちらの方法です。先ほども紹介したハッシュタグとして「#followmeJP」という文字列を付けておくと、それを見つけたユーザーからフォローしてもらえる、そして、こちらからもフォローを返す、というという趣旨の活動です。

Twitterアカウント「@followmeJP」が、フォロワーを募集しているユーザーの紹介などをしています。これまで説明してきた「自分と関心が近い」フォロワーを増やすのとは、若干方向性が異なりますが、もしかすると思いもよらないようなフォロワーが増えるかもしれません。果たしてどうなるか.........。


@followmeJPでは、フォローを増やしたい初心者の支援のために、相互フォローのイベントを行っています


以上の5つの方法は、いずれもそれほど難しくはないので、試しやすいかなとは思います。「他にももっとこうするべき」、または「それはやっちゃだめ」といったご意見がありましたら、Twitterの@a_matsumoto、または@dekirunet(編集部のアカウント)まで、お寄せいただければ幸いです。


次回は、人気Twitter本の著者さんにアドバイスをいただきます!

ということで、年末に向け「フォロワー1000人」をめざして邁進していきます。次回(11月27日掲載予定)は、Amazonでも品薄が続く話題の書籍「ツイッター 140文字が世界を変える(毎日コミュニケーションズ)」の著者である、コグレマサトさん(@kogure)、いしたにまさきさん(@masakiishitani)のお二人に、フォロワーの増やし方やTwitterの楽しみ方について、お話を伺う予定です。

それまでは、まず先ほど挙げた5つの方法を実践していきたいと思います。次の記事を公開するまでの間にも、私のTwitterアカウントや編集部ブログで、随時情報をアップデートしていく予定です。果たして、次回までにフォロワー数はどのくらい増えているのか.........? どうぞご期待ください。

※1:返信、リツイート
返信(リプライ:Reply)は、他のユーザーに対しての返事。ツイートの頭に「@返信先ユーザー名」が入っていて、返信先と返信元の両方をフォローしているユーザーのタイムラインにだけ表示されます。
一方でリツイート(Retweet。「RT」と略されることも)は、他のユーザーのツイートを自分が繰り返し、紹介すること。自分をフォローしている人には普通のツイートと同じように表示されます。
※2:クライアントソフト
TwitterのWebページ以外で利用するためのPCやiPhone向けのソフトのこと。自動的に新しいツイートが表示されたり、写真を添付できるなど、Twitterの利便性が格段に向上します。
※3:おすすめユーザー
Twitterが公式に紹介しているユーザーのこと。おすすめユーザー一覧で見ることができます。IT業界で活躍する人たちや、オピニオンリーダーが紹介されています。フォローすれば、ニュースサイトなどよりも早く動向を知ることができるかもしれません。
※4:ハッシュタグ
ツイートに特定の記号を加えることでまとめて検索しやすくし、後からの分類や参照をしやすくするための仕組みです。「#○○○」というふうに記述します。日本語も使用できるようになりましたが、その場合は「#○○○_」といった具合に末尾にアンダースコアを付けないと検索対象にならないため注意が必要です。