こんにちは、できる編集部の進藤寛と申します。「"できる"大食漢の神保町ペロリ旅」の第29回をお送りします。

重い腰を上げて、ガッツリ系の極北に挑む!

「ラーメン二郎」は、全国に39店舗を構える、言わずと知れた人気ラーメン店。小麦の香りが豊かで極太かつ歯ごたえ抜群の麺と、濃厚な旨味と大量の油脂で脳天を揺さぶるほどに強いスープとが見事にバランスし、中毒性の高い突き抜けた美味しさを誇るラーメンです。

なおかつ常識外れに量が多く、その量の多さたるや、熟練の大食漢ですら尻尾を巻いて逃げ出したくなるほど。いわばガッツリ系の食べ物の極北とも言える存在であり、熱狂的なファンがたくさんいます。

かく言う私もしがないファンの1人。学生時代、高田馬場店に初めて足を運んだときは、今ひとつ良さが分かりませんでしたが、ラヲタ(ラーメンオタク)の友人から「3回食べてから判断すべし」と教えられ、言われたとおりに3回通ったところ、気付いたときには虜になっていました。

以来、店舗による味の違いを学ぶために桜台と目黒の二郎をハシゴしたり、地元の埼玉県大宮市に二郎がオープンしたときは朝6時から並んでみたりと、自分なりに勉強してきました。

宗教で神の名を口にするのを避けられるように、あるいはロシアに「熊」を意味する単語がないように、二郎についてあけすけに語ること自体、おそれ多く、はばかられる気持ちが強いのですが、ここ神保町には幸か不幸か、「ラーメン二郎」の中でも有数の人気店である「ラーメン二郎 神田神保町店」があります!

「ラーメン二郎 神田神保町店」は愛全公園に近くにあります

神保町の大盛り・ドカ盛り情報をお届けする本コーナーにおいて、避けては通れない存在です。これまで敬遠していましたが、ようやく重い腰を上げて、神保町二郎に伺ってきた次第です。

行列に並ぶ際の注意点

「ラーメン二郎」を食べたいのならば、行列に並ぶことを覚悟しましょう。とりわけ神保町二郎は二郎の中でも量が多いことで有名な人気店なので、行列も激しいです。

今回はお昼どきをはずして、14時半ごろ並び始めたのですが、なんやかんやで着丼は15時すぎごろでした。じゅうぶんに時間に余裕のあるときに伺うのがいいと思います。

行列に並ぶときの注意点として、歩行者や近隣の方、お店側や他のお客さんに迷惑が掛からないようにマナーを守るのはもちろんのことですが、複数人で並んでいるときなどに、二郎について話題にするのは極力避けたほうが無難です。

なぜなら、列の前後に並んでいる人たちは二郎に対して畏敬の念を抱いており、軽々しく口にすることを避ける人たちが大半だからです。ジッとしながらスマホをいじるか、読書などをして過ごすのがいいと思います。

マナーを守って大人しく過ごすのが粋な並び方です

二郎の「小」は他店の「特盛」

並んでいるうちに、店員さんが外に出てきてラーメンの大きさを聞かれるので、「小」か「大」かのいずれかを答えます。

「小」はラーメン二郎における普通の大きさのラーメンで、一般的なラーメン店では特盛りに相当する量です。「大」はラーメン二郎における大盛りで、一般的なラーメン店では大盛り2杯分から特盛り2杯分に相当します。大きさを伝えたら厨房で麺を茹で始めるので、以降の変更はできません。麺を硬めにしたい場合は、この時点でその旨を伝えます。

今回は、腹をくくって「大」をオーダー。「大」を食べるのは初めてではありませんが、挑戦するときはいつも緊張します。挑戦に備えて前日の晩ご飯は抜いてきましたが、それでも食べられるかは不安が残ります。

大きさを伝えた後、「大」を頼んだ人はおもむろに「準備運動」をし始めることが多いのですが、私もその1人です。食べきれる確率を1%でも上げたいと思うと、ジッとしていられなくなり、無駄に肩を回したり、ストレッチをしたりしてしまうのです。

行列の中にこういう人を見つけたら、どうか心の中でエールを送っていただけますと幸いです。

完食を意識して「コール」で味を調整

行列が終わって、店内に入ると、まず食券を購入します。先行して大きさは伝えてありますが、同じ大きさの中でも豚(煮豚。一般的なラーメン店でいうチャーシュー)の枚数を変更でき、それは食券の購入時点で決定します。

豚はアゴのスタミナの消耗が激しいので、豚を増すと完食の難易度が上がります。自分のコンディション的には豚を増さないのが適正と判断し、今回は「大」(750円)と「生卵」(50円)でオーダーすることにいたしました。食券を購入したら、店員さんが見やすいようにカウンターの上に置きます。

大 750円/生卵 50円の食券

トッピングの生卵は、ラーメンよりも先行して提供されます。食べ方は人それぞれですが、私は麺の一部をこちらに入れて食べます。

生卵が提供されたら、早めに下ごしらえしておくと、着丼直後にスムーズに食べ始められるようになります。ここでは、よく溶いてコショウを振っています。

その後、提供の準備が整うと、店員さんから「ニンニク入れますか?」あるいは「ニンニクは?」などと聞かれます。これは、どの具材の量をどれだけ増やすかを伝えるタイミングで、「コール」と呼びます。

コールできるのは以下の4種類で、「ニンニク」「ヤサイ」のように増やしたいものをコールします。

二郎のコール一覧

コール内容
ヤサイモヤシとキャベツをサッと茹でたもの
ニンニク刻んだニンニク
アブラプルプルとした豚の脂
カラメ「カネシ醤油」という醤油

4項目全て増す場合は「全マシ」、4項目中アブラ以外を増す場合は「アブラ以外」というコールもできます。また、沢山増したい場合は「マシマシ」というコールもあります。

これは個人的な感覚ですが、「アブラ」を増すと完食の難度が上がる気がします。一方、「ヤサイ」「ニンニク」「カラメ」は増さないよりも増した方が食べやすくなります。そのため、小などを初めて食べる方は「ヤサイニンニクカラメ」(または「アブラ以外」)とコールするのがお薦めです。

今回は大ラーメンなので、「ヤサイ」を増すと、後述する「天地返し」がしづらくなるものと判断し、「ニンニク」「カラメ」でコールしました。

コールが通ったら、いよいよラーメンのお出ましです!