(2014.12.22追記)
2015年3月28日に京都で「XM Anomary Primary Site」(2014年12月の「ダルサナ東京」と同種のイベント)が開催されることが発表になりました。イベントページは以下になります。本記事を、事前準備にお役立てください。

XM Anomaly Primary: Kyoto, JP - Google+


2014年12月13日に「#Darsana XM Anomaly: Primary Site, Tokyo, JP」(ダルサナ東京)が開催され、約5,000人のエージェントが参加しました。しかし、「何をするのかわからず参加しなかった」「参加したけれどよくわからなかった」「そもそも知らなかった」という人も多いでしょう。

ここではダルサナ東京を踏まえて、Ingressの大規模イベントのためにどのように準備をして、参加するといいかをまとめます。

まずはイベント情報をチェック。身近な「Ingress FS」も

まずは、Ingressの公式イベントスケジュールやコミュニティの情報などをチェックしましょう。

XM Anomalyは大きなイベントで、国内で年間に開催される回数も少ないですが、そのほかに、初心者のレベルアップや、クロスファクション(両陣営が一緒になって)の交流を目的とした「IngressFS」(Ingress First Saturday)というイベントが毎月開催されています。日本でも全国各地のユーザーコミュニティが主催し、その一部には、Ingressの提供元であるNiantic Labsが公式イベントとして認定して、グッズの提供などを行っています。

Ingress FSはその名前のとおり毎月第1土曜日に行われ、開催情報はGoogle+やFacebook、TwitterなどのSNSで探すことができます。月末あたりになったら、近所の開催情報がないかチェックしてみましょう。

2014年11月と12月に行われたIngress FSでは、京都と千葉で参加者が特に積極的に行動し多くのレベルが上がったため、「千葉と京都のエージェントは今後のXM Anomalyシリーズに注目してほしい」と、Ingressの公式Google+アカウントからアナウンスされています。

もしかすると2015年には、千葉と京都で、ダルサナ東京のような大規模イベントが行われるかもしれません。また、今後もIngress FSが盛り上がり、多くの積極的なユーザーがいると認知された地域では、大規模イベントの開催候補地になる可能性が高まるかもしれません。

▼Ingressの公式イベントスケジュール(XM Anomalyや公式Ingress FSの情報を掲載)
Ingress Live Events

▼Goog+ Ingress公式アカウントからの千葉、京都に関するアナウンス
#IngressFS 6 Dec 2014 by the numbers: 140+ events, +558 Levels, +355,739,195...

大まかなルールを知っておく

「XM anomaly Primary Site」として開催されるイベントは、おおむね以下のようなルールで実施されます。細部はそのつど変わる可能性があるので、公式の発表で確認する必要があります。

なお、クラスターとなるエリアや詳細なルールの発表は、かなり本番が近付いたタイミングで行われます。「ダルサナ東京」では、クラスターの発表は8日前の12月5日、詳細なルールの発表は、2日前の12月11日でした。

  • 会場に4つの「クラスター」が設定される
  • 10分間の「メジャーメント」(計測時間)が設定される
  • メジャーメントごとに指定のクラスターにあるポータルを奪い合う
  • メジャーメント内のある瞬間を基準に、ポータルがどちらの陣営の所有か、または中立かを判定する
  • メジャーメントごとにポータルの所有数などから得点を計算し、得点が多い陣営の勝ちとなる。配点は以下のとおり
    • 1ポータル所有で2ポイント
    • 特別に特典が高いボーナスポータル(ボラタイルポータル)所有で20ポイント
    • ポータルからリンクが張られていれば5ポイント
    • クラスター全体を覆うフィールドがあった場合は得点が+40%
  • ボーナスポータルは、見た目では普通のポータルと見分けが付かない
  • ボーナスポータルのヒントは「デッドドロップ」と呼ばれる隠しアイテム(実際に運営スタッフが隠した封筒など)から得られる
  • デッドドロップのヒントは、Google+やTwitterなどにあるIngressの公式コミュニティから得られる

ゲームは実質的に2部門に別れる

ダルサナ東京のようなイベントでは、ゲームの内容は2部門に別れると考えられます。1つは、現地で参加し、ポータルの奪い合いを行う一般部門。もう1つは会場(クラスター)全体を囲むフィールドを作る、またはそれを阻止するべく動く広域作戦部門です。ほとんどの人は、一般部門に参加することになります。

広域作戦をやりたいと考えるならば、まずは仲間が必要です。大規模なフィールドを計画し、実行するには、1人で行動するのはかなり無理があり、資金と時間も必要になります。自分で仲間を集めるか、既存のコミュニティに加わるか、を考えることになるでしょう。

既存のIngressのユーザーコミュニティは、ベータ版の時代からすでに2年の歴史があり、両陣営とも、大規模な作戦のときには海外のコミュニティとも連絡を取りながら運営されているようです。大規模な作戦は信頼できる少人数のコアメンバーで行われるはずで、いきなり、その仲間に入れてもらうのは難しいかもしれません。

しかし、仲間が多い方がありがたいのは、どこのコミュニティでも同じでしょう。自分1人や友達どうしでできる範囲で大規模なフィールドを作ってアピールしたり、コミュニティに参加して依存のメンバーの信頼を得たりしていくことで、大規模な作戦に参加しませんか? と声がかかるかもしれません。

自分で仲間を集めて作戦を実行しようとする場合も、既存のユーザーコミュニティとつながりを持っておくといいでしょう。味方どうしで作戦が衝突して失敗する、といったトラブルを避けることができるはずです。

また、現地に行ったり広域作戦に参加したりしなくても、リンクの要所となるポータルの近くや海岸沿いで活動するエージェントは、思わぬ活躍の機会があるかもしれません。日本各地で作戦のためにリンクを張ったり、敵陣営のリンクを破壊したりするために、協力を求められることがあるからです。イベントに興味があるのなら、コミュニティに参加したり、当日のCOMMに注目したりしておくといいでしょう。

▼コミュニティについては、こちらも参照してください:
ファーミングから作戦行動まで。Ingressレベル8エージェントの日常

現地での参加方法は3とおりある

現地でイベントに参加するときは、3とおりの参加方法が考えられます。1人で参加するか、友達とグループで参加するか、既存のユーザーコミュニティに参加して、チームに入れてもらうか、です。

ダルサナ東京のような激しいバトルが繰り広げられるイベントでは、通常のプレイとは行動の目的が変わります。「ポータルを次々と占領してフィールドを広げていく」といったことはできず、「メジャーメント(計測時間)中にできるだけポータルを自陣営の色にする」ことを目標に、ひらすらXMPバースターを撃ち、レゾネーターをデプロイすることになるためです。

個人で漠然と参加した場合、バトルにおいては何の満足感も達成感も得られないかもしれません(もちろん、バトルとは別にお祭りを楽しむことはできるでしょうが)。「とにかくXMPバースターを撃ちまくろう」「空いているポータルに誰よりも速くレゾネーターをデプロイしよう」「乱戦にまぎれてAPを稼ぎまくろう」のように、ルールに適合した目標を持っておく方がいいでしょう。

友達とチームで参加するならば、チーム内で役割分担が可能です。攻撃担当とデプロイ担当に別れて、うまくポータルを奪うことも狙えます。

コミュニティに参加してチームに入れてもらえば、コミュニティ内で役割分担が相談され、何かしらの役割や目標が設定されるはずです。事前に打ち合わせなどがあれば顔見知りの仲間を増やすこともでき、イベントがより楽しくなるでしょう。

Google+のイベントページで参加表明をする

イベントを発見するためには、Google+のIngress公式アカウントをウォッチします。イベントの告知があったら、参加表明をしましょう。コミュニティでもすばやく情報が共有され、参加者の募集が行われるはずです。

▼Ingress公式アカウント
Ingress - Google+

事前に高レベルのXMPバースターやレゾネーターを集めておく

イベント前に、アイテム(Ingressのインベントリーのアイテムと、持ち物の両方)の準備を入念にしておきましょう。

インベントリーのアイテムは、できるだけ高レベルのXMPバースターと、レベル8〜6のレゾネーターを中心に集めます。8本のレゾネーターを設置しておく必要がなく、できるだけ強固なレゾネーターを設置したいため、また複数のエージェントが同時にデプロイすることが多いため、低レベルのレゾネーターは、あまり出番がありません。

大まかな目安としては、レベル7〜8のXMPバースターを合計600〜800、レベル8〜6のレゾネーターは各100〜200程度。これくらいあれば、簡単に使い尽してしまうすことはありません。余裕があればシールドを設置することもできるので、強力な(ベリーレアやレアの)シールドを中心に集めておくといいでしょう。

このほか、行動力を確保するためにパワーキューブも100〜200程度用意します。ポータルキーが多すぎてアイテムが持てない場合は、整理して使わないものを捨てます。

チームで戦う場合には、XMPバースター多め、レゾネーター多めなど、役割分担に応じて調整を行います。

レベル7以下のエージェントは、自分のレベルで使える上限となるXMPバースターやレゾネーターのほか、シールドを多めに用意できると理想的です。シールドは出現率が低く、簡単に集まるものではりませんが、レベルに関係なく強力なものを設置できます。

XMPバースターやレゾネーター、強力なシールドを多めにインベントリーのアイテムを調整。ポータルキーは必要ないため、ぎりぎりまで減らします。

モバイルバッテリーは必須。あとは地図、時計など

イベントでは、モバイルバッテリー(もちろん充電ケーブルも)の用意が必須となります。4回のメジャーメントに関わるだけで約4時間、開会前から閉会後までを含めれば8時間程度は使えるようにしておけば余裕が持てます。

地図と時計も用意しておきましょう。ふだん、これらはスマートフォンに頼っていることが多いかもしれませんが、Ingressをプレイしながら行動するために、スマートフォンの役割を減らしておくことができればベターです。

地図はあらかじめ印刷して、行く場所にマークを付けておきます。トイレの場所などもメモしておくと、余裕を持った行動ができるでしょう。

そのほか、夏場ならばタオルやハンカチ、飲み物、冬場ならば手袋やカイロなど、長時間外を歩き回るための装備を調えます。

加えて、レジスタンスなら青、エンライテンドならば緑の服や小物を用意しておくと、より一体感を味わうことができるでしょう。コミュニティでグッズを作り、頒布されることもあります。

ダルサナ東京では第4メジャーメントが17:00からとなり、ほぼ日が沈んだ寒い中で行われました。最後まで戦い抜くため、暑さや寒さの対策は重要になります。

可能であれば会場の下見をしておく

実際の争奪戦の対象になるポータルや、当日の移動ルートを下見しておくと、当日は余裕を持った行動ができます。可能であれば、下見をしておいた方がいいでしょう。

乱戦となるイベントでも、レゾネーターのデプロイはできるだけポータルから距離を取って行った方が、少し有利になるでしょう。複数のポータルにデプロイできるポイントなどを見つけておくと、作戦の基点にできるかもしれません。

当日は一般人としてマナーを守り、楽しむ

ダルサナ東京では、日中の市街地や公園でバトルが行われました。車や自転車、一般の人の通行もあり、公園ならば普通に遊ぶ小さな子供も多くいます。まずは普通の市民としてマナーを守った行動、安全な行動を徹底することが必要です。チームで動く場合は特に気分が高揚して盛り上がりがちですが、注意しましょう。

クラスターの1つとなった新橋の市街に、青い服を身に着けて展開するレジスタンスのエージェントたち。一般の人たちも通る道で、迷惑にならないように動くことが重要になります。

なお、ダルサナ東京では開催にあたり警察への連絡も行われており、会場付近を見回る警察官の姿も、しばしば見られました。

会場となる範囲は広く、オープニングイベントが終わってからは自由行動となります。どこに移動すればいいのか、いつからメジャーメントが始まるかなどが、運動会のような感じでアナウンスされるわけではありません(普通の市街地で行われるので、当たり前のことですが)。チームで参加していればリーダーの指示で、個人で参加していれば個人の判断で動くことになります。地図やスケジュールの確認は、念入りにしておきましょう。

両陣営が同じポータルを奪い合うため、ポータルの周辺に青い服の人と緑の服の人が集まり、もくもくとスマートフォンを操作することになります。想像するとかなり異様に思うかもしれませんが、近くの人の迷惑にさえならなければ、問題ありません。

敵も味方も同じイベント楽しむ仲間どうしです。激しくぶつかる前後には、なごやかに挨拶しましょう。その際には、コミュニティのチームに参加しているときは、秘密にしておくべきコミュニティの情報をもらしてしまわないよう注意が必要です。

バトルは、都市部の駅前などで経験できるいわゆる「わんこ合戦」の、非常に激しいものとなります。いくらか慣れとコツが必要になるので、まずは経験し、仲間と情報交換しながらうまくやるように心がけるといいでしょう。もしも、うまくいかなかったり、操作ミスをしてしまっても大きな問題はありません。ほとんどの人は気付きませんし、笑い話のネタになる程度です。

実際にバトルを経験して、1人や少人数では難しいなと思ったときは、近くにいる同陣営の色のものを身に付けた人に声をかけてみるといいでしょう。情報交換や協力プレイができるはずです。コミュニティのチームならば、一緒に行動しないかとさそってくることもあるでしょう。

人数が多く情報伝達網もしっかりとしている大規模なコミュニティに参加しているチームならば、戦況やイベントの運営状況、交通情報など、多くの情報がもらえるでしょう。

まとめ

XM anomalyは、両陣営が正面からぶつかり合って勝ち負けを決めるイベントです。その趣旨に沿い、自陣営の勝利にできるだけ貢献したいと考えるならば、Google+のコミュニティに参加して大きな組織に入り、できる役割を果たすことがベストとなるでしょう。いちエージェントとしてチームに参加するだけでなく、コミュニティの中で情報を整理したり、ミーティングの調整役をしたりと、できることはいろいろとあるかもしれません。

しかし、楽しみ方はそれだけではありません。時間がなくて深く関わることは難しい、マイペースで楽しみたいという場合には、当日ふらっと行って楽しむこともできます。そのときにも、事前の情報の整理(行動する時間と場所の確認)と、インベントリー、持ち物の準備、そして、自分なりの目標の設定はしておきましょう。

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