試行錯誤の積み重ねが大きな礎に

25周年を迎えた「できるシリーズ」ですが、筆者は1997年発行の「できるNetscape Navigator3.0」を共著という形で執筆させていただいて以来、随分とたくさんのタイトルを書かせていただきました。編集担当によれば、共著を含めると、もっとも多くのタイトルを執筆した著者なんだとか......。

できるシリーズについては読者のみなさんもご存知の通り、WordやExcel、WindowsといったアプリケーションやOSなどを解説する入門書で、手順通りの画面がわかりやすいと、各方面で評価をいただいています。

ところが、筆者が執筆したタイトルには、当初、ISDNやポケットボード、ザウルス、VAIO、ADSLなど、ちょっと毛色の変わった題材が多く存在しました。これらの題材はアプリケーションやOSのように、手順で説明することができなかったり、読者によって、いろいろな利用シーンが考えられるため、紙面作りに随分と苦労した記憶があります。

どのような紙面にするとわかりやすいか、読者のみなさんに理解してもらえるか、編集担当と夜遅く、いや、日によっては早朝近くまで、喧喧諤諤の議論をしたこともありました。

また、時には自分たちが考えている紙面で理解してもらえるかを確認するため、他の編集部のスタッフに「これでわかる?」と聞いてみたり、家族や友だちにも「こういう言い方で理解できる?」と相談してみたりすることもありました。

もちろん、筆者だけでなく、多くの著者陣や編集スタッフがこうした工夫と取り組みをくり返してきたことで、今日の「できるシリーズ」ができあがってきたわけです。オリジナルのコンセプトを大切にしながら、時代と共にその枠を拡げ、新しい「できるシリーズ」へ進化させてきたと言えるでしょう。これからも多くの人に役立つ「できるシリーズ」が世に送り出されることを期待しています。


法林岳之(ほうりん たかゆき)
1963年神奈川県出身。パソコンのビギナー向け解説記事からハードウェアのレビューまで、幅広いジャンルを手がけるフリーランスライター。特に、スマートフォンや携帯電話、モバイル、ブロードバンドなどの通信関連の記事を数多く執筆。「ケータイWatch」(IMPRESS Watch)などのWeb媒体で連載するほか、Impress Watch Videoでは動画コンテンツ「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。テレビやラジオでの出演をはじめ、全国各地での講演にも出席。
URL:http://www.hourin.com/takayuki/

主な「できるシリーズ」の著書

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