電子署名コードの登録

 申し込みが正しく完了していれば、2~3日程度で、メールが3通届きます。各メールの添付ファイルは、フォルダーを作成して保存しておきます。前述したように、この電子署名コードは、特定の1台のパソコンでしか利用できません(利用時に登録を行います)。このため、署名処理を行う、BlackBerryの開発環境がインストールされているPCに3つのファイルを保存してください。なお、電子署名の作業には、BlackBerryのSDK(に含まれているツール)が必要です。また、Eclipseで開発している場合には、Eclipse内で電子署名を付ける作業ができます。

 メールに添付されていた3つの電子署名コードのそれぞれに対して、以下の作業を行います。なお、電子署名コード(.csiファイル)は、どこかのフォルダーに保存されているものとして説明します。csiファイルは、「clinet-RBB-*.csi」、「clinet-RCR-*.csi」、「clinet-RRT-*.csi」の3つで、*の部分には数字が入ります。

 添付ファイルの保存方法は、メールソフトにより違いがあるので、ここでは解説しません。


手順1:Eclipseを起動し、BlackBerry開発用のワークスペースを開きます。

手順2:BlackBerryメニューから[Install Signature Keys]を選択します。

手順3:キーを初めて作るときにはKey Pair fileを作るかどうかを確認されるので[はい]をクリックします。

手順4:ファイル選択のダイアログボックスが開くので、電子署名コードファイルを1つ選択します。

手順5:電子署名用のパスワードを設定します。これは、以後、電子署名を行うたびに必要になるので覚えておきます。

手順6:キー生成の処理が始まります。このとき、マウスの動きなどから乱数を作るため、適当にマウスを動かし続けます。そうしないと処理が進みません。

手順7:キーが生成されたら、購入時に指定したRegistration PIN(レッスン20「電子署名コードの購入」の手順4で指定したもの)と、Private key Password(手順5で指定したパスワード)を入力します。

手順8:登録が完了したのでExit]ボタンをクリックします。 手順2からここまでの手順を残り2つのファイルに対して繰り返します。なお、2つ目以降のファイルを登録する場合は、手順3のダイアログボックスは表示されません。

アプリケーションに電子署名を付ける

 電子署名コードが登録されたら、今度は、作成したアプリケーションに電子署名を行います。電子署名は、アプリケーションのインストールファイルに相当する「〜.cod」ファイルに対して行います。なお、作業は、Eclipseから行いますが、実際に利用するのは、BlackBerry SDKに含まれている署名ツールです。これは、Eclipseのインストールフォルダーの下にある[plugins]フォルダーの「net.rim.eide.componentpack4.6.0_4.6.0.19\components\bin」のSignatureToolを使っています。コマンドプロンプトなどから直接起動する場合には、このツールもJavaプログラム(jarファイル)なので、同じフォルダーにあるバッチファイルsigtool.batで起動します。

 署名は、ビルド(実行ファイルの生成)のたびに行う必要があります。プログラムを修正したら、実行ファイルが作り直されるので、再度、電子署名を行う必要があります。このため、署名を行う前に最新のビルドにしておくことを忘れないようにしてください。ビルドの手順は、レッスン18「インストール用バイナリファイルの生成」で解説しているように、[プロジェクト]メニューの[Bulid Active BlackBerry Configuration]で行います。

 また、電子署名を行う場合には、該当のPCは、インターネット接続されている必要があります。


手順1:Eclipseの[BlackBerry]メニューから[Request Signatures]を選択します。

手順2:Signature Toolが起動します。場合によっては、codファイルの場所を尋ねるダイアログボックスが表示されることもあります。 このとき、まだ電子署名が行われていないので、[Status]欄には、[Not Signed]と表示されています。

手順3:ウィンドウ下の[Request]ボタンをクリックすると、電子署名が開始されます。電子署名パスワードを確認されるので、このレッスンの「電子署名コードの登録」の手順5で設定したものを入力します。 このとき、RIM社側のサーバーと接続するため、インターネット接続が必要になります。なお、ファイアウォールなどでうまく接続できない場合には、Propertiesでプロキシーなどの設定を行う必要があります。

手順4:署名が成功すると、ダイアログボックスが表示されるので[了解]ボタンをクリックします。

手順5:署名が成功すると[Status]欄が[Signed]に変わります。

 これで、アプリケーションへの電子署名が終了しました。あとは、レッスン19の「実機にアプリケーションを転送しよう」で解説したようにBlackBerry Desktop Managerを使い、開発したプログラムの〜.alxファイルを指定すれば、BlackBerryにアプリケーションがインストールされます。

 なお、インストール時にエラーが表示されるような場合には、電子署名がうまくできていない(あるいは違うファイルを指定している)ことなどが原因と考えられます。また、BlackBerry側にアプリケーションをインストールするための領域が空いていない場合は、インストールがエラーになるので注意してください。