55歳、生活習慣病の一歩手前からマラソンランナーへ

数年前、筆者は血液検査で主治医からレッドアラートを出されました。55歳だった当時の体重は80kgオーバー(筆者の身長は165cmです)、体脂肪率は30%超えと生活習慣病予備軍の診断を受けました。

さすがにこれではマズいと思い、ウォーキングとランニングを始めて、半年間で25kgのダイエットをしました。現在は体脂肪率は13%をキープしています。ダイエットをきっかけに始めたランニングは、完全に習慣になっていて、毎月積算で150kmから200kmくらいの距離を走っています。

そして、今では年間に4、5回程度フルマラソンの大会に出場しています。もちろん、生活習慣病とは無縁な状態になり、主治医からは「マラソンもいいけど、ほどほどにしてね」とまで言われるようになりました。

フルマラソンは、走力や持久力が必要なスポーツですが、42kmを走り切るのに重要なのはペースマネジメントや精神力、忍耐力だと言われています。精神力や忍耐力、これこそが「できるシリーズ」に関わらせていただいて、筆者自身が得ることができたものだと思っています。

「できるシリーズ」は、どのタイトルもわかりやすい紙面、わかりやすい文章になるように工夫されています。技術書のように、著者が持っている知識をただ文章にするだけでは、誰もが理解できる内容にはなりません。著者の知識を誰もがわかる形で文章にするというスキルが必要になってくるのです。

一度書いただけで文章がわかりやすくなることは、ほぼありません。執筆した文章を何度も読み直し、言い回しを変えてみたり、わかりやすくするために、何度も書き直しをすることも「できるシリーズ」の執筆ではあたり前のことなのです。

以前、ある編集担当の方に言われた言葉があります。それは「3回読み返してわかりにくい部分があったら、その文章を含むレッスンをすべて書き直す」ということ。この言葉に代表されるように、編集部の方々も、筆者だけではなく「できるシリーズ」に関わっている多くの著者の方々も、決して妥協をしないということを念頭において「できるシリーズ」を制作しています。

「できるシリーズ」は、いわば編集部と著者の血と汗と涙の結晶だと言えるでしょう。もちろん、こんなことを何十年も続けているのですから、精神力が鍛えられないわけがありません。

フルマラソンの終盤で心がめげそうになったとき、「あの書籍を執筆したときに、こんなことに苦労したなあ」なんてことを思い出します。次のフルマラソンを走るときに、「できるシリーズ」にまつわるどんなエピソードが思い出されるのか、今からとても楽しみです。

「ちばアクアラインマラソン 2018」を走る筆者


広野忠敏(ひろのただとし・フリーランスライター。新潟県出身)
ライター、システム構築屋、コード書き屋。OS、コンパイラ、ゲーム開発の経歴もあり。人生で一番大切なことはスタートレックで教わった。興味の中心はモータースポーツ、ビリヤード、ダーツ、天体観測、お茶、お香、SF、TDRなど広く浅く。Live Long and Prosper.

主な「できるシリーズ」の著書

「25周年リレーコラム」の一覧ページへ
「できるシリーズ」25周年特設ページへ