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iPhoneで月の写真をきれいに撮る方法のポイント

  1. 月の明るさに合わせてマニュアル露出で撮影できるアプリ「MuseCam」を使う
  2. ISO感度を低く設定する
  3. 月の模様がぼんやりと見える程度のシャッター速度に設定する
  4. 月の模様がよく見える焦点距離を調整し、撮影する

スマホのカメラは「月」の撮影が大の苦手

iPhoneのカメラは非常に高機能ですが、月の撮影は苦手中の苦手です。きれいな月を見つけて撮影しても、以下のように、ぼやっとした光が写っただけの残念な写真になってしまいますね。これは、カメラの「露出」がオーバーになってしまうことが原因です。

きれいな月が出ている! とiPhoneで撮影すると、だいたいこのような仕上がりに。夜空の中で月だけが明るいため、強すぎる光として写ってしまいます。

そもそも露出とは?

カメラの「露出」について簡単に解説しましょう。

カメラは撮影素子に光を当てることで撮影を行いますが、「露出」とは「どれだけ光を当てるか」のことです。iPhoneやデジタルカメラは、次の3つのパラメーターで露出を設定します。

  • シャッター速度(光を当てる時間の長さ)
  • 絞り(時間あたりの光の強さ)
  • ISO感度(撮影素子の光を受ける感度の高さ)

iPhoneのカメラは常に自動で最適な露出を判断します。しかし、被写体の中で明暗差が大きいと、適切に判断できない場合があります。

「暗い夜空に小さな明るい月」のような被写体はその典型的な例で、画面のほとんどを占める夜空の暗さに影響されて、被写体の中でピンポイントに明るい月の部分に対しては、光が当たりすぎ=露出オーバーの状態となってしまいます。結果、月の部分は「白飛び」と呼ばれる、ただの白い光になってしまうのです。

月をきちんと撮るには、月の明るさに合った露出にすればいいのですが、iPhoneのカメラでは不可能です。露出補正機能である程度の調整は可能ですが、いちばんアンダー(暗め)にしても、まだ明るすぎます。

iPhoneのカメラでは露出補正のマークを上下にスライドさせて露出補正が可能です。しかし、夜空に浮かぶ月に最適な露出にすることは難しく、たいていはぼんやりとした光のままです。

そこで、手動で露出を設定できる無料のカメラアプリ「MuseCam」を使います。

マニュアル露出可能なMuseCamで月を撮影する

MuseCamは多くのカメラアプリを提供しているMuseWorks, Inc.のアプリで、写真の加工やマニュアル露出による撮影が可能です。アプリは無料。加工用のアドオンや写真を有料で提供しています。

MuseCamMuseCam
iPhone(App Store)

以下の手順では、ISO感度(絞り+ISO感度にあたり、光の強さに関する設定をまとめて行うようです)→シャッター速度の順にマニュアルで露出を設定し、次に焦点距離(被写体の距離)を設定し、最後にシャッターを押して撮影します。

地上から見る月は小さすぎて、iPhoneのカメラで一眼カメラ並の画質を求めるのは無理があります。しかし、MuseCamを使えば、月の模様がわかる程度に撮ることは可能です。

なお、以下の手順では手持ちで撮影していますが、三脚などでiPhoneを固定できれば、手ブレを抑えてよりきれいに撮れるでしょう。

1月をフレームに収め、ISO感度を設定する

MuseCamで月の写真をきれいに撮る ISO感度の設定

MuseCamを起動したら画面中央下のカメラのアイコンをタップして撮影を開始します。月にカメラを向けてフレームに収め、大きく撮りたい場合は画面をピンチアウトして拡大しておきます。
並んだアイコンの左から3番目にある[ISO]をタップしてISO感度のスライダーをスワイプし、手動で調整します。右にスワイプして最小値(もっとも左の目盛り)にしておくと、あとの調整がやりやすいです。
手動で調整すると[AUTO]の表示が緑色から黒に変わります。

スライダーの代わりに、カメラのプレビュー部分をタッチしてしまうと、ISO感度、シャッター速度、焦点距離のそれぞれが自動調整されてしまうので注意してください。タッチしてしまった場合は、手順1から操作をやり直します。

なお、右から2番目の「囲」のようなアイコンをタップすると、画面を9分割するグリッド(構図を決めるための補助線)が表示されます。

2シャッター速度を設定する

MuseCamで月の写真をきれいに撮る シャッター速度の設定

左から2番目にあるカメラレンズの絞り羽のようなアイコンをタップし、シャッター速度を調整します。ISO感度を最低値にしている場合、目安は「1/250」前後です。画面のピントが合っていなくても月の模様がぼんやりとわかる位置があるので、そこに合わせておきます。

3焦点距離を設定し、撮影する

MuseCamで月の写真をきれいに撮る 焦点距離の設定

いちばん左の小さな丸のアイコンをタップし、焦点距離を調整してピントを合わせます(くっきりと見えるようにします)。目安は「0.7」前後です。
調整ができたら、シャッターボタン(下の赤いボタン)をタップして撮影します。

撮れた写真が以下です(iPhone 6sで撮影。トリミングあり)。iPhoneのデジタルズーム(レンズでは取得しきれない細部の情報をコンピュータ処理で補う拡大表示機能)を限界まで使っているため多少ぼやけてしまいますが、月の模様(月面の陰影)がわかります。

iPhoneアプリ「MuseCam」で撮影した月の写真

上の写真をタップするとオリジナル(無加工)の写真を表示します。なお、被写体は満月ではありません。

HINT月がどこに出ているか探すには

月の場所を知るには、無料の天体観測アプリ「SkyView Free」が便利です。まだ見えない(水平線/地平線の下にある)場合を含め、自分の現在位置からどの方角に見えるかを探すことができます。残念ながら曇りで見えにくい場合に利用してみましょう。

▼詳しい使い方はこちら
月や惑星、星座などの位置がわかる! 天体観測アプリ「SkyView Free」の使い方

「SkyView Free」を起動して右上の検索アイコンをタップし、[Solar System]→[Moon]とタップすると月の方角が表示されます。