「メルカリ怖い」の噂はどこまで本当?

こんにちは。ネタフルのコグレマサトです。メルカリについてのよくある噂話に、「いきなり大幅な値下げを求められる」「『専用』とか『取り置き』とかローカルルールの意味がわからない」など、ユーザー間のコミュニケーションのネガティブな話題があると思います。

メルカリの話題からこうしたことを指摘され、「だからメルカリは怖い」と言われることがときどきあります。確かに、ぼくも出品したときに強気の値下げ交渉をされて悩んだり、よくわからないメルカリ内のローカルルールの話をされて戸惑ったりしたことはあります。

こうしたことは、決して多いわけではありません。たいていはスパッと話が決まる明朗会計&メルカリ便による安心配送で、気持ちよく売買を楽しめます。怖くはないんです!

とはいえ、まれに難しい交渉ごとが起こることは確かで、心の準備ができていないと困ってしまうでしょうし、ネガティブな出来事のほうが印象に残りやすいものですよね。今回はこうしたコミュニケーションの問題に対処する方法や、ストレスなく利用できるようにメルカリが進めている取り組みを紹介していきます。

大切なのは相手へのリスペクト

メルカリはユーザーの幅が非常に広く、さまざまな考え方や価値観を持つ人たちの交差点になっているため、自分や身近にいる人たちの物差しだけでは測れないようなことが起こると思います。

ぼくが印象に残っている強烈な値下げ希望はゲーム系の商品であったのですが、想像するに、コメントしてきた相手は高校生か大学生という印象でした。それくらいの世代の金銭感覚やコミュニケーションの常識は、ぼくには想像しきれないかも、と思います。

以前に値下げ希望のコメントをされたとき、対応できない値段だったので「その値段ではほとんど利益がないので、ごめんなさい」のように断ったことがあります。すると、相手はわりあい軽い気持ちで値下げ希望をしていたらしく、ぼくを困らせたことに対して「かえってすみませんでした」と謝られました。

また「○○円は無理だけど△△円なら」と返信したところ「その気持ちに感謝して買います!」となったこともありました。相手の顔が見えないため、怖さが先に立って「メルカリは怖そう、面倒そう」という印象になりがちかもしれませんが、当たり前に人とやり取りをしているのだと考え、相手へのリスペクトの気持ちを持って接するのが最善なのかな、と思っています。

先手を打って「対応しません」がラクな対処方法

メルカリの交渉が難しくなる原因には、出品者と複数の購入希望者が同時に交渉する形になる点もあります。例えば購入希望者Aさんが値下げの交渉をして、出品者が応じて値下げをしたとき、その値段で別のBさんが先に買ってしまうことも起こり得ます。

実際のフリマの場なら、Aさんとの交渉がひととおり終わって、話がまとまらなければBさんと...という流れになりますが、メルカリではそうとは限りません。別のケースで、Aさんの値下げ提示のあとからCさんがやや高めの値段を提示してきた場合、どちらの提示を受けるのがいいでしょうか? 高く売るならCさんですが、Aさんはちょっと気分が悪いだろうなと思うと、気になってしまいますよね。

ぼくは最近だと、こうした難しい局面にならないように「値下げは考えていません」「早い物勝ちでお願いします」と、説明文の中で複雑な交渉は対応しない旨を書いてしまうことが多いです。値下げ交渉などはケースバイケースで、簡単に対応を決めておくことは難しいため、先手を打って対応しないことを表明しておくことで、難しい交渉でストレスになることを回避できます。

「オファー」の拡大でスマートな取り引きの環境整備が進む

コミュニケーションをもっとスマートにするため、メルカリでは、新機能「オファー」の対応カテゴリーを拡大しているようです。オファー機能は第2回でもメルカリのまゆみんさんから簡単に紹介してもらいましたが、購入希望者が出品者に向けてほかの人には見えない形で希望価格を伝え、出品者が応じれば交渉成立となるものです。

交渉が同時進行しても互いの交渉内容はほかの人に見えず、オファーを出した人自身が確実に買えます。また、出品者もほかの人を気にせずに、いちばん条件のいい(高く買ってくれる)オファーをくれた相手を選べます。

オファーが利用できるカテゴリーの商品は、購入する[購入手続きへ]の隣に[オファー]ボタンが表示されます。

オファーで提示できる金額は2割引まで(元値の8割以上)で、あまり大幅な値下げの要求はできないようになっています。

オファーは出品者の「やることリスト」に表示され、複数のオファーがある場合は条件のいいものを選んで承諾できます。オファーした相手が24時間以内に購入すればオファー成立で、ほかの人のオファーは自動的にキャンセルとなります。

第2回の時点では「インテリア・住まい・小物」カテゴリーだけに対応していたオファー機能は、11月29日に「家電・スマホ・カメラ」「スポーツ・レジャー」にも広がりました。今後も対応カテゴリーが増えていけば、出品する側も購入する側も、より気軽に利用できるようになると思います。

コミュニケーションのコツやオファー機能について、まゆみんさんに話を聞いてみましょう。

オファーの対応拡大で、交渉時のすれ違いを少なく

こんにちは、コグレです。メルカリのオファー機能の拡大が進んでいるみたいですね。

こんにちは、メルカリ広報のまゆみんです。オファー機能はまだ全体で使えるわけではありませんが、カテゴリーを追加しています。以前から「値引き交渉が成立したのに、ほかの人に購入されてしまった」といった声をいただいていて、個別に交渉できるオファーが、その解決に役立てればと考えています。

オファー機能が使えるようになると、今よりもずっと取っつきやすい印象になっていくのかなと思います。

はい。皆さんにとってより使いやすいサービスになるよう、改良を加えています!

コミュニケーションのコツは「毅然と、丁寧に」

とはいえ現状では、まだオファーが対応していないカテゴリーも多くて、「メルカリは交渉ごとが大変なのでは?」といった話をされることもあります。うまく使いこなすコミュニケーションのコツとしては、どんなことがあるでしょうか?

困った値下げ希望のコメントなどがあっても毅然と、そして丁寧な言い回しで対応するのがいいと思っています。その商品に興味を持っているほかの人にも自分のスタンスが伝わり、しっかり対応してくれる人だとわかってもらえるので、ほかの人との取り引きにもつながりやすいと思います。

なるほど。変に妥協したりしても、あとになって後悔しますからね。

第2回などでも話題になりましたが、コグレさんがおっしゃるように交渉ごとは「対応しません」と先に明記しておくのもひとつの方法です。いずれにしても自分のスタンスを明らかにすることで、気持ちよく取引できますね。

押さえておきたいメルカリのローカルルール

以上のように、メルカリではローカルルール的なものの存在を意識する必要はなくなりつつありますが、初めて目にすると「???」となる用語が使われる機会はまだまだあると思います。ここで、主なものを簡単に解説します。

●専用(専用出品)
特定の相手と交渉するための出品物のこと。商品名や商品の写真に「○○さん専用」と書かれています。交渉中にほかの人が買ってしまうことがないように購入希望者から「専用にしてほしい」と希望され、出品者が応じて専用になる場合が多いです。

●取り置き
商品を買いたいけどすぐにお金の用意ができない購入希望者が、「取り置き」を希望することがあります。応じるか応じないかは出品者次第です。

●即購入
値下げ希望などでなくても、コメントで購入の意思を示してから購入してほしい出品者は「即購入禁止」と書いています。反対に「即購入OK」と書いてあるものは、通常どおりに購入して構わないという意思表示です。

●プロフィール必読
細かな注意書きをプロフィールに書き、それを読んでからコメントや購入をしてほしい出品者がこう書いています。プロフィールに書かれている内容はさまざまですが、育児や病気などの事情で自由に外出できず発送が遅れる可能性があるなど、先に把握しておいたほうがいい情報が書かれている場合が多いです。

上記のローカルルールはいずれもある程度ユーザーに知られているものですが、メルカリの公式なルールではありません。取り引きをスムーズにしたいという狙いがあっても、強要することはトラブルにつながる可能性があります。

また、こうしたローカルルールに起因するトラブルは、メルカリのサポートを受けられません。メルカリは商品を最初に購入したユーザーと取り引きする仕組みになっているので、これに従って利用しましょう。

先述のように交渉ごとに対応しない意思表示をするとき、「値下げには対応いたしません」と書くことで値下げ交渉には対応しないこと、「早い者勝ちでお願いします」として、専用や取り置きには対応しないことを表明します。これはローカルルールというわけではなく、自分(出品者)の方針としてこうします、という意思表示となります。もしも買い手が現れないようなら、自分で値下げをして様子を見るようにします。

取引後の「評価」はどう考えたらいい?

メルカリを実際に使っている人にとっては、出品時のコメントによるコミュニケーションだけでなく、取り引き後の「評価」も気になると思います。取り引きが完了すると、商品を受け取った購入者が出品者を「良い」「普通」「悪い」の3段階で評価し、次に出品者が購入者を同じく3段階で評価します。

評価はユーザーにずっと付いて回り、過去に「悪い」評価が付いている人は、それだけで取り引き時に警戒されるようになってしまいます。出品を見ていると「悪い評価がある人の購入はお断りします」としている人もいます。メルカリには取り引きのキャンセル申請機能があって、悪い評価のある人が買ったときに、出品者がキャンセルすることも可能なのです。

実は、ぼくも「悪い」評価が1つ付いてしまっています。何か悪いことをしたとか、ミスがあったというわけではないつもりなのですが、うまく話が通じなくて購入者に「悪い」評価をされてしまいました。

商品が購入者に届き、購入者が出品者を評価したあと、出品者が購入者を評価します。「良い」「普通」「悪い」の3つから選び、コメントは書いても書かなくても構いません。お互いの評価は、自分が評価し終わるまでわからないのがポイントです。

当たり前のことかもしれませんが、すべての人とスムーズに話が通じるわけではありません。「悪い」評価が付いたときはショックを受けたのですが、ほかはすべて「良い」評価ですし、そういうこともある、とわかってくれる人はわかってくれるだろうと考えています。

評価について、ぼくはずっとほかの人の様子を見つつ自己流でやっていますが、まゆみんさんにも考え方を聞いてみたいと思います。

コメントはなくてもいいけど、あったほうが好印象

取り引き後の評価について教えてください。「良い」「普通」「悪い」の3段階がありますが、特に滞りなく普通の取り引きができたら「良い」でいいでしょうか?

そうですね。皆さん、よほどのことがなければ「良い」にしているということもありますし、滞りなく取引できたということは、十分に「良い」評価なのかなと思います。

取り引きのときにまめにコメントをくれる人、ほとんどくれない人がいますが、ぼく自身はコメントがあったほうが印象がいいかなと思っていつも書いています。皆さんはどんな感じなんでしょうか?

統計的なデータはありませんが、「発送しました。よろしくお願いします」や「受け取りました。ありがとうございます」といった一言で、丁寧な印象になるかなと思いますね。私も書くようにしています。

メルカリの取り引きのシステムは「購入手続きが済んだ」「発送された」「届いた」などの通知を自動でしてくれるので、手動でのコメントがなくてもあまり気になりません。でもコメントがあればうれしいですよね。

そう感じてもらえたら、サービスの提供側としてもうれしいですね。できるだけストレスなくやり取りができるシステムにしたうえで、プラスアルファのコミュニケーションを楽しんでいただければと考えています。

「悪い」評価は消せないけれど...

ところで、ぼくはこれまでに1件「悪い」評価を付けられたことがあります。その評価には納得の行かないところがあるのですが、これって取り消しなどはできないんですよね?

残念ですが、すでに付いた評価を変えることはできません。悪い評価をしているのは誰か、そのユーザーはほかのユーザーからどのように評価されているか、まで見られるので、その評価がどんな意味を持つかは、検証していただける形になっていると考えています。

確かに、そういう面はありますね。しっかり見てもらえればわかってもらえると思って、これからも続けていきます!

ユーザーの評価一覧から評価した人をタップすることで、評価したユーザーがほかの人にどう評価されているかを確認できます。

コミュニケーションのわずらわしさを軽減する方向性に期待!

メルカリは若者や女性向けだと思っていませんか? とは本連載の最初に書いたことですが、メルカリをやっていると、オジさんである自分とは違う価値観だな、というコメントを目にすることがときどきあります。

こういうときは、自分の価値観ですべてを判断するのでなく、相手に無理して合わせるのでもなく、違いを認識したうえで「自分はこうだ」とはっきりと伝え、お互いが納得できるポイントを探ることが大事だと思います。そのうえですれ違いが起きてしまうのは、残念ですが仕方がないかもしれません。

今のメルカリは、ユーザー間で起こりうる摩擦に対して、ユーザーにコミュニケーションの努力を求めるのでなく、できるだけ簡略化・自動化して摩擦を起こさないようにと指向しているように思えます。その方向性は大歓迎で、価値観の異なる多くの人たちが取り引きする場として、適切な進化なのではないでしょうか。

さて、次回は「大掃除とメルカリ」をテーマに、不用品をどんどん「資産」として売っていくコツを紹介します。ここまで連載を読んでも「でも面倒だな...」と思っている人は少なくないと思いますが、そこを乗り越えるちょっとした工夫もお伝えしたいと思います!

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イラスト:沼田健

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