【できるUiPath】は注目のRPAサービス「UiPath」を使って、RPAのワークフローを作るための基本操作から、実際に業務をRPA化する実践テクニックまでを解説する連載です。
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レッスン37ダウンロード処理の使い分け

ファイルを確実にダウンロードするには

Webページからのファイルのダウンロードは、簡単なようで注意が必要な処理です。ダウンロード先に応じて2つの方法を使い分けるといいでしょう。

「固定」と「動的」2つのダウンロード方法

ファイルのダウンロード方法は大きく2つのパターンがあります。ダウンロード先のURLが固定されている場合は[HTTPリクエスト]を使うのが簡単です。

一方、ダウンロード先のURLが処理のたびに変わる場合は画面上のリンクを右クリックしてファイルを保存するといいでしょう。

固定URLの場合は[HTTPリクエストウィザード]を使う

[HTTPリクエスト]は、HTTP接続を発行できるアクティビティです。HTTP通信で使用される[GET]などのメソッドや各種パラメーターを指定して、HTTPでファイルをダウンロードします。

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

動的なURLの場合は右クリック操作を使う

ファイル名やURLなどが固定されていない場合は、UiPath Studioの各種アクティビティを使って画面上のリンクを操作します。右クリックで[対象をファイルに保存]を選択しましょう。

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINTパッケージのインストールが必要

[HTTPリクエスト]を利用するには、[UiPath.Web.Activities]パッケージをインストールする必要があります。[パッケージを管理]を起動後、[すべてのパッケージ]を選択した状態で、「uipath.web.activities」で検索し、パッケージをインストールしておきましょう。

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

ダウンロード先のURLが固定の場合

URLが固定されている場合の例として、日本郵便のWebページから郵便番号一覧をダウンロードしてみましょう。ダウンロードしたいファイルのURLが決まっているので[HTTPリクエスト]でダウンロードできます。

1ダウンロードファイルのURLを取得する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

郵便番号データダウンロード

HINTURLを確認しておこう

[HTTPリクエスト]でファイルをダウンロードする場合は、ダウンロードしたいファイルのURLが必要です。手順1のように、ダウンロード用のリンクを指定してURLをコピーしておきましょう。

Webページによっては、ボタンを押した後にダウンロード先にリダイレクトされる場合もあるため、必ずファイルのURLを取得することが重要です。

2[HTTPリクエスト]を追加する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

3[エンドポイント]にダウンロードファイルのURLを指定する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINT認証が必要な場合は

Webページへのアクセスやファイルのダウンロードに、ユーザーIDとパスワードによる認証が必要な場合は、手順3の画面で[認証]の項目を設定しましょう。[簡易HTTP]でユーザー名とパスワードを入力する方法に加えて、[OAuth1]や[OAuth2]でトークンやシークレットを指定する方法も選択できます。

また、[パラメーター]で詳細なパラメーターを追加することもできます。

4ダウンロード先を指定する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINT事前にテストしておこう

手順4の設定後、[リクエストビルダー]タブに戻り、画面下の[プレビュー]をクリックすると、指定したHTTPリクエストを実行することができます。

[応答]タブの[応答情報]タブをクリックして、発行したリクエストに対する応答を確認しておきましょう。

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINTクリック操作でファイルを保存するには

ファイルのURLが右クリックできない場合などは、通常のクリック操作でファイルをダウンロードすることになります。この際、問題になるのが、Internet Explorerの画面下に表示される通知バーの操作です。通知バーは、[クリック]アクティビティで安定して操作できないことがあります。次のようにホットキーを使って操作するといいでしょう。

最初に[Alt]+[N]キーを押す操作をすることで、通知バーにフォーカスを移動した状態で、[Alt]+[S]キーを押す操作を設定するのがポイントです。

また、ダウンロード用URLをクリックする[クリック]の[プロパティ]パネルで、[実行後の待機時間]に「500」ミリ秒程度の待ち時間を設定して、通知バーを操作できるようになるまでの時間を設定しても操作できる場合があります。

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

ダウンロード先URLが動的に変わる場合

ダウンロードするたびにファイル名が変更になるような場合は、右クリックから[対象をファイルに保存]を操作してダウンロードするのが簡単です。

1[ブラウザーを開く]を追加する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

2[クリック]を追加する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

3右クリックに変更する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINTサイトによってはダウンロードできないこともある

ダウンロード用のURLにアクセスするために、セッション情報やCookieの利用が必要な場合など、対象となるWebページの構造によっては、[HTTPリクエスト]でダウンロードできないことがあります。

このような場合は、右クリックを使ったダウンロードの操作を試してみましょう。

HINT別のダウンロード先でも試してみよう

ここでは、例として日本郵便のWebページから郵便番号一覧をダウンロードしています。このファイルは、URLが固定されているため、[HTTPリクエスト]を使ってダウンロードすることもできますが、ここでは例として同じファイルを右クリックでダウンロードします。

実際に動的なURLのサイトで試したいときは、別のWebページで試してみましょう。

4[クリック]を追加する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINT右クリックメニューを指定するときは[F2]キーを使う

手順4で、[ブラウザー内に要素を指定]を実行しても、そのままでは右クリックで表示されるメニューは指定できません。実際にリンクを右クリックした状態で選択する必要があるため、[F2]キーを押して、一時停止した状態で、右クリックしてメニューを表示します。

このように、一時的にしか表示されない画面上の要素を指定するときは、[F2]キーを使うのがポイントです。

5[F2]キーを押して操作を一時停止する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

6クリック先を指定する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINT別のブラウザーを使うには

Internet Explorerの通知メッセージの処理が面倒な場合は、別のブラウザーを使ってファイルをダウンロードすることもできます。

ただし、FirefoxやChromeを使う場合は、UiPath Studioの[スタート]メニューから[ツール]を選択し、該当する拡張機能をインストールしておく必要があります。

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

7メニューを操作する処理が追加された

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINTフォルダーやファイル名を変更しない場合は

ここでは、保存先のフォルダーとファイル名を指定してファイルを保存します。そのままのファイル名で、かつ標準のダウンロード先に保存する場合は、手順8~9の操作は必要ありません。手順10から操作を続けましょう。

8[名前を付けて保存]ダイアログボックスを表示する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

9[文字を入力]を追加する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINTファイル名を変更したいときは

ここでは、手順9でパスのみを指定しましたが、同様にファイル名も変更できます。

ただし、ファイルの形式が分かりにくくなったり、起動するアプリが変わってしまうことがあるため、「.zip」などの拡張子は変更せずにそのまま指定しましょう。もちろん、パスとファイル名に変数を使うこともできます。変数を指定する場合は、「""」で囲む必要はありません。

10ファイル名を指定する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

11[クリック]を追加する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

12[保存]ボタンを指定する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINT[保存]ボタンの代わり[Enter]キーを使うこともできる

ここでは、手順12で[保存]ボタンをクリックしてますが、この操作の代わりに、手順9で[Enter]キーの入力を指定することもできます。

以下のように、手順9の[文字を入力]の右下にある[+]をクリックして、[Special Keys]の[enter]を選択しましょう。これで、ファイル名の入力と同時に[Enter]キーが押され、そのままファイルが保存されます。

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

13保存する処理を指定できた

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

14ワークフローを実行する

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINTダウンロード完了の通知を非表示にするには

Internet Explorerでは、ダウンロードが完了したときに、通知バーにメッセージが表示されます。

通知バーが表示されたままだと、ほかの操作に支障が出てしまう場合は、[ツール]の[ダウンロードの表示]から[オプション]をクリックし、[ダウンロードが完了したら知らせる]のチェックマークを外しておきましょう。

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

ファイルを確実にダウンロードするには(ダウンロード処理の使い分け) - できるUiPath

HINT実行環境を考慮しよう

互換性表示設定やダウンロードの完了通知など、Internet Explorerのオプションを変更する場合は、これらの設定をロボットの実行環境でもきちんと再現することが大切です。

場合によっては、これらの設定を自動的に実行するワークフローを作成することも検討しましょう。

PointURLが「固定」か「動的」かで処理を使い分けよう

Webページからファイルをダウンロードする場合は、通常のクリックでのダウンロードでは、通知バーの処理などが必要になり、かえって処理が複雑になることがあります。

このレッスンで紹介したように、[HTTPリクエスト]を追加するか、右クリックの操作か、いずれかを利用するのがおすすめなので、ダウンロードしたいファイルに合わせて2つの方法を使い分けましょう。

提供:UiPath

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