不便は手間だが役に立つ!
不便なほうが良いことって思い当たりませんか?
たとえば、野外でするバーベキュー。準備や片付けに手間がかかるし、材料は変わらないのに、いつもより美味しく感じたり、会話が弾んだりします。
若者たちに大人気のフィルムカメラ「写ルンです」も、粗い画質で限られた枚数しか撮れませんが、スマホの写真にはない独特の世界観を表現できるでしょう。
こういった不便から生まれる益を「不便益」(ふべんえき)と呼びます。
この不便益を考えた第一人者は、京都大学デザイン学ユニット教授の川上浩司氏。なんと川上氏は携帯電話(スマートフォンもガラケーも...)を持っていません。「益はあるのか?」と疑問を持ってしまいますが、著書でこう語っています。
「いつでも好きなときに」連絡が取れないことで、人と連絡をとれることの大切さをなんとなく感じることができています
不便は手間ですが、けして悪者ではありません。便利すぎる現代に、大切なことを気づかせてくれるきっかけにもなるのです。
あさイチにも出演。不便を追求している川上浩司氏。
ビジネスに役立つ不便益という発想
ビジネスや社会では、「便利」「最短」「効率」を追求する仕事の進め方や、企画の考え方があふれています。しかし、便利=豊かな社会なのでしょうか。
ビジネスに不便益という発想を取り入れることで、これまでになかった新しいモノやサービスが生まれるかもしれません。
川上氏の著者『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか? 〜不便益という発想』では、この逆転の発想をビジネスに生かす方法も解説しています。
本書は、テクノロジーを否定し、昔の生活に戻ろうという内容でなく、ITやAIなどの最新テクノロジーと不便を組み合わせた事例も数多く紹介しているのも特徴です。
便利すぎる時代にうっすら不安を感じているなら、不便益というモノサシを増やすことをおすすめします。
本の紹介
ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか? 〜不便益という発想
著者:川上浩司
価格:本体1,500円+税
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