iPhone、Androidの[Google翻訳]アプリに搭載されている「Word Lens」機能は、カメラで写した映像を、その場でリアルタイムに翻訳する機能です。カメラを通すといっても写真を「撮影」する必要はなく、街角の看板や本、パソコンのモニターなどにカメラを向けるだけで、その中の文字を翻訳できます。

この機能は2015年1月に、英語とヨーロッパの主要言語に対応して始まりました。日本語は30番目の対応言語だとのこと。日本語とのリアルタイム翻訳が可能なのは、2017年1月30日時点では英語だけです。

▼Internet Watchの記事
もはや視覚のほんやくコンニャク、「Google 翻訳」アプリが「Word Lens」でパワーアップ -INTERNET Watch Watch(2015年1月15日)
視覚のほんやくコンニャクが日本語に対応、「Google翻訳」アプリのリアルタイムカメラ翻訳 -INTERNET Watch(2017年1月25日)

Google翻訳
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オフライン翻訳用のファイルをダウンロードしておく

「Word Lens」の機能を利用するには、あらかじめ日本語のオフライン翻訳用ファイルをダウンロードしておく必要があります。アプリを起動したときや、アプリ内でカメラを使うときに表示されるメッセージに従ってダウンロードしておきましょう。

1[Google翻訳]アプリでカメラを起動する

[Google翻訳]アプリを起動し、カメラのアイコンをタップします。

2オフライン翻訳ファイルをダウンロードする

カメラが起動し、同時にオフライン翻訳ファイルをダウンロードするようメッセージが表示されました。[ダウンロード]をタップします。

3Word Lensが利用可能になった

オフライン翻訳ファイルのダウンロードが完了し、カメラがWord Lensが作動しました。カメラで映している画面の文字が、翻訳されていることがわかります。

旅行先で案内板を読みたいときなどに有効

Word Lensの翻訳は単語レベルで行われるため、文章の翻訳には不向きです。単語の翻訳も現時点での精度はそれほど高くはありません。複数の映像認識パターンや訳語がある場合は、チラチラと切り替わって表示されるため、その中から適切と思われる訳語を考える必要があります。

以上のことから、翻訳アプリとしての信頼性はそれほど高くありませんが、旅行先での案内板の意味を知りたい場合や、目の前にある単語の意味を、入力する手間を省いて調べたい場合などには便利でしょう。

何より非常に「未来」感のある画面で、誤認識や誤訳を含めて楽しめる機能です。日常的に翻訳アプリを使う必要がない人も、一度試してみることをおすすめします。

この交差点の風景を、Word Lensで見てみます。

英語→日本語で翻訳したところ。もとの映像の色やフォントをある程度反映して表示しようとするので、「山田モバイル」など、本当に言語が置き換わったように見えます。
道路上の車に表示されている「病気」は、自動車の窓などが偶然「ILL」の形に認識されたと思われます。

日本語→英語で翻訳したところ。旅行先などで便利に使いたい機能ですが、駅名や地名などの辞書はそれほど充実していないようです。路線図や駅の案内板を映してみても、「東京」「上野」や「渋谷」などは適切に翻訳されますが、「新橋」は「new bridge」になったりします。