コンバージョンまでの道筋
Instagramからコンバージョンまでのユーザー行動を見通す
3ステップでのコンバージョンを意識して取り組む
Instagramの特徴に合うマーケティングの方向性を知るでは、Instagramはブランディングやコミュニケーションに使うのがいいと解説しました。商品の販売やサービスの成約といったビジネスの最終成果(コンバージョン)と完全に無関係なわけではありませんが、そもそもアーンドメディアは信頼や評判を獲得するためのメディアなので、 Instagramから直接、コンバージョンを狙うことは難しいと考えてください。
Instagramからコンバージョンを狙うには、ステップを踏んで段階的に取り組むことをおすすめします。以下のような3ステップで考えましょう。
ステップ1として、フォロワーを増やします。拡散機能を持たない Instagramで投稿を見てもらうためには、直接投稿を届けられるフォロワーを増やす必要があります。ブランディングを目的にしてもフォロワーを増やすことは必要なので、このステップはブランディング目的でもコンバージョン目的でも共通して必要なステップだといえます。
ステップ2として、自社サイトやECサイトなど、コンバージョンにつながる外部サイトへの誘導を増やします。誘導のルートはアカウントのプロフィール画面に表示されるURLからが基本で、投稿からアカウント名をタップしてプロフィール画面を表示し、URLをタップするという2タップの操作が必要で少々めんどうなため、写真のキャプションでプロフィール画面からURLを見るように促すなどの工夫が必要になります。それ以外の外部サイトへ誘導する方法については、自社ページへのリンクには複数の手段を講じるで解説します。
ステップ3ではコンバージョンを増やします。ただ、コンバージョンはステップ2によって誘導したサイトの出来不出来によるところが大きいので、 Instagram内の取り組みとしては、いかに誘導するかの段階までを中心に考えましょう。
コンバージョンまでの3ステップ
オフラインのコンバージョンは効果測定まで考える
Instagramからオフラインの(インターネット上ではなく実際の)店舗やイベントに誘導し、そこでコンバージョンする、いわゆるO2O(On line.to.Offline)の流れも考えられます。この場合も「フォロワーを増やす」「誘導を増やす」「コンバージョンを増やす」の3ステップで取り組みましょう。
オフラインの誘導を増やす方法としては、さまざまな方法が考えられます。例えば、 Instagramに投稿した写真を店舗で使えるクーポンとして、店舗で写真を見せてくれた人に割引を行うのも一案です。前回のイベントの様子を投稿し、楽しそうに盛り上がっている様子を見せて集客(誘導)を図ることも考えられます。
オンラインのコンバージョンではアクセス解析のデータやECサイトの販売データを利用して効果測定を行えますが、オフラインのコンバージョンの場合は、効果測定を行うために何らかの計測方法を考える必要があります。写真をクーポンとする方法は、利用者数をInstagram経由の誘導数と見ることができ、効果測定の面でも有効な方法です。
一方、店舗では Instagramから顧客を誘導するだけでなく、既存顧客に Instagramアカウントを知ってもらい、フォローしてもらうことで関係を強化する取り組みも効果的です。自社の店舗との連携については、店舗とInstagramを関連付けて相互に誘導するで詳しく解説します。
HINT2つの意味で使われる「エンゲージメント」
マーケティング用語で「エンゲージメント」とは、企業やブランドと消費者との関係性を指します。メッセージを通じて共感や信頼を高めていくことを「エンゲージメントを高める」といい、「ロイヤリティ」(ブランドへの愛着、忠誠)と似た意味で使われます。
もう1つの「エンゲージメント」の使われ方として、SNSマーケティングにおいて、ユーザーからの反応を指して「エンゲージメント」と呼ぶことがあります。可視化しにくいエンゲージメントを測る指標として反応の数を見るという意味もあり、Instagramでは、投稿した写真への「いいね!」やコメント、場合によってはフォローも含めて「エンゲージメント」と呼び、ブランディングの効果測定の指標とすることがあります。
本連載で特に断りなく「エンゲージメントを高める/エンゲージメントが高い」というときは、「いいね!」やコメントを増やす/多いことを指します。「Iconosquare」や「Aista」などInstagram専用の分析サービスでも、「いいね!」やコメントをエンゲージメントと呼んでいます。