社内の意思疎通、どうしてこんなに大変なのか
【Web担当者あるある】の前回(第1回)では、「サイト運営、どうしてこうなった? 思わず途方に暮れてしまう状況TOP 3」を紹介しました。今回はWeb担当者にとって最大の難関「社内調整」にスポットを当てます。
企業が運営するWebサイトは、社内の複数部署が関係することが多いですよね。例えばコーポレートサイトなら、ニュースリリースは広報部、採用情報は人事部、商品紹介は各担当部署、といった具合です。
Web担当者はそうした複数部署のスタッフの意見を聞き、情報を提供してもらい、上司の許可を得たうえでサイトに反映していく必要があるわけですが......それが一筋縄ではいかないのが、経験者のみなさんは痛感しているところでしょう。
書籍『「あるある」で学ぶ 右肩上がりのWebマーケティング(できるビジネス)』から、できるネット編集部が独断でピックアップした「あるある」をランキング形式で紹介していく本連載。第2回は 上司や他部署の意見で心が折れる瞬間TOP 3をお届けします!
第3位
上司は「Webに金をかけるな」が持論。何とか予算を確保したい
(マンガ:おほしんたろう)
まずは現実的な予算の話。直属の上司がWebに理解のある人ならいいのですが......こんな言葉を聞いたことがあるなら要注意です。
「Webはパソコンだけで作れるんだから、安くできるだろ?」
「Webの効果なんてたかが知れている。金をかける必要なんてない」
さっそく心が折れそうですが、そんな上司を「ひどい!」と決めつけてしまうのは考えもの。説明を工夫することで上司の理解を得られれば、豊富なビジネス経験でバックアックしてくれる強い味方となるはずです。
具体的には、Webの専門用語を説明なしに使わない、かかる費用は総額だけでなく内訳も提示する、などが挙げられるでしょう。とにかく意思疎通の壁を作らないことが、解決のポイントですね。
第2位
「サイトをもっといい感じに!」と上司。それってつまり、どうすれば?
上司続きでもう1つ。言っていることが抽象的すぎて意味わからん、という状況です。これは直属の上司だけでなく、他部署の上司にもありそうです。
こうした意見への対策として有効なのは、それが「誰にとっての問題なのか?」を明らかにすること。上司にヒアリングし、Webサイトのターゲットユーザーを意識した発言なのかを確認するのです。
すべての人にとって「いい感じ」なサイトを作ることなど不可能。上司の発言が単なる主観であれば、ターゲットユーザーを意識したものに絞り込むよう依頼することで、建設的な意見交換が可能になるでしょう。
第1位
「ウチの商品を大きく!」「ウチも!」他部署からの要求が止まらない
そして第1位はこれ。Web担当者はサイトのコンテンツを用意するにあたり、他部署からの情報提供を必要とすることが多いですが、そこで問題になるのが各スタッフとの意思疎通です。
特に、新規サイトのリリースやリニューアル時には、ここぞとばかりに無茶な要求が次々に出ることがよく起こります。完成間近のところで「なんか思ってたのと違う」「この項目はナビゲーションの左側にしてよ」なんて言われたら、好き勝手なこと言いやがって......なんて思ってしまうかもしれません。
ここで大事なのは、サイトの起ち上げやリニューアルの目的を他部署のスタッフにも理解してもらうこと。その目的達成のため、本質的に必要なことなのかを考えてもらうのです。Web担当者が目的をしっかり持ち、日頃から他部署にも共有するようにしておけば、こうした理不尽な要求は抑えられるはずです。
いかがでしたか? 社内調整の「あるある」はほかにもありますが、いずれも柔軟かつ前向きに対処していきたいものです。「あるある」を乗り越えるためのノウハウをもっと知りたい人は、ぜひ書籍もご覧ください!
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