回帰直線による予測
FORECAST.LINEAR 回帰直線を利用して将来の値を予測する
対応バージョン:
すでに分かっている[yの範囲]と[xの範囲]を元に回帰直線を求め、[予測に使うx]に対するyの値を求めます。回帰直線はy=a+bxで表されます。なお、[yの範囲]は従属変数または目的変量と呼ばれ、[xの範囲]は独立変数または説明変量と呼ばれます。
入力方法と引数
FORECAST.LINEAR
予測に使うx | yの値を予測するために使うxの値を指定します。 |
---|---|
yの範囲 | すでに分かっているyの値をセル範囲または配列で指定します。 |
xの範囲 | すでに分かっているxの値をセル範囲または配列で指定します。 |
使用例1四半期ごとの売上高を元に2019年第1四半期の売上高を予測する
使用例2四半期ごとの売上高を元に2019年第1四半期~第4四半期の売上高を予測する
{=FORECAST.LINEAR
(B15:B18,E3:E14,B3:B14)}
上記はセルE15~E18に配列数式として入力されている数式です。FORECAST.LINER関数を配列数式として入力すれば、複数の[予測に使うx]に対する値のyの値の予測ができます。ここでは、2016年から2018年までの四半期ごとの売上高を元に2019年第1四半期~第4四半期の売上高を予測しています。
配列数式として上記の関数を入力するには、セルE15~E18を選択して「=FORECAST.LINEAR(B15:B18,E3:E14,B3:B14)」と入力したあと、入力の終了時に[Enter]キーではなく[Ctrl]+[Shift]+[Enter]キーを押します。配列数式の{ }は自動的に表示されるので、入力する必要はありません。[予測に使うx]としてセルB15~B18が指定されていることに注意してください。
活用のポイント
- この関数は、これまで使われてきたFORECAST関数と同じ働きをします。
- この関数はxとyの関係が直線的であると考えられる場合に有効です。直線が当てはめられないような場合には、この関数で予測しても意味がありません。実際のところ、この例には季節性の変動があるので、FORECAST.LINER関数を使った予測は正確ではありません(グラフを見るとそのことが分かります)。ここでは、季節性の変動を含めて予測できるFORECAST.ETS関数の記事にある例と対比するために、あえてこのような例にしてあります。
なお、四半期ごとではなく、年間の売上高を合計した値で予測すると、比較的正確な予測ができます。そのような例はFORECAST関数の記事に掲載しています。FORECASTをFORECAST.LINEARと読み替えてみてください。ほかにも、指数関数や対数関数に当てはまるようなデータもありますが、そういった場合も、この関数の利用は適切ではありません。 - 計算の対象になるのは、数値と数値を含むセルです。
- [予測に使うx]に空白のセルを指定すると、0が指定されたものとみなされます。
- [yの範囲]や[xの範囲]に含まれる文字列や論理値、空白のセルは計算の対象になりません。いずれか一方だけが計算の対象にならない場合でも、そのyの値とxの値のいずれもが計算から除外されます。
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