パソコンから離れたら約1分後に自動でロック
「Dynamic Lock」(動的ロック)は、Windows 10 Creators Updateで搭載された新機能です。パソコンとスマートフォン(iPhone/Androidなど)をBluetoothで接続しておき、スマートフォンを持ったままトイレに行ったりしてパソコンからスマートフォンが検知できない距離まで離れると、約1分後にパソコンが自動的にロックされるようになります。
設定方法は簡単で、Bluetoothで接続したあと[サインインオプション]の設定を変更するだけ。パソコンのロックを忘れて移動してしまい、ほかの人に画面を見られたり操作されたりしてしまうことを回避できます。
(パソコン、スマートフォンともにBluetoothに対応している必要があります)
1スマートフォンとパソコンをペアリングする
[設定]の[デバイス]→[Bluetoothとその他のデバイス]で、AndroidスマートフォンやiPhoneとペアリングして接続しておきます。
2Dynamic Lockを設定する
[設定]の[アカウント]→[サインインプション]画面を下にスクロールし[動的ロック]の[その場にいないことをWindowsで検出してデバイスを自動的にロックすることを許可します]にチェックマークを付けます。
以上で設定は完了です。
Dynamic Lockでは、Bluetoothで接続していたしたスマートフォンが検出できない=通信不能になったときに「ユーザーが離れた」と判定しますが、一般的には10メートル程度、またはコンクリートの壁など遮蔽物を隔てた場所に移動したとき、通信不能となりロックされます。
ロックの解除は通常の操作でOK
Dynamic Lockでパソコンがロックされたとき、ロックの解除は通常の操作ログイン操作で行うことができ、スマートフォンは必要ありません。
再ログインしたときにパソコンとスマートフォンが自動的に再接続した場合はDynamic Lockが有効になり、次に離れたときにも同様にロックされます。Dynamic Lockを無効化したいときは、[サインインプション]で[動的ロック]の[その場にいないことをWindowsで検出してデバイスを自動的にロックすることを許可します]のチェックマークをはずします。
この機能はパソコンの安全性を高めるために有用ですが、一般にはBluetoothテザリングでもしていない限りパソコンとスマートフォンをBluetoothで常時接続しておく理由がないため、実用性には少々疑問が残る面もあります。
環境によってはBluetoothが不安定できちんと動作しないことがあるかもしれません。編集部で試したところでは、パソコンとiPhoneの接続が不安定で自動接続しないことが多々あったほか、数回接続と通信不能を繰り返したところ接続できなくなり、再起動したことがありました。また、Bluetooth接続時は貴重な電池(特にスマートフォンの)を消費するため、Dynamic Lockのためだけに長時間接続しておくかは考える必要があるでしょう。
このような課題もありますが、職場のような電源の供給が安定していてうっかりロック忘れが多い場所で安全性を高めるには、利用を検討してもいいでしょう。自分のパソコンとスマートフォンが安定して接続できるか、まずはテストしてみてください。