人気インスタグラマーの種類と特徴

インフルエンサーのタイプを知る

告知協力やコラボ企画など、多様な連携の可能性がある

Instagramに限らず、SNSでは人と人とのつながりを通じて情報が流通・拡散します。多数のフォロワーがいて影響力がある有名インスタグラマー(Instagramユーザー)とは、さまざまな形で関係を持つことになるでしょう。

SNSで影響力のあるユーザーを「インフルエンサー」と呼びますが、企業のマーケティングにおいて、インフルエンサーとの連携は重要です。インフルエンサーを通して彼ら、彼女らのファンにリーチできるだけでなく、コラボレーションによって双方が刺激し合い、新しい表現を生み出し、多くの人を楽しませることもできます。Instagramのインフルエンサーには、どのような人がいるのかを知っておきましょう。ここでは、大まかに4つのタイプに分けて解説します。

Twitterのような言葉の力が求められるSNSでは、短い文章で表現する瞬発力に長けている人が影響力を持つことが多いですが、写真が中心となり、若いユーザーが多いInstagramでは、インフルエンサーのタイプが異なることに注目してください。

①マスメディアも活躍する「タレント、モデルタイプ」

テレビや雑誌などのマスメディアに登場し、高い知名度を持つタレントやモデルを、本書では「タレント、モデルタイプ」と呼びます。日本のInstagramのフォロワー数ランキングでは、モデルの水原希子さん(@i_am_kiko)、ローラさん(@rolaofficial)、タレントの渡辺直美さん(@watanabenaomi703)などが上位を占めています。Instagramから「おすすめ」として紹介されるアカウントの多くも、このタイプのアカウントです。

男性のタレント、モデル、ミュージシャンもInstagramを利用していますが、人数もフォロワー数も1桁少なく、女性の活躍が圧倒的です。

マスメディアでの活動からではなく、Instagramから有名になったモデル系人気ユーザーもいます。Megbabyさん(@_megbaby_)、るうこさん(@rororuko)、Mappyさん(@bopmappy)らが、その代表例です。これらのユーザーはInstagramでの活動で有名になり、現在では雑誌などでも活動するようになっています。

るうこさん(@rororuko
タレント、モデルタイプ。ファッション系で人気のインスタグラマー。プロフィール画面で写真が3列に並ぶことをうまく利用した写真の加工が特徴的。タイムラインに1枚で流したときにも絵になるが、プロフィール画面では計算されたアートのように見える。各種雑誌でもファッション・インフルエンサーとして活躍中。

彼女たちには数十万人以上のフォロワーがいて、1件の投稿につき何千も「いいね!」が付き、数十件のコメントが書き込まれます。彼女たちが使っているものや着ているものは、ユーザーに一気に広がる可能性があります。企業とのコラボレーションが行われることも増えており、Instagramを新しいメディアとして、彼女たちの影響力をもとにした情報発信が盛んに行われています。

②ユニークな写真でコアなファンも多い「テーマ特化タイプ」

ユニークなテーマを持って写真を投稿し、その写真が支持されているユーザーを本書では「テーマ特化タイプ」と呼びます。テーマはユーザーのクリエイティビティしだいでさまざまですが、切り口のユニークさがマスメディアで取り上げられることもあります。コアなファンが付いていることも多く、著書を出版するユーザーもいます。

企業として表現したい世界観やキャンペーンのテーマと、このインスタグラマーの世界観が合致すれば、コラボレーションの企画をまとめられるかもしれません。

例えば、Instagramで写真を公開するだけでなく、イベントを行ってゲストとして参加してもらい、ファンにアピールすることも考えられます。イベントの集客から協力してもらうことで、企業がこれまでリーチできなかった層を呼び込むことができるかもしれません。Instagramでのコラボレーションから商品企画に発展させ、コラボ商品を発売するような展開もおもしろいでしょう。

halnoさん(@halno
ほうきに乗って空を飛んでいるような写真が人気なことから、「浮遊写真家」とも呼ばれるテーマ特化タイプのインスタグラマー。フィードに写真が流れてきたら思わず指が止まるインパクトが、世界中で支持されている。市街地や大自然の中、海外などさまざまな場所で空を飛ぶ写真を発表し、ブログでも活動中。

Kei Yamazakiさん(@keiyamazaki
朝ご飯の投稿で人気を博したテーマ特化タイプのインスタグラマー。丸いプレートの上に、卵料理やフルーツなどをきれいに盛り付けた朝食を日々投稿していて、日本だけではなく海外のファンも多数。Instagramがきっかけで著書「TODAY' SBREAKFAST--シンプルで美しい、ワンプレートの朝ごはん日記」(主婦の友社)を2014年2月に出版。

③手作りの作品が人気の「作家タイプ」

テーマ特化タイプと似ていますが、被写体を手作りし、被写体そのものが人気の理由となっているユーザーを「作家タイプ」と呼びます。手芸品、手作り雑貨などの作家やイラストレーターなど、作品集やカタログとしてInstagramを使っている点に特徴があり、プロフィールに掲載された外部リンクから、自身の作品を展示するサイトや販売するECサイトに誘導しているユーザーも多数います。

企業の担当者から見て心を引かれる作家タイプのインスタグラマーと出会ったら、「1点もの」の制作を依頼する形でのコラボレーションを考えるとおもしろいでしょう。

例えば、自社での何かの記念日に合わせて企業やブランドのロゴ入り作品をオーダーし、両方のアカウントで紹介します。Instagramで作品を公開しているイラストレーターに企画を依頼することがあれば、制作過程の絵を少しずつ紹介してもらうような企画を考えてもいいかもしれません。

Hisako Matsuzakiさん(@classa_soap
作家タイプ。東京・秋葉原で「Class A」という手作り石鹸の教室を主宰している石鹸作家。アイスキャンディー型の石鹸や宝石のような石鹸など、クリエイティブな石鹸を日々投稿している。自身の作品のほか、教室の生徒の作品や作成過程などが投稿されることもある。

④プロからアマチュアまでの「写真家タイプ」

プロやセミプロの写真家、趣味として写真を撮っているアマチュアなど、撮影技術や加工技術が高く、写真のクオリティで支持を集めているタイプです。テーマを持って写真を投稿している人が多いですが、テーマ特化タイプのようにユニークなものではなく、より一般的なものである場合が多いです。

プロの写真家ならば、自社アカウントで投稿する写真の撮影を依頼したり、イベントでの撮影を依頼したりしてもいいでしょう。活動を支援する形、例えば小道具として商品を提供したり、近隣で活動している方に自社の店舗を撮影場所として提供したりして、写真で使われたときに紹介してもらうといった協力関係を作るのも一案です。

商品を送付して、商品の魅力を引き出す写真を依頼するのもおもしろいでしょう。大型のキャンペーンでは複数の写真家の競作のような形で依頼できれば、幅広いバリエーションの写真で商品の魅力をアピールできるようになるかもしれません。

アサダユウスケさん(@bumpdesign_yusuke_asada
写真家タイプ。結婚式の集合写真や家族写真を投稿している結婚式カメラマン。一生の思い出といえる結婚式の写真は、誰もがすばらしい笑顔で、写真としての魅力に満ちあふれた作品が並ぶ。