こんにちは。できる編集部の井上薫です。皆さん、この土日はどんな休みを過ごしましたか? 私は「今度発売の書籍のタイトルをどうしよう」「その次の企画が決まってない......」などと、未解決案件が頭の中をぐるぐる。あまり休めた気がしない土日でした。

今回は、おなじみ住職で精神科医で、書籍「『あるある』で学ぶ 余裕がないときの心の整え方(できるビジネス)」の著者でもある川野泰周さんに、忙しい人の休息の仕方を教えていただきました。

疲労が溜まっている人は4つのRをチェック!

――この土日はずっと家にいたんですが、仕事のことばかり考えてしまいました。なんだか休めた気がしません。

川野 ビジネスパーソンや主婦にとって、休日でも頭から仕事のことが離れないということは珍しくありません。実際、私のクリニックにもそのような状態でクタクタに疲弊している方がよく訪れます。

こんな患者さんを問診するときには、次の「4つのR」が足りているかをチェックしてもらいます。

1.リラクゼーション(Relaxation)
神経をしっかり休めていますか?
呼吸瞑想やアロマが効果的です。

2.レスト(Rest)
体をしっかり休めていますか?
睡眠やマッサージをして、回復させます。

3.レクリエーション(Recreation)
遊んだり楽しんだり笑うことで気分を変えられていますか?
自分の趣味や気の許せる人と過ごしましょう。

4.リトリート(Retreat)
普段の生活と離れて静養できていますか?
都会から離れて森林セラピーなど、心身を養生しましょう。

自分だけの「プチリトリート」を見つけよう!

――働きすぎているときは、こうしたRに時間が取れませんね...。リトリートは、具体的には旅行に行ったりすることですか?

川野 旅行とは少し違います。 禅的リトリートは、都会や日常から離れ、山や高原、海岸などの施設に滞在して、非日常に身に置いた状態で瞑想するなどして心身を養生することを指しまます。

――いいですね。しかし、遠いところに行きたくても、時間がありません。

川野 そういうときは、わざわざ遠方までに出掛けなくてもいい「プチリトリート」をしてみてください。自宅や職場など、日常の空間とは違うところを、距離的には離れていない場所で探し、そこで瞑想をします。

私も、自宅から数分で行ける場所に自分だけのリトリート空間を持っています。目の先に工業地帯が広がる埠頭(ふとう)ですが、そこに身を置いて瞑想することで、頭の中をリフレッシュできます。

次の条件をすべて満たしている場所が、プチリトリートに最適です。

  • 他人の視線を感じない場所
  • 他人から話しかけられない場所
  • 海、川、山、植物など自然を感じられる場所

たとえば自宅のベランダに花壇がある人はそこでもかまいません。また通勤通学の途中に自然豊かな公園がある人は、そこでもいいでしょう。そういった空間を見つけて、瞑想してみましょう。

――自分だけのリトリート空間、見つけたくなりました。

川野 限界を感じる働き方をしていると、必ず心は壊れます。その前に、4つのRであなたの心と体を回復してください。


次回予告
次回予告:香りで心を整えるアロマの力! br>

川野泰周(かわのたいしゅう)さん
精神科・心療内科医/臨済宗建長寺派林香寺住職。

1980年横浜生まれ。2004年慶応義塾大学医学部医学科卒業後、精神科医として診療に従事。2011年より建長寺専門道場にて3年半にわたる禅修行、2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。現在寺務の傍ら都内及び横浜市内にあるクリニック等で、うつ病、神経症、PTSD、睡眠障害などに対し薬物療法と並び禅やマインドフルネスの実践を含む心理療法を積極的に取り入れた診療にあたっている。
著書「『あるある』で学ぶ 余裕がないときの心の整え方(できるビジネス)」。