「スマートリプライ」がついに日本語版Gmailに!

Gmailの返信メールを人工知能(AI)が自動作成してくれる「スマートリプライ」(Smart Reply)が、ついに日本語版Gmailアプリで使えるようになりました。

スマートリプライとは、機械学習による人工知能がユーザーに代わってメールの返事を作成してくれる機能です。受信メールの内容に応じた返信文案が3つ提案され、ユーザーはワンタッチでメールの返信ができるようになります(これまで通り自分で返信文を作成することも可能です)。

2017年5月に英語版で提供が始まったGmail版スマートリプライですが、それ以前からInbox by GmailとAlloで利用されていました。Googleによると、全返信メッセージの12%でスマートリプライが利用されていたそうです。

「AIがメールの返信文を作成してくれる」なんて聞くと、なんだかワクワクしてきますね。こんな期待を抱かせるスマートリプライとは、どのような機能でどのように操作するのでしょうか? さっそく使い方をチェックしてみましょう。

なお本記事の執筆時点では、日本語によるスマートリプライはAndroid(アンドロイド)版のGmailアプリでのみ利用可能でした。iOS版(iPhone/iPad)Gmailアプリは未対応です。

スマートリプライを使ってみよう!

1Gmailアプリで受信メールを表示する

Gmail(ジーメール)の受信画面にSmart Reply(スマートリプライ)の候補が表示されている画面

Gmail(ジーメール)でメールを受信したら、スマートリプライ(Smart Reply)で自動作成された返信メールの文案が3つ表示されました。この例では、「打ち合わせは予定通り13時スタートで大丈夫か?」という受信メールに対して、「大丈夫です。」「了解しました。」「特に問題ありません。」という3つの文案が自動的に作成されています。

2スマートリプライが作成した文案を選択する

Gmail(ジーメール)のSmart Reply(スマートリプライ)でメッセージ文案を選択する画面

スマートリプライ(Smart Reply)で表示された返信メールの文案の1つをタップします。ここでは[大丈夫です。]をタップしてみます。

3スマートリプライの文面で返信メールが作成された

Gmail(ジーメール)のSmart Reply(スマートリプライ)で作成した文面の返信画面

選択した文案が入力された状態で、返信メール作成画面が表示されました。今回は「大丈夫です。」と入力されています。問題なければこのまま送信しましょう。文面を追記することも可能です。

以上でスマートリプライの操作は完了です。人工知能が作成した文案をタップするだけなので、操作はいたって簡単ですね。では、続けてスマートリプライが作成する返信文をチェックしてみましょう。

スマートリプライが自動作成する返信文を検証!

スマートリプライ(Smart Reply)が自動作成する返信文の実用性を検証してみましょう。今回は、何パターンかの受信メールに対して、スマートリプライがどんな返信文案を表示するのかチェックしてみます。

現在地を尋ねてみた

Gmail(ジーメール)のSmart Reply(スマートリプライ)で現在地を尋ねてみた画面

現在地を教えてください。」というメールを受信した画面です。スマートリプライが自動作成した返信文案は「自宅です。」「家です。」「すみません。」の3つです。位置情報から自宅の場所を認識して表示していると思われます(正解は自宅)。

時間を聞いてみた

Gmail(ジーメール)のSmart Reply(スマートリプライ)で時間を聞いてみた画面

続けて「今何時ですか?」というメールで試してみます。ここでスマートリプライが自動作成した返信文案は「今です。」「9時です。」「夜です。」の3つです(正解は8時47分)。1つ目の「今です」は受信メールの冒頭にある「今」を拾ったのでしょうか。

最寄り駅は分かる?

Gmail(ジーメール)のSmart Reply(スマートリプライ)で最寄り駅を聞いてみた画面

次は「最寄り駅を教えてください。」というメールです。スマートリプライが自動作成した返信文案は「駅です。」「ありがとうございます。」「電車。」の3つです。質問文が分かりにくかったですかね。

選択肢を認識することは可能か?

Gmail(ジーメール)のSmart Reply(スマートリプライ)で選択肢問題を聞いてみた画面

選択肢を複数示した質問に対してスマートリプライがどういう答えを用意してくれるかチェックしてみました。選択肢を3つ用意していますが、回答文案はまったく的外れな内容になってしまいました......。

所要時間を答えられるか?

Gmail(ジーメール)のSmart Reply(スマートリプライ)で所要時間を聞いてみた画面

次に駅までの所要時間を尋ねてみました。Googleマップ(グーグルマップ)のように、スマートフォンの位置情報と地図情報を使えば精度の高い計測が可能そうだと思ったのですが、スマートリプライが用意した返信文案は「近いです。」「わかりません。」「着きました。」の3つ。Googleマップのような高い精度の文案は表示されませんでした。

現時点では、スマートリプライが自動作成する返信文案は、受信メールの言い回しなど、文言によって左右される向きが強そうです。いろいろな文言で試してみるのも面白いでしょう。