指数平滑法による予測
FORECAST.ETS.STAT 指数平滑法を利用して予測を行うときの各種の統計量を求める
対応バージョン:
[タイムライン]を元に[値]の予測を行うときに使われる各種統計量を求めます。元のデータに欠測値がある場合には[補間]の指定ができます。また、元のデータに同じ期の値が複数ある場合には[集計]の指定もできます。予測にはETS(三重指数平滑法)アルゴリズムのAAAバージョンと呼ばれる方法が使われます。
入力方法と引数
FORECAST.ETS.STAT
値 | タイムラインに対応する値(予測に使う元の値)を指定します。 | |
---|---|---|
タイムライン | 年度や日付など、[値]が得られた期を指定します。 | |
求めたい値 | どの統計値を求めたいかを以下のように指定します。値の意味については活用のポイントを参照してください。 | |
1 | αパラメーター | |
2 | βパラメーター | |
3 | γパラメーター | |
4 | MASEの値 | |
5 | SMAPEの値 | |
6 | MAEの値 | |
7 | RMSEの値 | |
7 | 検出されたステップサイズ | |
季節性 | 季節性の変動がある場合に、周期を指定します。1を指定するか省略すると季節性は自動的に計算されます。1を指定するか省略すると季節性は自動的に計算されます。0を指定すると季節性がないものと見なされます。8760までの値が指定できます。 | |
補間 | 欠測値がある場合に1を指定すれば自動的に補間されます。0を指定すると欠測値を0とします。省略すると1が指定されたものと見なされます。全体の30%までは欠測値の補間が行われます。 | |
集計 | タイムラインに同じ期がある場合、[値]を集計します。以下の方法が指定でき、( )内に記述した関数と同じ方法で集計を行います。省略した場合は集計を行いません。 | |
1 | 平均(AVERAGE) | |
2 | 数値の個数(COUNT) | |
3 | データの個数(COUNTA) | |
4 | 最大値(MAX) | |
5 | 中央値(MEDIAN) | |
6 | 最小値(MIN) | |
7 | 合計(SUM) |
使用例四半期ごとの売上高を元に予測を行う場合の、各種統計量を求める
活用のポイント
- 三重指数平滑法とは、過去のいくつかの値の平均から次の値を予測する方法です。このとき、最近の値のほうに指数関数的に大きなウェイトを与え、古い値の影響を少なくします。FORECAST.ETS.STAT関数では、予測を行うときに使われる数式の係数や予測の精度を表す値が求められます。
- [タイムライン]には日付や「期」を表す値を指定します。[値]と[タイムライン]のサイズが異なる場合、[#N/A]エラーとなります。
- [タイムライン]は並べ替えられている必要はありません。
-
[求めたい値]に指定した値によって、予測に使われる係数や各種の統計値が得られます。以下の1~3と8はいわば予測の方法に関する値で、4~7は予測の精度(誤差の大きさや割合)に関する値です。
1 αパラメーター この値が大きいほど最近のデータの重みが大きくなります。 2 βパラメーター この値が大きいほど最近の傾向の重みが大きくなります。 3 γパラメーター この値が大きいほど最近の季節性の重みが大きくなります。 4 MASEの値 Mean Absolute Scaled Error(平均絶対スケーリング誤差)の略です。予測の精度を表す値です。 5 SMAPEの値 Symmetric Mean Absolute Percentage Error(対称平均絶対比率誤差)の略です。誤差の割合に基づいて求めた精度です。 6 MAEの値 Mean Absolute Error(平均絶対誤差)の略で、予測値と実測値の差の絶対値の平均です。 7 RMSEの値 Root Mean Square Error(平均平方誤差)の略で、予測値と実測値の差の二乗の平均の正の平方根です。 8 検出されたステップサイズ 予測に使われるステップ(刻み値)のサイズです。 - 季節性の変動を自動的に計算するには、[季節性]に1を指定するか省略します。ここでの例の周期は実際には4なので、[季節性]に4を指定しても、[季節性]を省略した場合と同じ結果になります。
- [季節性]に8760を超える値を指定すると[#NUM!]エラーとなります。
- 欠測値がある場合には[補間]に1を指定するか省略します。[補間]に0を指定すると、欠測値が0と見なされます。
- 予測の方法や引数の詳細については、FORECAST.ETS関数の記事を参照してください。
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