手持ちの古いスマホも利用できる

格安スマホの通信サービスは、大手キャリアに比べると月額5,000円近く安く済ませられることがあります。その格安スマホを使うためには、当然ですが、スマートフォン(端末本体)が必要になります。

最近の家電量販店の店頭では、「格安スマホ」として、安価なスマートフォンが多数販売されています。しかし、格安スマホの通信サービスは、そうしたスマートフォンを購入しないでも、いま使っているスマートフォンを流用したり、中古のスマートフォンを購入することでも、利用することができます。

手持ちのスマートフォンを利用する場合

格安スマホを使うためのスマートフォンの入手方法について、ケースごとに解説していきます。まず、現在所有しているスマートフォンを利用する場合は、次の4つの方法があります。

NTTドコモかauのiPhoneを持っている場合

NTTドコモとauのiPhoneは、モデルによっては格安スマホで利用できます。

NTTドコモのiPhoneは、すべてのモデルがそのまま、NTTドコモのネットワークを使っている格安スマホのサービスを利用できます。「UQ mobile」を除く格安スマホ事業者(MVNO)はNTTドコモのネットワークを使っているので、ほとんどの格安スマホのサービスで利用できるとも言えます。

auのiPhoneの場合、iPhone 6以降であれば、「mineo」が提供するauのネットワークを使ったサービスで利用できます。iPhone 5s以前のモデルは最新OSが使えない、通信が正常に行なえないなどの制限があるので注意が必要です。また、iPhone 6以降であっても、テザリングは利用できません。

mineoでは、NTTドコモとauのスマートフォン向けに格安スマホのサービスを提供しています。
▼公式サイト
mineo(マイネオ)

ソフトバンクのiPhoneは、そのままでは格安スマホのサービスは使えません。ただしiPhone 6s/6s Plus/SEの場合、購入から半年以上が経過していれば、SIMロックを解除することで、格安スマホのサービスを利用できます。SIMロックとその解除方法については、SIMロックする解除する場合のパートで詳しく解説します。

アップルストアで購入したiPhoneなど、もともとSIMロックがかかっていない場合は、そのまま格安スマホのサービスが利用できます。ただし海外で販売されているiPhoneは正常に通信できなかったり、法的に日本国内での利用が許可されなかったりする場合もあります。

いずれのケースでも、iPhoneを格安スマホとして使う場合は、格安スマホ事業者がiPhoneに対応している必要があります。格安スマホで使うには、利用する事業者がiPhone用の「プロファイル」を提供していないと使うことができません。格安スマホのサービスを契約する前に、事業者のWebサイトでiPhoneの対応有無を確認しておきましょう。

また、iOSのアップデートで「プロファイル」の更新も必要になることがあるので、アップデートが配信されてもすぐには適用せず、事業者の対応確認を待つようにしましょう。

NTTドコモのAndroidスマホを持っている場合

NTTドコモのAndroidスマートフォンは、その多くが、そのままの状態で、NTTドコモのネットワークを使っている格安スマホのサービスを使えます。

UQ mobile以外はNTTドコモのネットワークを使っているので、ほとんどの格安スマホのサービスで利用でき、NTTドコモのiPhoneと同様、非常に選択肢の多いケースと言えます。

格安スマホの通信サービスを提供する事業者の多くが、自社のサービスで動作確認されている機種リストを公開しています。よほど古い機種は対応機種外になっていますが、Xi(LTE)対応であればほとんど利用可能です。事業者のWebサイトで動作確認機種に含まれているか確認しましょう。

auのAndroidスマホを持っている場合

auのAndroidスマートフォンの一部は、auのネットワークを使っている格安スマホの通信サービスを利用できます。

auのネットワークを使っている格安スマホの通信サービスとしては、mineoUQ mobileがあります。いずれもWebサイトで対応機種の情報を公開しているので、自分の持っているスマートフォンが対応しているか、確認してみましょう。

auのAndroidスマートフォンは、少し古いVoLTE非対応のモデルであれば、そのまま利用できます。しかし、さらに古いLTE非対応の3Gモデルは利用できません。

VoLTE対応のAndroidスマートフォンについては、SIMロックが解除されていれば、mineoのVoLTE契約回線で利用できます。ただし、詳しくは後述しますが、2015年夏以降のモデルしかSIMロックは解除できません。

iPhone/AndroidスマホのSIMロックを解除する場合

NTTドコモやau、ソフトバンクなど大手キャリアのスマートフォンには、自社のネットワークしか使えない「SIMロック」がかかっています。しかし、2015年夏以降に発売されたモデルであれば、購入から6ヶ月が経過すると、SIMロック解除の手続きが可能になります。

ソフトバンクのスマートフォンは、残念ながらそのままでは格安スマホとして使えませんが、SIMロックを解除すれば、格安スマホで利用できます。しかしiPhone以外のスマートフォンは、ソフトバンクのネットワークに最適化されているため、他社のネットワークではうまく通信できないことがあります。

ソフトバンクのiPhoneは、SIMロック以外はほかのキャリアと共通と仕様なので、SIMロック解除できれば、ほぼ問題なく格安スマホで利用できます。ただしSIMロック解除できるのはiPhone 6s/6s Plus/SE以降の新しいモデルのみとなります。

なお、NTTドコモやソフトバンクの場合、SIMロック解除は契約者しかできません。解約してしまうとSIMロック解除できなくなるので注意しましょう。

SIMロック解除の手続きは、公式サポートWebサイトから無料で行なえます。以下のリンクを利用してください。各キャリアのショップに持って行っても手続きできますが、その場合は有料となります。

各キャリアのサポートページから申し込むことで、無料でSIMロックの解除を行えます。

また、NTTドコモの場合、2015年春以前のAndroidスマートフォンについても、SIMロック解除が可能です。こちらはショップでの有料手続きのみとなります。

NTTドコモのスマートフォンはSIMロックを解除しないでも格安スマホとして使えますが、SIMロック解除しておくと、海外旅行に行ったときに現地の格安スマホのプリペイドSIMカードを使えるので、解約前に解除しておくのがオススメです。

いま使っているスマートフォンをそのまま使うときの「注意点」

iPhoneでもAndroidスマートフォンでも、いま使っているスマートフォンをそのまま格安スマホとして使えば、新規購入のコストを節約できます。また、使っているアプリなどを再インストールする手間も省けます。しかし、いくつかの注意点があります。

まず、大手キャリアを解約してしまうと、端末購入時の割引がなくなってしまいます。購入直後だと大きな金額になることもあるので、注意が必要です。

とはいえ、割引額は大きくて月額3,000程度です。大手キャリアから格安スマホに移行すれば通信費用が月額5,000円近く安くなることがあるので、場合によっては割引をあきらめてでも、格安スマホに移行する価値があります。

大手キャリアを解約すると、大手キャリアの各種サービスが使えなくなりますが、Androidスマートフォンの場合、それらのサービス用のアプリが消せずに残り、邪魔になることもあります。これは基本的にどうしようもないので、必要に応じてフォルダにまとめるなどして整理しましょう。

もう1つ注意したいのがバッテリーです。2年以上同じスマートフォンを使い続けていると、バッテリーが劣化してバッテリーの持ちが悪くなることがあります。こればかりは避けることができません。機種によっては、有償で内蔵バッテリーの交換ができたりするので、そうしたサービスの利用も検討しましょう。

スマートフォンを新しく購入する

新しくスマートフォンを購入する場合には、次の3つの方法があります。

格安スマホ事業者から新品を購入する場合

多くの格安スマホ事業者は、安価なスマートフォンを回線契約とセットで販売しています。事業者によっては割引サービスも提供していたり、分割払いが可能なこともあります。

セットで購入したときの割引額は、大手キャリアが提供している割引ほど大きな金額ではありません。欲しいスマートフォンが使いたい事業者でセット割引販売されているならば、そこで購入することでお得になりますが、スマートフォンは長期間、日常的に使うものなので、割引販売にあまりこだわらず、家電量販店やメーカーの直販サイトも比較し、自分に合った使いやすいスマートフォンを選ぶのがオススメです。

しかし、格安スマホ事業者でスマートフォンを購入することには、割引以外にもメリットがあります。

まず、スマートフォンのネットワーク設定があらかじめされていて、何もせずに、あるいは選択肢から事業者を選ぶだけで通信できるようになります。ただし、ネットワーク設定は最初に1回するだけで済むので、自分で設定するのもそれほど面倒だったり難しかったりするわけではありません。

また、格安スマホ事業者が販売しているスマートフォンは、その事業者にとっての「推奨機種」のような扱いになるので、動作が保証されているだけでなく、故障や不具合が起きたときにサポート窓口で対応してもらいやすいというメリットもあります。

格安スマホ事業者以外から新品を購入する場合

家電量販店やメーカーの直販サイトなどで、格安スマホで使えるスマートフォンを購入することもできます。こうしたスマートフォンは、回線契約とは別個に購入でき、どの事業者のSIMカードを挿入しても通信できることから、「SIMフリースマホ」などと呼ばれることもあります。

このSIMフリースマホのことを「格安スマホ」と呼ぶこともありますが、実際のところ、価格はさまざまです。安価なものは1万円前後からありますが、その性能は1万円前後なりのものになります。一方で6万円以上の高性能なスマートフォンも販売されています。

実のところ、大手キャリアには端末購入時の割引があるので、同程度のスペックのスマートフォンを比較すると、大手キャリアで購入した方が安いケースもあります。

中古のスマートフォンを購入する場合

とにかく安くスマートフォンを調達したい場合は、中古のスマートフォンを購入するという手もあります。

とくにNTTドコモやauのiPhoneは、格安スマホでも使いやすいため、中古市場でも人気があり、販売価格が高めな反面、比較的高額で買い取りがされ、中古ショップでも多数の在庫を持っています。

Androidスマートフォンは機種数が多いこともあり、ショップによって品揃えはバラバラですが、そこそこの中古在庫が流通しています。

中古のスマートフォンはさまざまなリスクが伴います。中古なので、傷などが付いているのは仕方ないところですが、購入時から機能面での不具合があった場合に備え、簡単な保証のついている中古ショップがオススメです。

また、大手キャリアの販売しているスマートフォンは、割賦販売で全額が払い込まれなかったとき、遠隔操作でロックがかかってしまうので、支払いが完了している安全な中古製品を選ぶか、万一ロックがかかったときに補償してもらえる中古ショップで購入するようにしましょう。

新たにスマートフォンを買うときの「選ぶポイント」

格安スマホのために新品・中古のスマートフォンを購入するときにも、いくつか注意するべきポイントがあります。

まず中古で売られている古いモデルや1万円前後の安価なモデルだと、最新のアプリやサービスが使えないことがあります。たとえば最近話題になっているスマホアプリの「Pokemon GO」は、AndroidスマートフォンではAndroid 4.4以降、2GB以上のシステムメモリ(RAM)でないと楽しめません。

安価なことは魅力ですが、アプリやサービスが使えなくて買い換えるようだと、まさに「安物買いの銭失い」になってしまいます。逆に長く使えるのであれば、多少高くても長い目で見れば安上がりになることもあります。Androidスマートフォンを選ぶときは、Android 4.4以降、2GB以上のシステムメモリを搭載するスマートフォンがオススメです。

また、中古の古いモデルだと、バッテリーが劣化していることもあります。これも避けようがないところなので、長く使いたいのであれば、バッテリーを交換できる中古スマートフォンを選ぶか、新品を購入するようにしましょう。

以下に新品販売されているオススメや人気のSIMフリースマホをいくつかピックアップして紹介します。

まずiPhoneです。アップル公式のオンラインストアか、Apple Storeで購入できます。価格はiPhone SEの64GBモデルでも59,800円(税別)と、やや高価ですが、定番製品だけにアクセサリー製品も多く、長期間にわたって最新OSが提供され続けるので、長く使い続ける人にも安心です。

iPhone SE

HUAWEI(ファーウェイ)の「P9 lite」は指紋認証機能や5.2インチの大画面、十分なスペックと最新のAndroid 6.0を搭載しつつも実売価格3万円弱とコストパフォーマンスの非常に高い1台です。HUAWEI(ファーウェイ)は中国の通信機器メーカーで、高い技術力と生産能力を持ち、製品の品質とコストのバランスに優れています。

P9 lite

富士通の「arrows M03」は防水やおサイフケータイ、ワンセグといった日本独自仕様に対応した、富士通製のスマートフォンです。こちらも実売価格3万円弱で販売されています。

arrows M03

このほかにも京セラやシャープなどの国産メーカーが防水のSIMフリースマホを販売しています。

使いやすいスマートフォンを選ぼう

「格安」スマホとは言いますが、無理に安いスマートフォンを選んで、「安物買いの銭失い」にならないように注意しましょう。

また、現在使っているスマートフォンが格安スマホで流用できる場合は、購入時のコストだけでなく、アプリ再インストールの手間などが省けるので、なるべく流用することをオススメします。

あとはiPhoneからAndroidへ、AndroidからiPhoneへ移行すると、使い勝手が変わるだけでなく、それまで購入してきたアプリなどが買い直しになるので、注意が必要です。

次回は格安スマホの通信サービスを提供する事業者(MVNO)の選び方について解説します。