オークションの女王!? だったあの頃

できるシリーズ25周年おめでとうございます!

私が初めて「できるシリーズ」で執筆したのは、今から14年ほど前。「渡辺さくら」というペンネーム(生意気にも!)で2005年に出版させていただいた『できる100ワザ ネットオークション トクする! 儲ける! 実践ノウハウ』がスタートでした。

その後、2008年には『できる100ワザ 儲かる!ヤフオク&モバオク (できる100ワザ ネットオークション 改訂版)』を出版させていただきました。当時はネットオークションが盛んになり始めていましたが、利用者は今ほど多くはなく、詐欺まがいの事件も多かったように記憶しています。

そして時が流れて2016年、フリマアプリの「メルカリ」を解説した『できるポケット メルカリ&メルカリアッテでかしこく稼ぐ本』を出版させていただきました。この本はなかなか好評で、2018年には改訂版の『できるポケット メルカリのコツ 月3万円おトク! スキマ時間で稼げる』を出版させていただきました。改めて考えると、「できるシリーズ」とは長いお付き合いなのだなと感じますね。

スマホの登場がネットオークションを変えた

初出版からの14年間で、世の中を変えた一番の出来事は何かというと、私にとってはスマホの登場です。パソコンでしていたことがスマホでできるようになり、しかもより簡単にスムーズに、スピーディーにできるようになりました。

例えば、最初に書いたネットオークションの本はパソコンで行うことが前提になっていますが、メルカリの本ではスマホでの操作が当たり前になっていて、「パソコンでもできる」というワザを入れています。他にも、スマホがパソコンよりも普及したことで、個人情報の保護とかお金のやり取りの安全性とか、オークションだけではなく、世の中全体も大きく変わったと思います。

「できる」=「楽しい」が原動力

それに、世の中だけではなくて私自身も結構変わったなと感じます。14年前は、私がネットオークションを始めて1年ぐらい経ったころだったと思いますが、当時は「ああ、できないな」「無理だわ」って諦めることもありました。

当時のオークションは入札者も落札者もほとんどプロのような人たちばかりでしたし、今ほど情報が多くなかったので「売れなくても仕方がないか」と思っていたところもありました。

でも今は、ヤフオク!やメルカリにも普通の人がスマホでどんどん参加して、新しいノウハウを築いています。それに、ネットを検索すれば多くの情報を得ることができます。だから私も「どうすれば売れるのか?」ということに知恵を絞るようになりました。

出品するときに、どうすれば商品の魅力が伝わるのか。キャッチコピーや写真はこれでいいのか? 商品の説明文は、相手が知りたいことを盛り込んでいるか。今まで「できない」と思っていたことを「できる」ようになることを、楽しく感じるようになったのです。達成感というか到達感というか、表現は難しいのですが喜びを実感しています。

できるシリーズも読者に、「できる」という喜びを知ってほしい、という願いが込められているのだと私は思っています。だから、書く方も必死です(笑)。でも、著者や編集部が一生懸命だからこそ、25年も続くロングセラーとなったのでしょう。そのシリーズの仲間になれたことも嬉しいですし、これからもお付き合いしていきたいと思っています。

「渡辺さくら」として執筆した「できる100ワザ」シリーズの2冊。今も大事に、手に届くところに置いてあります


川崎 さちえ(かわさき さちえ)
2003年、夫が育児のために退職したことを受け、家計を支えるためネットオークションを利用し始める。家にあったさまざまな不用品を出品し、仕入れや受注生産も経験。さまざまな出品のテクニックを身に付け、ネットオークションが生活のインフラになり得ることを体感する。近年はメルカリを中心とするネットフリマに注目。ネットオークションとは異なるノウハウを学びつつ、独自の効率的な利用方法を確立している。

主な「できるシリーズ」の著書