BlackBerryとの組み合わせが最適

　このように手軽に構築できるうえ、サーバや通信経路の安全性を確保できるサイボウズのリモートサービスですが、端末の安全性はどのように確保できるのでしょうか？

　サイボウズのリモートサービスでは、社外で利用できる端末として、PC、携帯電話、そして最近注目を集めているスマートフォンにも対応しています。中でも注目したいのが、ビジネス向けのスマートフォンとして海外だけでなく、国内でも高く評価されはじめているBlackBerryへの対応です。

　サイボウズのリモートサービスを契約すると、「サイボウズモバイル Sync for BlackBerry」というBlackBerry Bold用の同期用アプリケーションが無償で提供されますので、このアプリケーションをインストールすることで、「サイボウズ ガルーン 2」、もしくは「サイボウズ Office 8」の「スケジュール」、「電子メール」、「アドレス帳」のデータを同期し、BlackBerryに取り込んで、いつでも参照できるようになります。

　これにより、たとえば外出中や出張中でも緊急の連絡に対処したり、スケジュールを確認したりして会議の予定などを決めることもできるようになるわけです。

　ポイントは、このようにBlackBerryからいつでも社内の情報にアクセスできる環境を高いセキュリティレベルで実現できる点にあります。

　BlackBerryは、もともと通信内容を暗号化するなど高いセキュリティ機能を搭載したスマートフォンですが、サイボウズ リモートサービスと組み合わせて利用することで、端末の「リモートワイプ」に対応します。

　「リモートワイプ」とは、端末に保存されている情報をサーバからの遠隔操作で自動的に初期化することができる機能です。これにより、万が一、BlackBerry端末を紛失したり、盗難に遭ったりした場合でも、同期したメールやアドレス帳、スケジュールなどのデータ、さらには「サイボウズモバイル Sync for BlackBerry」の接続設定を完全に消去することができます。

　このようなリモートワイプの機能は、これまでBlackBerryの企業向けサービス（BlackBerry Enterprise Serviceの契約とBlackBerry Enterprise Serverの導入が必要）でしか利用できませんでしたが、「サイボウズ リモートサービス」では個人向けのサービスである「BlackBerry Internet Service（BIS）」でも利用することができます。このため、BlackBerry用のサーバを新たに構築することなく、万全の情報漏洩対策ができるというわけです。

サイボウズ リモートサービスの特徴

・手軽に構築できる 　既存の社内サーバにプログラムを追加するだけで簡単に構築できる ・安全に利用できる 　中継サーバの利用で外部に公開するセキュリティリスクを軽減できる ・端末の安全性を確保 　盗難・紛失時でもBlackBerryの設定情報やデータを遠隔操作で消去できる

さらなる進化でもっと使いやすくなる

　このように、「サイボウズ ガルーン2」や「サイボウズ Office 8」と「サイボウズ リモートサービス」を利用すれば、スマートフォンを利用した社外からのアクセス環境を手軽かつ、セキュアに構築することができます。

　「サイボウズ ガルーン2」や「サイボウズ Office 8」をすでに導入している場合は、利用したい端末の台数に相当する「サイボウズ リモートサービス」のライセンスを購入することで自社の規模やコストに合わせて導入することができますので、導入を検討してみるといいでしょう。

　なお、サイボウズでは、2010年春からモバイル端末向けの新ブランドとして「サイボウズモバイル KUNAI」を展開しています。「サイボウズ リモートサービス」を通じて、スマートフォンから「サイボウズ ガルーン2」や「サイボウズ Office 8」などを利用できるサービスですが、メールやスケジュールだけでなく、より多くのアプリケーションのデータを同期させることができるようになっており、ワークフローなどの機能もスマートフォンから利用できるのが特徴です。

　現在、サイボウズの製品情報ページ（http://products.cybozu.co.jp/kunai/）では、このブランドの提供開始を記念して、「dynapocket SoftBank X02T」を60日間、サービスに対応した端末「docomo PRO series T-01A」、または「docomo PRO series BlackBerry Bold」を30日間無償で提供する「試 （ためす）KUNAI キャンペーン」（http://g.cybozu.co.jp/topics/kunai/）を実施しています。

2010年5月現在、「サイボウズモバイル KUNAI」はWindows Phoneでのみ利用可能となっていますが、将来的にはBlackBerry用のアプリケーションも提供される予定となっています。また、現状の「サイボウズモバイル Sync for BlackBerry」も「サイボウズモバイル KUNAI Lite」として名称が変更される予定となっています（編集部注：2010年6月16日より「サイボウズモバイル KUNAI Lite for BlackBerry」に名称が変更されました。また、2010年7月30日に「サイボウズモバイル KUNAI Lite for BlackBerry」バージョン 1.0.2が公開され、BlackBerry Bold 9700 に対応しました）。

いずれにせよ、サイボウズとBlackBerryの組み合わせはグループウェアを社外から、手軽かつ安全に利用することができるソリューションと言えます。導入を検討している場合は、事前にキャンペーンを活用して、実際の動作や既存環境への影響などを検証してみるといいでしょう。