その立地が実力を物語る

ここ神保町には、ラーメン店の中でも有数の人気店である「ラーメン二郎 神田神保町店」があります。

ラーメン二郎は人気のあまり「二郎インスパイア」と呼ばれるフォロワー的なお店を多数生み出しています。そして、神保町二郎のすぐ向かいに、二郎インスパイアの中でも草分け的な人気店である「用心棒」があります。

「用心棒」は神保町二郎の向かい、という挑戦的な立地にあって行列ができています

ラーメン店において、「人気店の向かい」という立地は2匹目のドジョウが狙えそうでいて、実のところ茨の道であると思います。私の地元、大宮には「つけめん102」という人気店があります。その向かいもラーメン店用の物件なのですが、幾度となく居抜き出店と閉店を繰り返していました。

最終的に「つけめん102」に勝るとも劣らない人気店である「麺処ほん田niji」がそのサイクルに終止符を打ったのですが、それまでに3度くらいはラーメン店がつぶれていたと思います。

立地で差が付かない以上、人気店と同じ土俵に引っ張り出され、比較対象にされてしまうことは必定。明確に上回る何かを持っていないと選んでもらえない、ということでしょう。「つけめん102」に何十人も行列する一方で向かいのラーメン店はガラガラ、という光景は忘れられず、顧客とはかくもシビアなものかと思ったものです。

ひるがえって、神保町二郎の向かいで長年営業を続ける「用心棒」の実力たるや、神保町二郎と遜色ないものだと考えて差し支えないでしょう。

ラーメンも美味ですが、このお店の白眉は何といっても「まぜそば」です。この「まぜそば」には中毒性があり、時折無性に食べたくなってしまいます。本日は無性に「まぜそば」が食べたい気分だったので「用心棒」まで足を運んできました!

二郎とは異なる行列から着丼までのルール

お店には13時半ごろに到着して、先行者は店外に7人、お店の中に4人ほどでした。二郎と違って中で並んでいる人もいるので、先行者の人数を見誤らないように注意しましょう。

ラーメン店には先に食券を購入するスタイルのお店も一定数ありますが、このお店は列が店内に入ったタイミングで食券を購入すればOKです。また、店内に入るタイミングですが、外で待っていればそのうち店員さんが「中へどうぞ」と声がけしてくれますが、それを待つのは少数派な感があります。

おおかたのお客さんは臨機応変に前が空いたら店内に入る、という動き方をしていました。私も前の列が動いたタイミングを見計らって店内に入り、食券を購入しました。

食券機。今回は「まぜそば大」に「追加豚1枚」と「スキヤキ」を付けます

食券を購入したら店員さんに渡し、席に案内されるまで引き続き待機します。待機している間に、二郎とは違う「用心棒」ならではのコールを予習しておきましょう。

「用心棒」のコールは二郎と結構違います

二郎と比べると「カラメ」がない代わりに「ショウガ」「辛玉」「ガリマヨ」があります。「ショウガ」は刻んだショウガで、ニンニクはNGだけど薬味が欲しいときに重宝します。

「辛玉」は唐辛子の練り物のようなもので、ラーメンを頼んだときにスープで溶いて使います。「ガリマヨ」はガーリックマヨネーズの略で、まぜそば専用のトッピングです。また、「全部」とコールすると、「辛玉」を除く全てのトッピングが追加されます。

トッピング表を眺めていたところで席に案内されます。こちらのお店は客席に1番から10番までの番号が振ってあり、席ごとに何番の席かが書いてあり、コールの際に番号で呼ばれるので、自分の番号を把握しておく必要があります。

席ごとに番号が振られています。今回は10番になりました

席に通されたら、セルフサービスの水で喉を軽く湿らせつつ待機します。ややあって、店員さんから「10番のお客様、トッピングは?」と聞かれたので、「全部」とコール。

「まぜそば」の妙味はバラエティ感にあると思っており、できるだけバラエティ感を高めようという狙いです。コールが通ると、まず「スキヤキ」から提供されます。

「スキヤキ」は生卵、小口ねぎ、魚粉、醤油で構成されます。後半で味変するのに使います

「スキヤキ」の卵を溶いていると、メインのほうも来ました! 「まぜそば大」全部マシの着丼です!

まぜそば大 930円/追加豚1枚 90円/スキヤキ 80円

※写真はお店の方の許可をいただいて撮影しています