ただの「ダメ出し」では運営担当者が萎縮してしまう

Instagramマーケティングのチームで振り返りや改善のためのミーティングを行うときは、「写真を撮る」という行為の難しさを考慮してください。

写真を撮ることは、自分そのものを表現する創作行為です。人は自分の創作物へのフィードバックに対しては非常に繊細なもので、「あなたの写真は『いいね!』が少なかった」という事実が、数字の問題だけでなく、自身の表現のセンスや価値観が否定されたように感じられてしまうこともあります。

すると一気にやる気を失ったり、投稿することが怖くなって作業が進まなくなったりして、結果的にフィードバックが逆効果になることもあります。

Instagramアカウントの担当者は、運営と効果測定で分業することをすすめますが、お互いのコミュニケーション、特に成果があまり出ないときには注意して、ただの「ダメ出し」にならないようにしましょう。具体的には、次の3点を意識したフィードバックを心がけてください。

悪い点だけでなく、いい点も必ずフィードバックする

1つ目は、ただダメ出しをするのでなく、いい点も見つけてフィードバックすることです。特に一所懸命になり過ぎたときにやってしまいがちですが、必ずいい点についても一緒に話すようにします。

いい点として挙げるのは、写真に関すること(写真の構図、加工、被写体の選び方など)でも、それ以外のこと(毎日継続してがんばっている、投稿時間を工夫している、コメントなどコミュニケーションができている)でもかまいません。狙った目的に結び付いていなかったとしても、運営担当者は何かしらの努力をしているはずです。そこを見つけてほめてあげるようにしましょう。

いいと思うサンプルを提示し、具体的な方向性を示す

2つ目は「こうしたらいいと思う」という具体的なサンプルを見せることです。「なんか違うんだよなぁ」とか「これじゃない」というフィードバックだけでは、ダメなことはわかっても次の一手の見当がつかず、改善につながらない場合が多々あります。

感性を伝えるのは難しいので、具体的なサンプルを提示して話し合うように心がけてください。例えば、今までの投稿の中からいいと思うものを挙げたり、ほかのInstagramアカウントの投稿から例を探して見せたりするといいでしょう。

そして、なぜそれがいいと思ったのかを説明すれば、いっそう理解が進み、改善案を考えやすくなります。

運営担当者の悩みを聞いてあげる

3つ目は、フィードバックとして一方的に意見を言うのでなく、運営担当者の話をよく聞くようにすることです。

投稿された写真が生まれるまでに、運用担当者は大いに考え、悩んでいるはずです。アイデアの枯渇に苦しんでいるかもしれません。イメージはあっても技術が足りず、うまく撮影できないのかもしれません。

また、写真を撮るのは好きだけど文章は苦手という人は、キャプションやコメントの返信を分担してあげることで負荷が軽減され、いい写真を撮れるようになるかもしれません。

数字だけでは見えにくい運営担当者の気持ちに配慮して、問題点を聞き出しながら一緒に解決の方法を考えるようにしましょう。

サンプルとなる写真はハッシュタグ検索で探す

「このテーマならこう撮ったらいいのではないか」というサンプル写真を探すには、Instagramのハッシュタグ検索が役立つ。例えば旅行関係のハッシュタグでは「#旅行行きたい」「#旅行楽しみ」「#旅行好き」などで人気のある投稿の雰囲気は少しずつ異なるが、自社が狙いたいのはどこか、そのためにどのような表現が効果的かを研究する材料にできる。