「東京でIngressの大きなイベントがある」「2016年7月16日に"アノマリー"があるんだって」――イベントの告知は始まっていますが詳細はまだ明らかでなく、気になるけれどよくわからない、と思っている人も多いでしょう。

ここでは過去のイベントの情報をもとに、アノマリーとは何か? どのようにすれば参加できるのかを、Q&A形式で解説します。


(追加情報:2016.7.6)
▼クラスター戦のエリアの画像が公開されました。新宿、上野、隅田からお台場に結集する流れになるようです
Tokyo Anomaly Intel: Cluster Images
Aeigs Nova Tokyoのクラスター画像が公開されました。 ご質問は答えられる範囲でお答えいたします。

▼受付場所の情報がイベントページに掲載されています
Ingress XM Anomaly - Aegis Nova - Tokyo

▼アノマリー翌日の7月17日に開催される「ミッションデー東京」の情報が公開されています
Mission Day Tokyo


そもそもアノマリーとは?

正確には「XM Anomaly」。Ingressの世界のエネルギー「XM」の異常(anomaly)が特定地域で生じた、という設定で世界各地で行われるイベントです。

通常のIngressのプレイは、ポータルからリンクを張ってCF(コントロールフィールド)を作ったり、ハックしたり、ミッションをしたりと思いのままに楽しみますが、アノマリーでやることは、簡単に言って「バトル」です。

会場に集まった大勢のEnlightend(緑)、Resistance(青)のエージェント(プレイヤー)が、所定のルールに則ってXMPバースターを打ちまくって戦い、勝敗を競います。

東京のアノマリーはどんなイベント?

アノマリーはおおむね3カ月ごとに新しいシリーズが行われ、それぞれに名前が付いています。

2016年5月~7月に行われているのが「Aegis Nova」(イージスノヴァ)シリーズ。7月16日の東京はシリーズの最終決戦と位置付けられ、特に大規模な「メガアノマリー」とも呼ばれます。

▼公式イベントページ
Ingress XM Anomaly - Aegis Nova - Tokyo

参加したい! 詳しい内容は?

具体的な内容を紹介する前に、Ingressのイベント運営はわりと手作りであることを承知しておいてください。

無料で参加できますが、参加手続きを行ったうえで、日程や集合場所、詳しいルールなどはエージェント(プレイヤー)自身で収集し、準備する必要があります。そして一部の情報は英語です。

詳しい会場やルールなどの情報はアノマリーの半月程度前(今回であれば7月に入ったころ)てから発表されるのが通例で、途中で急に変わることもあるため油断なりません。

また、当日が近づくと、Google+などでボランティアの募集が行われることもあります。つまりボランティアベースの部分も多く、プロの事業者によるイベントのように至れり尽せりのものではありません。

アノマリーの会場は、イベント運営ができる両陣営のコミュニティがある都市の中から選ばれるという事情もあります。不親切な部分、サービスが行き届かない部分もありますが、Ingressが好きなプレイヤーのたくさん集まるイベントが、楽しくないわけがありません。

肝心の内容ですが、上記のような事情から、2016年6月17日時点では詳しいことは発表になっていません。

現時点では、公式イベントページで次のことが発表になっています。

  • 2016年7月16日(土)開催
  • 「お台場特別会場」(詳細は不明)で受付やアフターパーティ(終了後のパーティ)を行う
  • 8:00受付開始、20:30終了。12:00~18:00がアノマリー本番

参加登録の方法は? チケットって何?

当日ふらっと会場に行ってもアノマリーに参加することは可能です。しかし、アノマリーのメダル(エージェントのステータス画面に表示される、アノマリーに参加した証明のメダル)を手に入れるためには、事前に参加登録し、当日受付をする必要があります。

アノマリーに参加したメダルは、ステータス画面に表示されます。

参加登録するためには、公式イベントページで[公式受付]をクリックし、[Get Tickets]が表示されたら、申し込みたいチケットを選びます。

無料で参加する場合は[Ingress - Aegis Nova Free]を選びましょう。当日参加受付をして参加が確認されことで、ステータス画面に表示されるメダルがもらえます。

そのほかの有料の参加セットは、さまざまなグッズの詰め合わせである「サポーターキット」が付いています。

公式イベントページにアクセスして[公式受付]をクリックし、チケットを選びます。

受付が完了するとメールが届き、このようなチケット(画像ファイル)が添付されています。これを印刷して当日受付に持っていきます(印刷を忘れずに!)。

サポーターキットは何に使えるの?

サポーターキットの内容物は、ファン向けのグッズの詰め合わせです。アノマリーでしか入手できないレアグッズばかりで、非常に貴重です。一方で、アノマリーの戦闘が有利になるわけではありません。

どれくらいの人が集まるの?

目安として、2014年12月に開催された「ダルサナ(Darsana)東京」は5,000人程度の参加がありました。

通常のアノマリーは同じ日に世界の複数箇所で開催されますが、今回は東京1箇所のみであることもあり、世界中からエージェントが集まると考えられます。すると、参加人数は数千人台の後半だろうと予想できます。

アノマリーに参加して、具体的には何をやるの?

端的には「ポータルを取り合う戦闘」を行います。東京での詳細なルールはまだ発表されていませんが、イージスノヴァシリーズのルールでは大まかに、

  • ポータルを取り合う「クラスター戦
  • 「シャード」と呼ばれるポータルに置かれるシンボルを、陣営のゴールに設定されたポータルまでリンクを張って運ぶ「フラッシュシャード

の2つの競技が同時進行で行われると予想されます。

「クラスター戦」は比較的シンプルで、両陣営でポータルを取り合う、いわゆる「わんこ」を規定の時間(10分間程度)行い、その中のどこか一瞬のスクリーンショットで、そのポータルがどちらの所有であるかを判定します。基本的には人数と物量がものをいう戦いとなります。

クラスター戦のイメージ。「オーナメント」と呼ばれる目印が付いたポータルを対象に、両陣営のエージェントが集まって激しく撃ち/守りあいます。

「フラッシュシャード」は、通常のIngressのプレイとはまったく異なります。現在シャードがあるポータルからゴールのポータルまでリンクを張り、運搬するために広い範囲の情報をリアルタイムに把握しながら的確に行動する必要があるため、人数と物量に加えて組織力・機動力が重要な戦いになります。

フラッシュシャードのイメージ。シャードがいるポータルには強い光などの目印があり、定められたゴールのポータルまでリンクを張り、移動させます。リンクを維持/妨害するためにポータルを奪い合ったり、移動に邪魔なリンクを張ったり、破壊したりと、複雑な要素が絡み合い、高度な戦術が要求されるゲームです。

「一緒にやろう」「チームに登録して」と勧誘されるんだけど

アノマリーでは、多くの人数が組織的に動ける方が有利です。そのためエンライテンドもレジスタンスも、仲間を募集しています。イージスノヴァと公式の参加登録とは別途に、陣営のコミュニティに登録することで、多くの仲間とチームを組んで参加できます。

チームで参加するメリットは、次の3つが挙げられます。

  • 大勢でワイワイやれて楽しい
  • 開催日時や集合場所など基本的な情報を集めやすくなり、安心できる
  • 全体の情報を共有し、役割分担して動くのでチームに貢献した満足感が大きい

情報がないまま少人数で参加すると、自分の周囲の状況しかわからないため「何となく戦って、何となく終わった」といった印象になってしまうこともあります。

アノマリーは、大勢のプレイヤーが集まる「お祭り」感と、アノマリーでなくてはできない大規模なチームプレイが魅力です。日常のプレイは気ままなソロプレイでも、アノマリーでは友達とチームを作ったり、既存のコミュニティに参加したりした方が楽しめるでしょう。

エンライテンド、レジスタンスともに広報サイトを作り、コミュニティの仲間を募集しています。

【エンライテンド】Aegis Nova @TOKYO 2016 これでいいのば![ENLIGHTENED]

【レジスタンス】Blue Planet.JP - AEGIS NOVA TOKYO

コミュニティって怖くない?

大丈夫です。基本的に「人数が多いほと有利」なので、参加者は大歓迎されます。

また、たいていのコミュニティでは参加者ひとりひとりのスタンスに合わせて役割を割り振ってくれるはずです。「リーダーの指示を受けて機敏に走り回るよ!」でも「友達とのんびり楽しみたいから、できる範囲でやる感じにしたい」でも、やりたいことをコミュニティの世話役にリクエストしてみましょう。

アノマリーはユーザーのコミュニティと力を合わせて行われるイベントなので、その運営の一端を担う機会もできます。

なお、Ingressのコミュニティの多くは、GoogleのSNSである「Google+」や「ハングアウト」(Hangouts)を利用しています。日頃利用していないユーザーは、インストールが必要になるかもしれません。

始めたばかりでレベルが低いんだけど大丈夫?

大丈夫です。歓迎されますし、希望すればレベル上げの手伝いなどもしてもらえるでしょう。

過去の日本のアノマリーではエンライテンドが全勝しているって本当?

東京では過去に2回、日本のそのほかの地域では5回以上(「プライマリー」または「サテライト」に限る)アノマリーが開催されています。このうち、レジスタンスが勝ったのは2013年8月に行われた「カサンドラ東京」のみです。

2014年12月の「ダルサナ東京」のほか、2014年5月の「インテリタス石巻」、2015年3月の「ショーニン京都」、同年6月の「ペルセポリス東北」、12月の「アバドン沖縄」、2016年2月の「オブシディアン浜松」は、いずれもエンライテンドの勝利となっています。

「日本のアノマリーではエンライテンドが全勝している」は正確ではありませんが、iPhone版が登場してIngressが大人気となったのは2014年7月以降だと考えると、日本の大多数のユーザーが記憶しているアノマリーの中では、エンライテンドが全勝していると言えます。

どうしてエンライテンドは強いの?

客観的な立場で情報を集めて分析し、語れる人がいないため(プレイヤーであれば基本的に自分が所属する陣営の情報しか得られず、陣営の秘密の情報は語られないため収集しにくい。またプレイを離れて中立的な立場で情報収集や分析している人もいないため)、何とも言えません。

ただ、Google+などで個人が手に入れられる範囲の情報をもとにアノマリーの分析を発表しているユーザーがいるので、参考にすることはできます。以下に、代表的なユーザーを紹介します。

miu2d4r ミウツー - Google+
中田吉法 - Google+

レジスタンスは勝てないの?

もちろん、やってみなければわかりません。2014年12月の「ダルサナ東京」のころからプレイしている人は、当日エンライテンドが日本のほとんどを覆い、勝利を決定付けた巨大CFを記憶しているかもしれません。

ダルサナ東京でエンライテンドが日本を囲んだ巨大CF。グァム、中国の山東半島、北海道の襟裳岬を結んでいます。

アノマリーのルールは毎回変わり、現在明らかになっているイージスノヴァのルールでは、巨大CFは加点の対象となりません。そして、同じルールで行われた2016年5月の「イージスノヴァ台南」(日本人エージェントも多数参加)では、レジスタンスは僅差で負けたものの、大いに善戦しました。

「今までどおりにエンライテンドが勝つ、レジスタンスが負ける」と予測できる材料は、それほど多くありません。やってみなければわかりません。

東京に行かなくてもリチャージしていればメダルをもらえるんでしょ?

過去のアノマリーではもらえたこともありましたが、イージスノヴァ東京では、リチャージはメダルの対象にならないと発表されています。

▼参考:両陣営リーダーからの発表
【お知らせ】 2016年7月16日に開催される「Aegis Nova Tokyo」アノマリーの、"遠隔リチャージ支援"に関するメダル付与についてお知らせいたします。

自転車とかがあると便利?

機動力が上がって非常に便利になるでしょう。イージスノヴァ東京では、受付とアフターパーティ会場がお台場だと発表されていますが、過去のアノマリーではかなり広いエリアが使われていたため、お台場エリア以外でもバトルが行われる可能性があります。しかし、どれくらいのエリアが対象になるかは明らかになっていません。

2014年のダルサナ東京では、日比谷公園~新橋から渋谷~恵比寿までのエリアが使われました。基本的には徒歩+電車で移動可能な設定がされると思われますが、速く移動できる手段があると便利かつ有利です。あたりまえのことですが、交通安全には十分に気を付けてください。

ダルサナ東京でバトルが行われたエリア。参加者は3色のエリアに分かれて戦いました。より多くの参加者が予想されるイージスノヴァ東京では、もっと広い範囲で行われる可能性もあります。

熱中症とか心配だよね?

2016年7月16日の東京は、梅雨が明けていてもいなくても暑くなるでしょう。アノマリーでは日中の屋外を長時間歩きまわることになるため、体調管理やスマートフォンのコンディション管理(バッテリー切れや熱暴走対策)は各自十分に気をつける必要があります。

最低限タオルと飲み物(ペットボトルにスマートフォンを当てれば熱暴走対策にも役立つ)、モバイルバッテリーは必須です。

ゴーラックって何?

「ゴーラック」(GORUCK)とは、アメリカのアパレルメーカー&トレーニングイベント運営企業です。ミリタリー仕様の製品が特徴で、Ingressのスポンサーでもあります。

2015年に沖縄で行われた「アバドン沖縄」以降のアノマリーでは、前日からアメリカ軍式の体を酷使する競技で両陣営が競い合う「ゴーラック」イベントが併催されることが恒例になっていて、イージスノヴァ東京でも予定されています。

ゴーラックのイベントページ。ゴーラックでは元米軍人(?)のスタッフのリードのもと、過酷な競技が行われます。

▼「Stealth Ops」は前日深夜から行われる夜間ミッション
GORUCK Ingress Stealth Ops - Tokyo, Japan - Google+

▼「Urban Ops」は当日昼間に行われるミッション
GORUCK Ingress Urban Ops - Tokyo, Japan - Google+

いずれも参加は有料で、参加者は「GORUCK」メダルをもらえます。これまでのゴーラックでは、勝利陣営にアノマリーでの戦いが有利になる情報が与えられました。今回も、体力自慢のエージェントが多数参加するでしょう。

ユーザーが作ったグッズが買えると聞いて

アノマリー当日に頒布会が行われ、ユーザーの作ったIngressグッズの頒布(販売)が行われます。詳細は未発表ですが、受付時またはアフターパーティ中になるのが一般的です。

「Pokémon GO」の予習のために始めてみたんだけど

Ingressと同じNianticが運営する「Pokémon GO」でもイベントが開催される可能性があります。雰囲気をつかむために参加してみるのもいいでしょう。IngressのエージェントでPokémon GOもプレイする人も多いはずです。知り合いを増やすいい機会にもなるでしょう。

また、Pokémon GOの正式公開は「2016年7月下旬よりも前」だと予想されています。もしかすると7月16日のイージスノヴァ東京で、何かしらのサプライズ発表などがあるかもしれません。

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